中国雲南のジンポー族の大祭「ミュナオ・ゾンゲ」 踊りがつなぐ祈りと記憶
中国南西部・雲南省ロンチュアン県で、ジンポー族の伝統的な祭り「ミュナオ・ゾンゲ(Munao Zongge)」が盛大に行われました。音楽と踊り、儀礼が一体となったこの祭りは、ジンポー族にとって最大の歌と踊りの祝祭であり、その文化を象徴する存在となっています。
ジンポー族最大の歌と踊りの祭りとは
ミュナオ・ゾンゲは、文字どおり「一緒に踊る」という意味を持つ祭りです。広場に集まった人びとが隊列を組み、太鼓や歌に合わせて同じリズムでステップを踏みながら踊り続ける様子は、壮観な光景だと伝えられています。
この祭りは、音楽、儀礼、リズム、そして彩り豊かな衣装が織りなす、ジンポー文化の集大成のような場でもあります。歌と踊りそのものが、ジンポー族の歴史や価値観を伝える「生きたメディア」として機能していると言えるでしょう。
ダンスの軌跡に込められた「移動」「団結」「祈り」
ミュナオ・ゾンゲの特徴のひとつが、流れるようなダンスの動きです。参加者たちが描く大きな円や波のようなラインには、ジンポー族の歩んできた道のりが象徴的に表現されています。
このダンスには、次のような意味が込められているとされています。
- 長い歴史の中で続いてきた「移動」や「旅」の記憶
- コミュニティとしての「団結」と「協調」を確認すること
- これからの時間や未来への「祝福」と「祈り」
ステップをそろえ、同じ方向を見て踊ること自体が、ジンポー族の人びとにとっては、互いのつながりを確かめ合い、次の世代へ記憶を手渡していく行為でもあります。
中国の国家級無形文化遺産として
ミュナオ・ゾンゲは、中国の国家級無形文化遺産に登録されています。形として残る建物や遺跡ではなく、歌や踊り、儀礼といった「かたちのない文化」を守り、次の世代に受け継いでいく取り組みの一つです。
2025年現在も、この祭りはジンポー族の「生きている伝統」として継承され続けています。ジンポー族にとって、ミュナオ・ゾンゲは、外向けに用意されたショーではなく、自分たちの歴史や世界観を確認し、誇りを共有するための大切な時間です。
急速に社会が変化するなかで、こうした無形文化遺産の保護は、地域のアイデンティティを守るだけでなく、多様な文化が共存する社会のあり方を考える手がかりにもなります。
コミュニティをつなぎ、世界と分かち合う祭り
ミュナオ・ゾンゲは、ジンポー族の人びとを世代を超えて結びつける祭りであると同時に、その美しさが世界に向けても共有されつつあります。色とりどりの衣装、大人数でのダンス、力強い歌声は、見る人の心をひきつけ、ジンポー文化への関心を高めています。
このようなローカルな祭りが紹介されることで、私たちは、地図上の距離は遠くても、人びとが祈りや祝福の気持ちを踊りや歌に託すという点では、どこか共通するものを持っていることに気づかされます。
国際ニュースを日本語で追いかける私たちにとっても、ミュナオ・ゾンゲのような祭りは、アジアの多様な文化を理解し、「違い」を面白がりながら尊重する視点を育ててくれるテーマと言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








