中国大学生航空機設計コンテスト FPVドローン空中バトルで開幕
中国本土の大学生が、自作の航空機やドローンで技術と発想を競うコンテストが2025年10月、中国東部の浙江省で開かれました。FPVドローンの空中バトルで幕を開けたこの大会は、航空分野のイノベーションを担う若い人材の育成の場として注目されています。
中国大学生航空機設計コンテストとは
「2025 China Universities Aircraft Design Competition(CUADC)」は、中国本土の大学生が航空機設計や操縦技術を競うコンテストです。第4回となる今回は、浙江省徳清県の一般航空空港を舞台に、2025年10月6日から14日まで開催されました。
参加したのは、清華大学や浙江大学、ポズナン工科大学など国内外の大学に加え、軍事系の学院も含む150校以上。学部生だけで約4,000人が集まり、キャンパスを飛び出して実際の空を使った「実戦形式」の学びに挑みました。
FPVドローン空中バトルで観客を魅了
開幕を飾ったのは、FPV(ファースト・パーソン・ビュー)と呼ばれる方式の空中バトルです。操縦者はゴーグルなどを通じて、ドローンに搭載したカメラの映像を見ながら、あたかも自分が機体に乗っているかのような視点で操縦します。
会場上空ではマルチロータードローンが縦横無尽に飛び回り、空中に浮かぶ風船を次々に割っていきました。観客の頭上すれすれをかすめるような急降下や、機体を逆さにしたまま姿勢を保つ「インバーテッド・ハング」、ツバメが舞うようなロール、横滑りしながら曲がるサイドスリップなど、学生とは思えない高度な操縦テクニックが披露され、観客席からは歓声が上がったとされています。
教室では学べない「総合力」が問われる
CUADCのような航空機設計コンテストでは、単に操縦がうまいだけでは勝てません。機体の設計、材料の選択、重心のとり方、電源や通信システムの構成、プログラム制御など、機械・電気・情報をまたぐ総合的なエンジニアリングが求められます。
特にFPVドローン競技では、パイロットと地上チームの連携も重要になります。限られた時間で機体を修理・調整し、競技ごとのルールに合わせて最適な飛び方を考える必要があるため、現場での判断力やチームワークも問われます。
航空イノベーションの「入口」としての学生競技
近年、ドローンをはじめとする小型無人航空機は、物流、測量、農業、災害対応など多くの分野で活用が進んでいます。こうした分野で将来中心的な役割を担うのは、まさに今、大学で学んでいる学生たちです。
大学生向けの設計コンテストは、そうした若い世代が実社会につながる課題に早い段階から触れ、自分のアイデアを形にして試す「入口」の役割を果たします。教科書の知識を、実際に飛ぶ機体に落とし込むプロセスを経験することで、航空分野のイノベーションに必要な感覚が磨かれていきます。
日本の読者がこのニュースから考えられること
日本でも、ドローンや航空宇宙分野での人材育成が重要なテーマになっています。中国本土で約4,000人もの大学生が集まり、空を舞台にした実践的なコンテストに挑んでいるという事実は、隣国の教育・技術の現場で起きている動きを考えるヒントになります。
日本にはロボットコンテストやビジネスコンテストなど、学生が参加できる多様な競技がありますが、空や宇宙をテーマにした実践型の場をどう広げていくかは、これからの議論の一つになりそうです。国境を越えて学生たちが互いに刺激を受け合いながら学び合うことは、アジア全体の技術力と安全で持続可能な空の利用につながっていく可能性があります。
Reference(s):
China's student aircraft design competition fuels aviation innovation
cgtn.com








