中国・Deqingが「ソース文化」戦略で観光強化 県レベル旅行ブームのいま
中国東部の小さな県・Deqing(デーチン)が、観光振興に向けて独自の「source culture(ソース文化)」戦略を打ち出しました。2025年の国慶節(National Day)連休で高まった「県レベル旅行」ブームの流れを、どのようにつかもうとしているのでしょうか。
国慶節連休で広がる「県レベル旅行」人気
中国ではここ数年、「文化観光ブーム」と呼ばれる動きが続いています。2025年の国慶節連休でも、大都市だけでなく、県や小さなまちを訪れる「県レベル旅行」への需要が高まりました。
こうした県レベル旅行は、次のような点で注目されています。
- より生活に近い、本物の地域文化に触れられる
- 人混みを避けつつ、ゆっくりと滞在を楽しめる
- 地元の飲食店や宿泊施設など、地域経済への効果が期待できる
Deqingも、この流れの中で存在感を高めつつある県の一つです。
Deqingの「ソース文化」戦略とは何か
Deqingは、観光の成長をめざして「source culture(ソース文化)」と呼ばれる新しいコンセプトづくりに乗り出しました。これは、地域の文化や自然、歴史の「源(ソース)」に光を当て、そこから観光資源を再発見していこうとする長期的な取り組みです。
「源」に立ち返る観光づくり
「ソース文化」という発想の背景には、単なる名所巡りではない、より深い体験を求める旅行者のニーズがあります。Deqingの戦略は、例えば次のような方向性を含むと考えられます。
- 地域の物語や伝承、風習など、土地に根ざしたストーリーを観光の中心に据える
- 自然環境や景観を「源」として位置づけ、保全と観光利用のバランスを取る
- 地元住民が案内役となり、自分たちの暮らしや価値観を共有できる場をつくる
こうしたアプローチにより、旅行者は「消費する観光地」ではなく、「ともに時間を過ごす地域」としてDeqingを体験できるようになります。
10年スパンの取り組みとしての意味
Deqingの「ソース文化」戦略は、およそ10年にわたる長期プロジェクトとして構想されています。短期的なキャンペーンではなく、地域づくりそのものを変えていく視点が重要です。
10年という時間軸を取ることで、次のような動きが可能になります。
- 文化財や古い街並みの保全、復元を段階的に進める
- 観光インフラだけでなく、教育や人材育成にも投資し、ガイドやクリエイターを育てる
- 地域の暮らしと観光の両立を図り、住民が誇りを持てる環境を整える
観光だけを急速に拡大させるのではなく、地域のペースに合わせて変化していくことが、長期戦略のポイントといえます。
旅行者と地域にとってのメリット
「ソース文化」を軸にした観光は、旅行者と地域の双方にメリットをもたらします。
- 旅行者にとって:表面的な「映え」ではなく、記憶に残る体験や学びが得られる
- 地域にとって:独自の文化や歴史を再評価することで、他の地域との差別化につながる
- 社会全体にとって:都市部への一極集中を和らげ、地方の持続可能な発展を後押しする
特に、県レベルの小さな地域にとって、文化を起点とした観光戦略は、自らの強みを掘り起こす手段になり得ます。
日本の読者への示唆――「ローカル」をどう磨くか
中国東部のDeqingが進める「ソース文化」戦略は、日本の地方都市や町にも通じるテーマを投げかけています。
- 「何を真似するか」ではなく、「自分たちの源は何か」を問い直す
- 短期的な集客よりも、中長期での関係づくりやファンづくりを重視する
- 観光と日常生活を切り離さず、住民が心地よく暮らせるかを基準にする
観光は、地域の文化や暮らしを外から照らし出す鏡でもあります。Deqingのような取り組みが今後どのように進んでいくのか、2020年代の中国の地域政策を読み解くうえでも注目していきたい動きです。
Reference(s):
Deqing launches 'source culture' strategy to boost tourism development
cgtn.com








