中国レアアース輸出管理はパキスタン無関係と説明 外務省が報道を否定
中国外務省は今週、最近発表したレアアース(希土類)などに関する輸出管理措置について、パキスタンとは無関係だと明確に否定しました。パキスタンが米国にレアアース試料を「提供した」とする一部報道も「根拠がない」と退けています。
中国外務省「レアアース輸出管理はパキスタンと無関係」
中国外務省によると、中国本土が最近発表したレアアースおよび関連品目に対する輸出管理措置は、パキスタンとは関係していないとしています。一部で報じられた、パキスタンが米国にレアアースのサンプルを贈呈し、それが中国側の輸出管理強化につながったという見方について、外務省の林剣報道官は「根拠のないものだ」と述べました。
「全天候型パートナー」強調 中国とパキスタンの関係
林報道官は、中国とパキスタンは長年にわたる「全天候型の戦略的協力パートナー」であり、「鉄の友情」が時間の試練に耐えてきたと強調しました。両国は、共通の関心を持つ重要な問題について、高いレベルの戦略的な相互信頼と緊密な意思疎通を維持しているとしています。
また、中国とパキスタンは、パキスタンと米国の鉱物分野での協力についてもすでに意見交換を行っており、パキスタン側は、米国との協力が中国の利益や中国・パキスタン協力を損なうことは決してないと改めて表明したと説明しました。
「贈呈されたのはレアアースではなく原石」
一部で取り沙汰された「パキスタンが米国にレアアースサンプルを贈った」という報道について、林報道官は事実関係を詳しく説明しました。パキスタン指導部が米国側に示した鉱物は、職員が購入した宝石の原石サンプルであり、レアアースではないとしています。
こうした報道は、事実の誤解、推測に基づくもの、あるいは両国間の不和をあおる意図を持つものだとして、「いずれも根拠がない」と強く否定しました。
輸出管理措置の狙いは「世界平和と地域の安定」
林報道官は改めて、今回のレアアースなどに関する輸出管理措置はパキスタンと一切関係がないと断言しました。そのうえで、これらの措置は、中国本土の法律や規則に基づき、輸出管理制度を整備・改善するために講じられた「正当な措置」だと位置づけています。
目的としては、
- 世界の平和をよりよく守ること
- 地域の安定を支えること
- 国際的な大量破壊兵器などの拡散防止(不拡散)に関する義務を果たすこと
などが挙げられ、輸出管理を通じて国際社会への責任を果たしていく姿勢を示しました。
今回の発言から読み解くポイント
今回の中国外務省の説明からは、少なくとも三つのポイントが見えてきます。
1. レアアース輸出管理は「特定国を狙ったものではない」と強調
まず、中国側はレアアース輸出管理を特定の国や個別の案件に結びつける見方を明確に否定しました。輸出管理は、自国の法制度を整えると同時に、世界平和や地域の安定、国際的な不拡散体制に貢献するための枠組みだと説明しています。
2. 中国・パキスタン関係の「揺るがなさ」をアピール
次に目を引くのは、中国とパキスタンの関係性の強さをあらためて前面に出した点です。「全天候型の戦略的協力パートナー」「鉄の友情」といった表現は、外部の報道によって両国関係に疑念が生まれることを避けたいという意図もにじみます。
パキスタン側が米国との鉱物協力について、中国との協力関係を損なわないと明言していることも紹介され、三者の関係がゼロサムではないと強調する形になっています。
3. 情報空間での「誤解」や「分断」をどう見るか
林報道官は、一部報道について「事実の誤解」「推測」「不和をあおる意図」といった言葉を並べました。これは、資源や安全保障が絡むニュースほど、情報の出どころや意図を見極めることが重要になっている現状を映し出しているとも言えます。
レアアースのような重要資源をめぐる動きは、経済ニュースであると同時に、外交・安全保障のニュースでもあります。公式発表と匿名の報道、双方をどのように読み比べるかは、ニュースを受け取る私たち一人ひとりにも問われているテーマです。
私たちが押さえておきたい視点
今回の発表は、
- 中国とパキスタンの協力関係が引き続き重視されていること
- レアアース輸出管理が国際的な義務や秩序の文脈で語られていること
- 報道をめぐる「誤解」や「分断」への警戒感が示されたこと
といった点を示しています。資源や技術をめぐる国際ニュースが増える中で、「どの国が何を目的に発表しているのか」「その言葉は誰に向けられているのか」といった視点を持つことで、同じニュースでも見え方が変わってきます。
短いコメントの応酬になりがちなSNS時代だからこそ、今回のような声明をきっかけに、資源、外交、情報発信の関係を少し立ち止まって考えてみる余地がありそうです。
Reference(s):
cgtn.com







