中国本土の国慶節・中秋節映画市場、興行収入18億元 観光消費も押し上げ
2025年の国慶節・中秋節連休で、中国本土の映画市場は興行収入が18億元(約2億5300万ドル)に達し、観光消費まで押し上げる勢いを見せました。本稿では、この「映画×観光」の相乗効果をコンパクトに整理します。
国慶節・中秋節連休で18億元の興行収入
中国本土では、2025年の国慶節と中秋節が重なった連休期間中、事前販売を含む映画の興行収入が水曜日までに18億元(約2億5300万ドル)に到達しました。なかでも歴史大作『The Volunteers: Blood and Peace』、『731』、ファンタジー続編『A Writer's Odyssey 2』の3本が、興行成績のトップを占めています。
家族向けからファンタジーまで、多様なラインナップ
今回の国慶節・中秋節連休の特徴は、ヒット作が特定ジャンルに偏らず、家族向けから個性派作品までバランスよくそろった点です。歴史的背景と英雄的な物語が描かれる『The Volunteers: Blood and Peace』に加え、家族で楽しめるコメディ『Row to Win』、視覚効果が際立つファンタジー大作『A Writer's Odyssey 2』など、幅広い観客層にアピールする作品が並びました。
こうした多様なラインナップは、連休に映画館を訪れる家族連れや若い観客のニーズに応えつつ、映画館の集客を底上げする役割を果たしていると考えられます。
映画が観光を動かす:撮影地に人が集まる
2025年の連休で、もう一つ大きなテーマとなったのが、映画のヒットが観光需要を押し上げる「映画ツーリズム」の広がりです。スクリーン上の舞台を実際に訪ねる動きが、中国本土各地で一気に加速しています。
その象徴的な例が、ファンタジー作品『A Writer's Odyssey 2』のロケ地となった重慶市の渝中区です。同区には連休の最初の3日間だけで約565万人(5.65 million)の来訪者が集まり、観光消費は約53億元(5.3 billion yuan)に達しました。映画をきっかけに、街歩きやグルメ、宿泊などへの支出が連鎖的に増えたかたちです。
歴史大作『The Volunteers: Blood and Peace』の撮影が行われた江西省のHengfeng Film and Television Baseでも、同様の動きが見られました。連休期間中の1日あたりの平均来場者数は前年より50%以上増え、作品の舞台裏を体感しようとする観光客でにぎわいました。
映画チケットが観光クーポンに
映画のヒットと観光需要の高まりをさらに後押しするため、各地の省では連休に合わせた消費促進策も打ち出しました。特徴的なのは、映画鑑賞後のチケット半券を「観光クーポン」として活用する仕組みです。
観客は、鑑賞済みの映画チケットを提示するだけで、次のような特典を受けられるようになりました。
- 観光地(景勝地)の入場料の割引
- ホテルや宿泊施設の宿泊料金の割引
映画館での一度の消費をきっかけに、周辺の観光や宿泊へと支出を広げることで、地域全体の消費を底上げする狙いがあります。映画と観光産業をセットでデザインすることで、連休後も続く安定した需要を生み出そうとする試みと言えます。
コンテンツと地域経済をどうつなぐか
2025年の国慶節・中秋節連休の動きは、映画というコンテンツが単なる娯楽にとどまらず、都市ブランドや観光戦略とも密接に結びつきつつあることを示しています。ヒット作が生まれるたびに、その舞台となった街や撮影地が注目され、現地に実際に足を運ぶ人が増える流れです。
スクリーンの物語をきっかけに実際の場所を訪ねる動きは、今後も中国本土各地で広がっていきそうです。今回の連休で示されたように、作品づくりと地域づくりをどのようにつなげていくかが、これからの映画産業と観光ビジネスにとって重要なテーマになりつつあります。
Reference(s):
China's film market sees 1.8b yuan haul over National Day holiday
cgtn.com








