中国全国運動会の聖火採火式、広州で開催 南シナ海の「燃える氷」から点火
中国南部・広東省広州市で、中国の第15回全国運動会と第12回全国障害者運動会、第9回全国スペシャルオリンピック大会の聖火採火式が行われました。南シナ海の深海から取り出した「燃える氷」を使った聖火は、スポーツイベントと資源技術を結びつける象徴的な演出として注目されています。
広州で3大会の聖火がともる
採火式は、木曜日に広州で実施され、第15回全国運動会、第12回全国障害者運動会、第9回全国スペシャルオリンピック大会の3大会共通の聖火がともされました。
今回の採火式でともされた炎は、今シーズンの全国規模のスポーツイベントを象徴する「源火」と位置づけられており、中国各地で行われる競技や関連イベントにつながっていきます。
広東・香港・マカオが共同開催する全国運動会
第15回全国運動会は、広東省と香港、マカオ特別行政区の3つの地域が共同で開催する形をとりました。大会日程は11月9日から21日までとされ、地域をまたいだ運営体制が特徴です。
12月8日から15日までの日程では、第12回全国障害者運動会と第9回全国スペシャルオリンピック大会が行われます。2025年12月8日現在、この2つの大会は同日程で実施される予定となっており、障害のある人々のスポーツを前面に打ち出す一週間となります。
南シナ海の「燃える氷」から採火
今回の採火式で特に目を引いたのが、「源火」の由来です。聖火のもととなる炎は、南シナ海の海底1,522メートルの深さから採取された可燃性の氷状資源、いわゆる「燃える氷」から点火されたとされています。
海底深くから取り出された資源を聖火に用いることで、海洋資源やエネルギー技術への関心を喚起すると同時に、自然と科学技術を組み合わせた新しい演出としても位置づけられます。スポーツの祭典を通じて、環境や資源といったテーマにもさりげなく目を向けさせる狙いがうかがえます。
障害者スポーツとスペシャルオリンピックの意味
第12回全国障害者運動会と第9回全国スペシャルオリンピック大会は、その名称が示す通り、障害のある人々が主役となる全国規模のスポーツイベントです。競技の場であると同時に、社会全体の理解や共生を進める契機としても位置づけられています。
健常者向けの全国運動会と並行して、障害者スポーツの大会が明確に位置づけられている点は、スポーツを通じた多様性と包摂(インクルージョン)のあり方を考えるヒントにもなります。日本でのパラスポーツやスペシャルオリンピックスの取り組みと比較しながら見ると、アジア地域における共通のテーマも見えてきます。
日本の読者が押さえておきたい3つのポイント
1. 中国スポーツ政策を見る窓口としての全国運動会
全国運動会は、単なる国内競技大会にとどまらず、地域間連携や都市のイメージ発信など、さまざまな政策目標が込められたイベントでもあります。広東省、香港、マカオ特別行政区による共同開催という構図からは、地域間のつながりや交流を重視する姿勢が読み取れます。
2. 障害者スポーツの位置づけ
障害者を対象とした全国大会とスペシャルオリンピックが、全国運動会と並ぶ「三本柱」として扱われている点は注目に値します。スポーツを通じて、障害の有無にかかわらず参加できる場を整えていく動きは、日本や他の国・地域の議論とも通じる部分が多いといえます。
3. 聖火演出から見る資源とテクノロジー
南シナ海の深海から採取した「燃える氷」を聖火の源とした今回の演出は、スポーツイベントにおける「物語づくり」の一例ともいえます。開催地の地理的特徴や資源をどうストーリー化し、国内外に発信していくのかは、大型イベントを企画するうえで各国・各地域が直面する共通のテーマです。
読み手への問いかけ
大規模なスポーツ大会は、競技結果だけでなく、「どんな価値を前面に出すのか」というメッセージの発信の場にもなっています。共同開催、障害者スポーツの重視、深海資源からの聖火――こうした要素を組み合わせた今回の全国運動会関連イベントを、日本や自分の身の回りのスポーツのあり方と重ねて見てみると、新しい視点が得られるかもしれません。
Reference(s):
Flame lighting ceremony for China's National Games held in Guangzhou
cgtn.com








