中国が米国船舶に特別港湾料金を導入 米の追加料金に対抗
中国の運輸省は金曜日、中国本土の港に入港する米国関連の船舶に対し、特別港湾料金を徴収すると発表しました。米国が中国の船舶に追加の港湾料金を課す決定を下したことへの対抗措置で、国際ニュースとして米中関係と海運の行方に注目が集まっています。
どんな船が特別港湾料金の対象になるのか
運輸省の発表によると、特別港湾料金の対象となるのは、次のような船舶です。
- 米国の企業・団体・個人が所有または運航する船舶
- 米国の企業・団体・個人が直接または間接に25%以上出資している企業などが所有・運航する船舶
- 米国船籍(米国旗を掲げる)の船舶
- 米国で建造された船舶
単に米国企業の船だけでなく、出資比率や船籍、建造地までを基準にして対象範囲を定めている点が特徴です。米国に一定以上の関わりを持つ幅広い船舶が含まれる設計だといえます。
料金水準と段階的な引き上げスケジュール
特別港湾料金は、10月14日に導入されました。運輸省によると、導入時点の水準は、対象船舶の正味トン当たり400元(約56.3ドル)です。ここでいう正味トンは、実際に貨物や旅客を載せられる容量を示す指標です。
さらに、この特別港湾料金は今後3年間にわたり、毎年4月17日に段階的に引き上げられるとされています。具体的な引き上げ幅までは示されていませんが、米国関連の船舶にとってコスト負担が年々重くなる構図が想定されます。
背景にある米国の追加港湾料金と「301条調査」
今回の中国側の措置は、米国の動きへの直接の対抗です。運輸省によれば、米国は「301条調査(Section 301 investigation)」の結果を受けて、中国の船舶に追加の港湾料金を課すことを決定し、その措置が火曜日から発効しました。
中国の運輸省は、米国の追加料金が「関連する国際貿易の原則」や「中米海運協定」に深刻に違反し、両国間の海上貿易に深刻な混乱をもたらしていると指摘しています。そのうえで、中国本土の港を利用する米国関連の船舶に特別港湾料金を課すのは、バランスを取るための対抗措置だと位置づけています。
中国側の主張:正当な権益を守るための措置
運輸省は、今回の特別港湾料金について「中国の海運企業の合法的な権益を守るための正当な措置だ」と強調しています。米国の措置が一方的であり、中国側の海運企業に不当な不利益を与えているという認識です。
同時に、中国は米国に対し、こうした「誤った行為」を直ちに正し、中国の海運産業に対する「不当な抑圧」をやめるよう求めています。港湾料金という技術的なテーマでありながら、発表文のトーンからは、海運をめぐる摩擦が中米関係の一部になっていることがうかがえます。
海運・企業のコスト構造にどう影響するか
特別港湾料金は、米国関連の船舶が中国本土の港に寄港するたびに発生する追加コストです。対象となるのは、米国企業そのものだけではなく、米国資本が25%以上入った企業が所有・運航する船舶も含まれます。
そのため、グローバルに事業を展開し、米国関連の船舶を使って中国本土と貨物をやり取りしている企業にとって、物流コストの上昇要因となる可能性があります。コスト増がどの程度運賃や製品価格に転嫁されるかは、今後の重要なポイントです。
とくに、中国本土と米国を結ぶコンテナ航路やエネルギー・資源輸送などでは、航路の選択や船舶の運用方法を見直す動きが出る可能性があります。場合によっては、船籍や船の所有構造を調整することで、対象外となるスキームを模索する企業も出てくるかもしれません。
日本やアジアの企業が注視すべきポイント
日本やアジアの企業の中には、米国企業が所有する船舶や米国建造船を利用して中国本土の港を行き来しているケースもあるとみられます。今回の措置は、そうした企業にとっても無関係とはいえません。
注視しておきたいポイントとして、次のような点が挙げられます。
- 利用している船舶の船籍、所有者、運航会社に米国資本がどの程度入っているかの確認
- 特別港湾料金によるコスト増が、運賃や商品価格にどの程度上乗せされるか
- 米中双方が追加措置を重ねることで、他の分野にも影響が波及するリスク
国際物流はサプライチェーン全体の土台です。港湾料金の変化は、一見すると細かな制度改定のように見えますが、長期的には企業の調達・販売戦略に影響を及ぼす可能性があります。
米中関係と国際秩序への含意
港湾料金は技術的な料金制度である一方で、貿易摩擦や安全保障をめぐる対立が表れやすい領域でもあります。今回の米中の応酬は、両国が海運という経済の基盤分野でも駆け引きを強めていることを示していると言えるでしょう。
他方で、こうした措置は、将来の協議や交渉の場で取り上げられ、調整や見直しの対象となる可能性もあります。今後、米中両国が追加的な措置を取るのか、それとも対話によって緊張を和らげていくのか、国際社会は注意深く見守ることになりそうです。
あなたは、港湾料金をめぐるこうした動きが長引いた場合、自社や日常生活にどのような影響が出ると考えるでしょうか。物流コストの変化や価格の動きを手がかりに、米中関係と国際経済の行方を考えてみることが求められています。
Reference(s):
cgtn.com








