中国・海南省ムラントウ灯台 漁を守る灯りから観光スポットへ
中国・海南省文昌のムラン湾に立つムラントウ灯台は、複雑な海況の中で船を導き続けてきた中国の代表的な沿岸灯台の一つです。1995年の建設から約30年、いまも24海里先まで光を届けて航行安全を支えると同時に、観光スポットとしても注目される存在になりつつあります。
ムラントウ灯台の場所と役割
ムラントウ灯台があるのは、中国・海南省の文昌にあるムラン湾です。この一帯は海の条件が複雑だとされており、ここを行き交う船にとって灯台の存在はとくに重要です。
1995年に建設されたムラントウ灯台は、24海里の範囲にいる船舶を導き、航路を示す役割を担っています。中国の沿岸灯台のなかでも象徴的な存在として位置づけられ、地域の海上交通を静かに支えています。
- 所在地:海南省文昌・ムラン湾
- 建設年:1995年
- 照射範囲:24海里
- 役割:航行安全の確保、船舶の誘導
地元の漁師が頼る「海を鎮める針」
ムラントウ灯台が「海を鎮める針」のような存在だと語るのは、地元の漁師たちです。荒天や視界の悪い夜でも、一定の間隔で光を届けてくれる灯台は、単なる航路標識を超えて、心の支えにもなってきました。
複雑な海況のなかで、小さな漁船が安全に港へ戻るには、確かな目印が欠かせません。ムラントウ灯台の光は、24海里の範囲で船を導くだけでなく、「あそこに灯りが見えるから大丈夫だ」という安心感を海に出る人々にもたらしてきたといえます。
漁を導く灯りから、観光スポットとしての顔へ
ムラントウ灯台はもともと、漁船や商船の安全な航行を支えるために建設された実務的なインフラです。しかし、そのたたずまいや海を見渡す立地は、観光の視点から見ても魅力的です。
そのため、近年は「漁を導く灯り」であると同時に、海辺の風景を楽しむために訪れる人からも注目される観光スポットとして語られるようになっています。灯台そのものを間近で眺めたり、周囲の海や空の色の変化を写真に収めたりと、楽しみ方も広がっていると考えられます。
灯台という公共インフラが、地域の暮らしを支えながら観光の資源にもなっていく流れは、沿岸地域の新しい可能性の一つともいえるでしょう。
海と暮らしをつなぐ灯台をどう見るか
2025年のいまも、ムラントウ灯台は建設当時と変わらず海を照らし続けています。約30年という時間のなかで、その役割は「船を安全に導く装置」であることに加え、地域の象徴として人々の記憶や感情をも照らす存在へと広がってきたといえます。
海に囲まれた地域にとって、灯台は事故を減らし、命と生活を守るための基盤インフラです。同時に、海とともに生きる人々の物語や、日々の不安を和らげる「心のよりどころ」でもあります。
もしムラントウ灯台を訪れる機会があれば、「どこまで遠くの船を照らせるのか」という機能面だけでなく、地元の漁師や住民にとってこの灯りがどんな意味を持ってきたのか、そしてこれからどのような観光のかたちを生み出していくのかにも思いを巡らせてみると、海辺の風景が少し違って見えてくるかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








