中国ニュース:広西ミャオ族の村で国慶節と収穫を祝う巨大バーベキュー
中国本土南部の広西チワン族自治区ロンシュイ・ミャオ自治県の村で、この秋、大きな炭火グリルがいっせいに火を噴きました。地元のミャオの人びとと各地から訪れた人たちが集まり、収穫と中国の国慶節(建国記念日にあたる祝日)を一緒に祝う、にぎやかなバーベキューパーティーが開かれたのです。
炭火の向こうに広がる、国慶節と収穫の祝宴
今回の舞台は、広西チワン族自治区のロンシュイ・ミャオ自治県にある山あいの村です。国際ニュースとしては大都市の動きが注目されがちですが、中国本土の地方では、こうしたローカルな祝祭が人びとの暮らしを彩っています。
村の広場には、長い列をなすグリル台が並びました。網の上では、
- 川でとれたばかりの新鮮な魚
- 脂がのったジューシーな豚肉
- 野菜や地元の特産品を使った串焼き
などがじゅうじゅうと音を立て、煙と香りがあたり一面に広がります。訪れた人たちは、紙皿を片手に焼きあがるのを待ちながら、隣り合った見知らぬ人とも自然と言葉を交わし、テーブルを囲んで一緒に料理を楽しみました。
このバーベキューは、
- 秋の実りを分かち合う収穫祭
- 中国の国慶節という国家的な記念日
という二つの意味を合わせ持つ行事として開かれました。日常の食卓に近い「焼き物」のスタイルだからこそ、世代を問わず誰もが参加しやすく、村全体を巻き込んだ祝宴になったといえます。
ミャオの人びとが守る音楽と踊り──ルーシェンの響き
炭火グリルの横では、音楽とダンスも欠かせません。会場にはミャオの伝統楽器「ルーシェン」の軽快な音色が響きました。ルーシェンは、複数の竹の管を束ねた笛のような楽器で、息を吹き込むと明るくリズミカルな音が鳴り、祭りや踊りの場でよく使われます。
ルーシェンの旋律に合わせて、色鮮やかな衣装をまとったミャオの若者たちが輪になって踊り、その輪の中に訪問者も自然と引き込まれていきます。見ているだけだった人が、気付けば手を取り合ってステップを踏み、笑い声があちこちから上がりました。
専門的な用語でいえば、こうした場は「参加型の文化体験」です。しかし現場では、難しい言葉は必要ありません。焼きたての魚を頬ばり、ルーシェンの音に身を委ね、同じリズムを共有する時間そのものが、ミャオの文化に触れる一番わかりやすい入り口になっています。
ローカルなお祭りが映し出す、中国本土の「いま」
中国本土では、国慶節の連休に合わせて各地でさまざまなイベントが開かれます。今回のような農村のバーベキューパーティーは、大都市の華やかな花火大会や観光地のショーとは少し違う、素朴さと一体感が魅力です。
こうしたローカルイベントには、いくつかの特徴があります。
- 地元の食文化の再発見:川魚や豚肉など、身近な食材が主役となり、伝統的な味が見直されるきっかけになります。
- 地域コミュニティのつながり:村の人びとが役割を分担しながら準備を進めることで、世代や立場を超えた協力関係が生まれます。
- 訪問者との交流:外から来た人にとっては「旅先の思い出」となり、地元にとっては自分たちの文化を紹介する場になります。
国際ニュースとしては目立ちにくい小さな村の出来事ですが、食と音楽を媒介に、地域と訪問者がどうつながるかを考えるうえで示唆に富んだ事例だといえるでしょう。
「読みやすいのに考えさせられる」視点
ロンシュイ・ミャオ自治県のバーベキューパーティーのような祝祭は、単なる「グルメイベント」ではありません。それは、
- 日々の暮らしを支える農業への感謝
- 国の祝日を地域のかたちで祝う工夫
- 自分たちの文化を次の世代につなぐ意志
が一度に表現される場でもあります。
スマートフォン越しの情報があふれる今だからこそ、足元の食卓や、地域の音楽と踊りが持つ力をあらためて考えてみることは、私たち自身の暮らし方を見直すヒントになるかもしれません。中国ニュースを追いながらも、こうしたローカルな風景に目を向けることで、世界の見え方が少し変わってくるのではないでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








