中国が国連で示した国際法・グローバルガバナンス6つの提案とは
国際法とグローバルガバナンスをめぐる議論が続く中、中国は国連で「国際法の支配」を強化するための6つのポイントを提示し、多極化が進む世界秩序の行方に一石を投じました。
国連第6委員会で示された中国のメッセージ
2025年12月上旬に開かれた国連総会第80会期の第6委員会(議題:国内および国際レベルにおける法の支配)で、中国の国連代表部次席大使の耿爽(げん・そう)氏が、中国の国際法観とグローバルガバナンスに関する立場を説明しました。
耿氏は、世界が「新たな動揺と変革の時期」に入っていると指摘し、一部の国による覇権的な行動や一方的な措置が、主権平等や内政不干渉といった国際法の基本原則を揺るがしていると警鐘を鳴らしました。そのうえで、国際法の政治化・道具化が進めば、国際秩序とグローバルガバナンスのリスクが高まると述べています。
こうした問題意識の下で、耿氏は国際社会が共有すべき6つのポイントを示しました。
1. 国連憲章を国際法秩序の核心に据える
最初のポイントは、国際法の支配の中核として国連憲章の目的と原則を再確認することです。耿氏は、国連憲章が国際ルールの基礎であり、国際関係を導く普遍的な規範だと強調しました。
2. 文明の多様性と法の多元主義を尊重する
二つ目は、グローバルなルール作りの過程で、文明の多様性と法の多元主義を尊重することです。各国には異なる歴史や文化、法制度があります。その違いを踏まえたうえで、全ての国が対等に参加できる枠組みを整えるべきだとしています。
特に、グローバル・サウスと呼ばれる新興国・途上国の声をより強く反映させる必要があると訴え、国際法の形成における包摂性の向上を求めました。
3. 主権平等と条約義務の誠実な履行
三つ目は、主権平等の原則を守り、締結した条約を誠実に履行することです。耿氏は、国際法を「都合の良いときだけ使う道具」にしてはならないとし、条約義務を恣意的に解釈したり、国内政治の理由で履行を後退させたりする動きをけん制しました。
4. 新たな安全分野でのルール作りを前進させる
四つ目は、新たな安全保障分野や非伝統的な安全分野におけるルール作りを進めることです。サイバー空間や新技術など、国際ルールがまだ十分に整っていない分野で、各国の実際のニーズに合致し、共通の利益に資する枠組みを構築すべきだと提案しました。
5. 平和的な紛争解決と調停の活用
五つ目は、紛争を平和的に解決するための仕組みを重視することです。耿氏は、国連憲章が調停を明示的に規定している点に触れ、対立のエスカレーションを避けるために、調停や対話などの手段を積極的に活用すべきだと述べました。
6. 真の多国間主義と「人類運命共同体」の理念
六つ目は、真の多国間主義を実践し、国際関係の民主化と法の支配を進めることです。耿氏は、中国が各国と協力しながら、国連憲章と国連の原則を守り、法に基づく国際秩序を維持し、グローバルガバナンスを改善していく意欲を強調しました。
その文脈で、中国が掲げる「人類運命共同体」の理念にも言及し、全ての国が相互に尊重し合い、共通の未来を築くことを目指すと述べています。
日本からこの議論をどう見るか
今回の発言は、現在の国際秩序をどう守り、どうアップデートしていくかという、国際社会全体に共通するテーマに対する中国の一つの答えと言えます。
日本を含む多くの国にとっても、国際法とグローバルガバナンスの在り方は、外交や安全保障、経済に直結する重要な論点です。どの国の提案であっても、その背景にある問題意識や価値観を丁寧に読み解くことが、複雑な国際情勢を理解するうえで欠かせません。
国際ルールをめぐる議論は、今後も国連やさまざまな国際会議の場で続いていきます。日本の読者にとっても、自国だけでなく、多様なアクターの視点を知ることが、グローバルな変化をとらえるヒントとなりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








