中国南部で台風マットモ接近 海南・広東が非常対応レベルIVを発動
中国南部の海南省と広東省で、2025年の台風シーズン第21号となる台風「マットモ」の接近を受けて、台風に関する非常対応レベルIVが発動されました。大型連休と重なるなかで、観光や交通への影響と、住民の安全確保が大きな焦点となっています。
台風マットモ、南シナ海から海南・広東沿岸へ
台風「マットモ」は、2025年の西太平洋台風シーズンで21番目に命名された台風です。広東省の気象観測所によると、この台風は南シナ海に進み、その後、広東省西部と海南島東部の沿岸部の間で上陸すると予測されました。
海南省の気象当局は、マットモの最大風速が毎秒42〜48メートルに達する見込みで、「強い台風」に分類されるとしています。広東省では、珠江河口より西側の沿岸の都市や県で、土曜夜から日曜夜にかけて激しい雨が見込まれると予報されました。
海南省・広東省が非常対応レベルIVを発動
マットモの接近を受け、海南省と広東省は、中国の4段階の非常対応体制のうち「レベルIV」の台風非常対応を発動しました。災害時に備えた公式の対応レベルが引き上げられた形です。
広東省では当局が、気象予報の精度を高め、住民への警報を迅速に出す体制を強化しました。あわせて、災害リスクが高い地域の住民をあらかじめ移動させるなど、被害を最小限に抑えるための措置が取られたとされています。
National Day・中秋節の8連休と重なる懸念
台風マットモの影響が予測されたのは、National Dayと中秋節を合わせた8日間の大型連休と重なる時期でした。この期間は、海南省をはじめ中国南部の観光地が一年の中でも特ににぎわうタイミングです。
海南省の当局は、海岸部や水辺、山岳地帯の観光地で安全対策を強化するよう呼びかけました。遊歩道やビーチなど、風雨の影響を受けやすい場所では、一時的な立ち入り制限や警戒の強化が想定されています。
当局は、マットモの影響によって次のような交通の乱れが起きる可能性が高いとみていました。
- 主要な国内線・地域路線を中心とした航空便の欠航や遅延
- Qiongzhou海峡を渡るフェリーの運休や減便
- 海南省と広東省を結ぶ高速鉄道の運行制限
土曜夜から日曜にかけてこうした影響がピークを迎え、通常運行への復旧は月曜の朝になると見込まれていました。連休中の移動計画を立てていた人々にとって、最新の運行情報の確認が不可欠な状況です。
広東沿岸部で大雨 危険地域の住民を事前移動
広東省では、珠江河口より西側の沿岸の都市や県で激しい雨が予測され、当局は早い段階から防災対応を進めてきました。地方政府は、気象情報と連動しながら警報をこまめに発し、危険度が高いと判断された地域の住民を事前に移動させるなどの措置を取ったとしています。
こうした対応は、台風本体の接近前からリスクを下げることを目的としたものです。強い風雨による被害を「発生してから抑える」のではなく、「発生する前に減らす」方向に舵を切る動きとも言えます。
大型連休と自然災害 私たちに突きつけられる問い
台風シーズンの終盤であっても、強い台風が観光や経済活動を直撃する可能性は残ります。とくに今回のように大型連休と台風が重なるケースでは、行政による早めの警報や交通機関の制限だけでなく、旅行者や住民一人ひとりが情報を確認し、計画を柔軟に見直す姿勢が重要になります。
南シナ海から中国南部へ向かう台風の動きは、日本を含むアジアの気象にも間接的に影響を与えることがあります。離れた地域の出来事であっても、災害への備えやインフラの強靱性、観光と安全のバランスなど、私たちが考えるべきテーマを静かに投げかけていると言えるでしょう。
Reference(s):
South China provinces activate Level-IV emergency typhoon response
cgtn.com







