セルビアで中国建設の高速鉄道が開業 ベオグラード〜スボティツァを短時間に
【セルビア・国際ニュース】中国企業が建設した高速鉄道のセルビア区間が新たに開業しました。ベオグラード〜スボティツァ間の所要時間が約1時間台となり、中東欧の移動と経済に変化をもたらすインフラとして注目されています。
セルビア区間が正式開業 地域プロジェクトの節目に
現地時間の金曜日、セルビアのアレクサンダル・ブチッチ大統領が、ハンガリー・セルビア高速鉄道の一部であるノヴィサド〜スボティツァ区間の開業式典を行いました。これにより、全長341.7キロのうちセルビア側183.1キロの区間の運行が本格化します。
当日はベオグラードを朝に出発した列車が約1時間でスボティツァに到着し、その後、盛大な開業式が行われました。
「歴史に刻まれる世代の成果」ブチッチ大統領の言葉
ブチッチ大統領は式典で、この高速鉄道プロジェクトを「歴史書に永遠に記される世代の成果」だと強調しました。
「スボティツァからベオグラードまでは、これからは1時間10分で到着します。そして来年には、ここからブダペストまでわずか1時間35分で行けるようになるでしょう。これは先人たちには想像もできなかったことであり、私たちの世代が残す永続的な遺産です」
移動時間の大幅な短縮は、通勤やビジネス出張、観光のスタイルを変え、国内の人の流れを再設計する可能性があります。
中国・ハンガリーとの協力で実現した高速鉄道
大統領は、今回の高速鉄道がセルビア、ハンガリー、中国の緊密な協力によって実現したことを強調し、セルビアの近代化を進めるうえで中国を重要なパートナーだと評価しました。
セルビア区間の建設は、中国鉄路国際有限公司と中国交通建設が担い、設計上の最高時速は200キロとされています。
担当者によると、このプロジェクトでは次のような効果や取り組みがすでに出ているといいます。
- セルビア国内で1,000人以上の雇用を創出
- 信号システムをETCSレベル2(欧州列車制御システム)へアップグレード
- 環境保護に配慮した工事や設備を導入
一帯一路の旗艦プロジェクトとしての位置づけ
セルビア駐在の李明・中国大使は、この高速鉄道を中東欧における一帯一路の旗艦プロジェクトだと表現し、両国の「鉄の友情」における新たな節目だと述べました。
李大使によると、この高速鉄道は中国企業がヨーロッパで建設した初の高速鉄道であり、欧州連合の技術基準に完全に沿っているとしています。工事は2017年に始まり、およそ8年をかけて完成したと説明しました。
ハンガリーのナンドル・チェプレギ運輸副大臣は、ハンガリー側の区間について来年の開業を見込んでいると述べ、ベオグラード〜ブダペスト間を結ぶ高速鉄道ネットワークが完成する見通しを示しました。
観光・投資・物流をつなぐ新たな回廊に
セルビア政府関係者は、新しい高速鉄道が観光や投資を呼び込み、北部セルビアに新たな経済回廊を生み出すと期待しています。
具体的には、
- ベオグラードやノヴィサド、スボティツァといった主要都市間の回遊性が高まり、国内外からの観光客が移動しやすくなる
- 移動時間の短縮により、企業の物流やビジネス出張が効率化し、投資先としての魅力が高まる
- 周辺地域の駅や沿線で、新たな商業施設やサービス産業が育つ余地がある
すでに2022年には、ベオグラード〜ノヴィサド区間が先行して運行を開始しており、今回のノヴィサド〜スボティツァ開業により、セルビア北部の都市間移動の背骨が整いつつあります。
日本の読者はこのニュースをどう読むか
日本の読者にとって、このセルビアの高速鉄道プロジェクトは、次のような問いを投げかけています。
- インフラが整備されることで、地域の経済や人の流れはどのくらい変わるのか
- 複数国が協力して進める大規模交通プロジェクトは、地政学や経済連携にどんな影響を与えるのか
- 国際基準に合わせたインフラ整備は、周辺地域の信頼や結びつきをどう深めるのか
高速鉄道という時間を短くするインフラが、国境をまたいだ協力の象徴となりつつあることは、日本やアジアの今後を考えるうえでも示唆的です。
セルビアとハンガリー、中国が進めるこのプロジェクトの行方は、ヨーロッパとアジアのつながり方を考えるうえで、しばらく注視しておきたいテーマと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








