スクリーンの外へ:映画『Row to Win』が火をつけた福建・石獅市8連休観光
2025年の国慶節と中秋節が重なった8連休では、中国本土で公開された映画『Row to Win』がきっかけとなり、福建省のロケ地に観光客が押し寄せました。
スクリーンの外へ広がる「旅したくなる気持ち」
映画を観たあと、「あの景色を自分の目で見てみたい」と感じたことはないでしょうか。2025年の中国本土でも、そんなスクリーンの外へ出ていく旅心が、連休の観光トレンドを動かしました。
話題になっているのが、映画『Row to Win』です。作品の公開をきっかけに、国慶節・中秋節の8連休中、多くの人がロケ地を訪れ、映画の世界観と現地の風景を重ね合わせながら旅行を楽しみました。
福建省・石獅市とWulin villageが人気観光地に
『Row to Win』の主要なロケ地のうち、特に注目を集めているのが、東部の福建省にある石獅市(Shishi city)とWulin villageです。どちらも映画に登場する場所として知られるようになり、連休中の新たな「行ってみたい場所」として急浮上しました。
海岸エリアには2日間で約13万人
石獅市の海岸エリアは、とくに人気が集中したスポットです。8連休の最初の2日間だけで、映画に登場するこの沿岸地域には約13万人が訪れました。これは昨年の同じ時期と比べておよそ3割増だと、石獅市文化・スポーツ・観光局(Shishi Municipal Bureau of Culture, Sports, and Tourism)が明らかにしています。
数字だけを見ても、映画をきっかけにした観光需要の高まりがはっきり表れています。短期間でこれだけの人が集まったという事実は、ロケ地が「一度は行ってみたい場所」として認識され始めていることを示していると言えます。
「ロケ地を体験する」旅行スタイル
石獅市やWulin villageを訪れた人たちは、単に写真を撮るだけでなく、作品の背景にある地域の文化に触れたいという思いを持っているとされています。映画で見た景色を実際に歩き、海辺の空気を感じ、地元の暮らしや雰囲気を味わうことが、連休の特別な体験になりました。
こうした動きは、いわゆる「聖地巡礼」やロケ地巡りの旅行スタイルが、2025年の中国本土の大型連休でも存在感を強めていることを物語っています。
8連休の過ごし方を変える映画の力
中国本土の国慶節・中秋節連休は、もともと国内移動が活発になる時期ですが、今年は『Row to Win』のような作品が人々の目的地選びに影響を与えました。大都市のショッピングや観光地だけでなく、映画を通じて知った地域を訪れるという選択肢が、連休の楽しみ方として定着しつつあります。
映画がきっかけになることで、観光客は「有名だから行く」から一歩進んで、「物語のある場所だから行く」という動機を持つようになります。これは、地域側にとっても、単なる人数の増加だけでなく、地元文化への興味や理解を深めてもらうチャンスになっています。
国際ニュースとして見るロケ地観光の広がり
今回の福建省・石獅市とWulin villageの事例は、映画やドラマが観光を動かす「スクリーンツーリズム」の一つの姿です。国際ニュースとして見ると、メディアコンテンツが人の移動や地域経済にも影響を与えることが改めて浮き彫りになりました。
2025年の8連休に見られたこの動きは、今後の大型連休や休日の過ごし方を考えるうえで、一つのヒントになりそうです。スクリーンの中で終わらせず、「あの景色の向こう側に何があるのか」を確かめに行く旅が、これからも各地で広がっていくかもしれません。
Reference(s):
Go beyond the screen: Fun activities during eight-day holidays
cgtn.com








