中国で世界最大級26MW洋上風力タービン試験 山東省東営
中国・山東省東営市で、出力26メガワットという世界最大級の洋上風力タービンの試験が進んでいます。巨大化する洋上風力発電の現在地を、日本語で分かりやすく整理します。
中国・山東省で世界最大級タービンを試験
中国は現在、山東省東営市にある東営風力発電設備試験認証イノベーション基地で、出力26メガワットの単機容量としては世界最大級となる洋上風力タービンの試験を行っています。
このタービンは洋上での運転を想定して設計されていますが、試験用のプロトタイプは陸上に設置されています。試験基地の中でもひときわ目立つ存在で、遠くからでも視認でき、周囲の風車を小さく見せるほどの大きさだとされています。
タービンは2025年8月29日に設置され、2025年12月現在も試験が続いています。
26メガワットタービンのサイズ感
このタービンを製造した中国企業・東方電気によると、主な仕様は次の通りです。
- 定格出力:26メガワット
- ローター直径:310メートル
- ブレード長:153メートル
- タービン全高:約200メートル
- ローター掃過面積:約7万7000平方メートル
- 設計・製造:すべて中国国内で実施
ローター直径310メートルという数字は、超高層ビルに匹敵するスケール感です。ブレード1枚だけで150メートルを超え、これが3枚組み合わさることで、広大な空気の流れから効率よくエネルギーを取り出します。
単機出力が大きくなるほど、少ない基数で同じ発電量を確保できるため、設置工事や保守にかかるコストを抑えられる可能性があります。とくに洋上風力のように、海上での作業負担が大きい分野では、大容量タービンの開発が重要なテーマになっています。
なぜ洋上用タービンを陸上で試験するのか
今回の26メガワットタービンは、将来的に海上での運転を想定した洋上風力用の設備ですが、プロトタイプは陸上に設置されています。
一般に、このような大型タービンは、量産や本格導入の前に陸上で性能や安全性を確認します。陸上であれば、
- 部品交換や点検などの作業にアクセスしやすい
- 風の条件を細かく測定しやすく、データを集めやすい
- 異常が起きた際にも、海上より迅速に対応しやすい
といった利点があるためです。陸上での試験を通じて制御システムやブレードの挙動などを検証し、その結果をもとに洋上での運転条件や設計の最適化を進めていくことが想定されます。
エネルギー転換の文脈で見る26メガワット級タービン
国際的に、風力発電を含む再生可能エネルギーは、脱炭素化やエネルギー安全保障の観点から重要性を増しています。出力26メガワットという世界最大級のタービンの登場は、次のような意味を持ちます。
- 同じ海域でも、より多くの電力を生み出せる可能性
- 設備あたりの発電量増加による長期的なコスト低減の余地
- 大型化に対応した送電網や港湾インフラの整備が課題になること
タービンの設計から製造までを中国国内で完結させている点も、風力関連の技術やサプライチェーンを自国で蓄積する動きとして注目されます。
日本とアジアへの示唆
日本やアジア各国・地域でも、洋上風力発電の導入に向けた議論が活発になっています。今回のような26メガワット級タービンの試験は、
- 限られた海域をどう有効活用するか
- どの程度の大型化までを前提に、港湾や送電網を整備するか
- 長期的なコストとリスクをどう評価するか
といった論点を考えるうえで、一つの参照事例になりそうです。
技術トレンドを追うことは、エネルギー政策だけでなく、インフラ投資や地域経済、ひいては私たちの電気料金や産業競争力にもつながるテーマです。世界各地で進む洋上風力の大型化が、これからのアジアのエネルギー地図をどう変えていくのか、継続的にフォローしていく必要があります。
Reference(s):
China tests world's largest single-capacity offshore wind turbine
cgtn.com








