中国国慶節連休の映画興行収入、18億3500万元超 観客5000万人
中国電影局のデータによると、2025年の国慶節連休(中国の建国記念日に合わせた大型連休)の映画興行収入は全国で18億3500万元(約2億5800万ドル)に達し、延べ5007万人が映画館を訪れました。上映回数は前年から2ケタ増となる一方で、平均チケット価格は下がり、中国の映画市場が「量を増やしつつ価格を抑える」方向に動いている様子がうかがえます。
2025年国慶節連休の映画市場を数字で見る
今回公表された統計は、中国の映画市場の現在地を知るうえで分かりやすい指標となっています。主なポイントは次のとおりです。
- 興行収入:18億3500万元(約2億5800万ドル)
- 観客動員数:5007万人
- 上映回数:310万回以上(前年同期比12.82%増)
- 平均チケット価格:36.64元(約5.15ドル)
- 前年からの価格差:1枚あたり3.75元の下落(約9.28%減)
- 国産映画の比率:興行収入全体の98.93%を国内制作作品が占める
単純計算すると、昨年の平均チケット価格は約40.4元だったことになり、料金を下げることで観客数を増やし、全体の興行収入を維持・拡大している構図が浮かび上がります。
チケット価格は下落、それでも市場は活発
平均チケット価格が9.28%下がったにもかかわらず、国慶節連休の興行収入は18億3500万元に達しました。背景には、以下のような動きが考えられます。
- 上映回数が前年より12.82%増えたことで、観客が映画館を選びやすくなった
- チケット価格の引き下げによって、家族や友人同士での複数本鑑賞がしやすくなった
- 連休に合わせて話題作が集中公開され、需要が高まった
価格を下げつつ上映機会を増やすことで、動員を拡大する戦略は、多くの人にとって映画館を「身近な娯楽」として位置づけ直す効果があります。日本やアジア各国でも、コロナ禍以降の映画館のあり方が問われるなか、中国の動きは一つの参考事例と言えそうです。
トップ5作品と国産映画の存在感
国慶節連休シーズンの興行成績上位作品は次の5本でした。
- The Volunteers: Blood and Peace
- Evil Unbound
- A Writer's Odyssey 2
- Row to Win
- Sound of Silence
興行収入全体の98.93%を国産映画が占めており、このトップ5も含めて、連休シーズンのスクリーンを国内制作作品がほぼ独占したかたちです。大作シリーズものや、スポーツ・戦争・サスペンスなど多様なジャンルがラインナップされていることが、幅広い層の観客を取り込む要因になっていると考えられます。
日本の読者が押さえておきたい3つの視点
この国際ニュースを日本から眺めるとき、注目しておきたいポイントは少なくとも3つあります。
- 「価格×本数」の戦略:中国では、チケット価格を下げながら上映回数を増やし、観客数を伸ばしています。日本の映画館ビジネスや料金設定を考えるうえでも、対照的なモデルとして比較材料になりそうです。
- 国産コンテンツの圧倒的なシェア:98.93%という国内作品のシェアは、映画が「自国の物語」を消費する場として機能していることを示します。日本映画やアジア映画がこの市場とどう向き合うかも、今後の論点になり得ます。
- 連休とエンタメの関係:大型連休に向けて話題作を集中させる手法は、日本のゴールデンウイークや年末年始とも共通する部分があります。連休の過ごし方や、そこで何を見るかは、社会の価値観の変化を映す鏡でもあります。
国際ニュースとしての中国映画市場
2025年の中国国慶節連休の興行データは、単なるエンタメニュースにとどまらず、消費行動、文化産業、都市と地方の格差など、さまざまな論点につながる材料を含んでいます。中国映画市場の動向を追うことは、アジア全体のコンテンツ産業の行方を考えるうえでも、今後いっそう重要になっていきそうです。
Reference(s):
China's National Day holiday box office tops 1.8 billion yuan
cgtn.com








