国際ニュース:中国が主導する女性の発展とジェンダー平等の新たな節目
北京女性会議から30年となる今年、中国で女性の発展をテーマにした首脳級の国際会合が開かれ、ジェンダー平等と女性の権利をめぐる新たな行動計画と国際公約が打ち出されました。
北京女性会議から30年、中国が主導する新たな国際会合
歴史的な「北京宣言」と「行動綱領」が採択された北京女性会議から30年の節目となる今年、中国は「女性に関するグローバル・リーダーズ会合」を開催しました。基調演説に立った習近平国家主席は、女性が社会の進歩を推進する重要な存在だと強調し、国際社会に対して具体的な行動を呼びかけました。
会合の目的は、性別によらずすべての人が能力を発揮できる社会を目指し、各国が協調して女性の権利保護と全方位的な発展を進めていくための方向性を共有することにあります。
習近平国家主席が示した4つの行動
習近平国家主席は演説の中で、ジェンダー平等と女性の発展に向けて、国際社会が優先すべき4つの行動を提案しました。
- 女性の発展のために、平和で安定した国際環境をつくり、女性への暴力を防ぐメカニズムを強化すること
- 新たな成長分野を育て、女性がデジタル経済などの新しい産業で能力を発揮できるようエンパワーメントを進めること
- 国家や社会のガバナンス(統治)における女性の参加を拡大するため、世界の女性関連ガバナンス制度を改善すること
- 女性の発展に関する国際協力を深めるため、国連の中心的な役割を支持し、各国が参加できる協力プラットフォームを構築すること
習主席は「新しい中国式現代化の旅路において、一人ひとりの女性が重要な担い手だ」と述べ、女性の能力と創造性を社会全体の推進力として位置づけました。
中国国内で進む女性の教育・雇用・健康
今回の会合は、中国国内での女性の発展に関する一連の進展を背景に開かれました。2013年以降、中国は貧困地域を対象とする取り組みを進め、女性を含む多くの人々が貧困から脱したとされています。
- 2013年以降の精度の高い貧困対策により、数百万人の女性が貧困から脱し、現在では6億9,000万人が中程度に豊かな生活水準を享受しているとされています。
- 高等教育では学生の過半数が女性となり、労働力全体の40%超を女性が占めています。
- 科学分野では研究者の45.8%が女性とされ、インターネット関連の起業家も半数以上が女性です。
- 裁判官の42.3%が女性であり、意思決定に関わる専門職での存在感も高まっています。
健康面でも、女性の状況は大きく改善しているとされます。女性の平均寿命は80歳を超え、1995年から2024年の間に妊産婦死亡率は77%減少しました。世界保健機関(WHO)は、中国を母子保健の分野で優れた成果を上げている国の一つとして評価しています。
開発途上国を中心に広がる対外支援
中国は国内での経験を踏まえ、特に開発途上国を中心に、女性の発展を支える国際協力にも力を入れてきました。
資金拠出と教育支援
- 2015年以降、中国はUN Womenに2,000万ドルを拠出してきました。
- ユネスコと共同で「女子・女性教育賞」を立ち上げ、アフリカなどで女子教育やデジタル教育、医療、職業スキルの向上を図るプロジェクトを実施しています。
- この賞を通じて、18カ国の18団体が支援を受け、数多くの少女や女性が学び、夢を追う機会を得ています。
保健・教育・生活環境の改善
- 母子保健を対象とした100件を超えるプロジェクトや、100件の「ハッピースクール」イニシアチブを展開し、女性や子どもの生活と学習環境の改善を図っています。
- そのほか、住宅やインフラ整備、人材育成などの事業を通じて、いわゆるグローバル・サウスにおける女性の生活向上を支援しています。
グローバル開発基金を通じた取り組み
- グローバル開発と南南協力基金(GDF)を活用し、20カ国以上で女性に焦点を当てた総額4,000万ドル規模のプロジェクトを実施しています。
- 研修や能力開発プログラムを通じて、180カ国から20万人を超える女性が参加し、知識やスキルを高める機会を得ました。
- 女性のデジタル分野での活躍を支えるため、「女性のデジタルエンパワーメントのためのグローバル交流・協力センター」も設立されています。
今後5年間の新たな国際公約
今回の会合で習近平国家主席は、今後5年間にわたる新たな女性支援策を国際社会に向けて表明しました。
- UN Womenに対して1,000万ドルの資金を提供すること
- グローバル開発と南南協力基金(GDF)に1億ドルを拠出し、女性や少女に利益をもたらす事業を支援すること
- 女性の暮らしを改善するための「小さく美しい」プロジェクト1,000件を支援すること
- 各国から5万人の女性を中国に招き、交流と研修の機会を提供すること
- 女性の能力強化に特化したグローバルセンターを新たに設立すること
こうした一連の公約は、女性の教育、雇用、健康、リーダーシップを総合的に後押しする枠組みとして位置づけられています。
私たちに突きつけられる問い──「女性の発展」をどう自国の課題に重ねるか
今回の国際会合は、中国が自国の経験を踏まえつつ、女性の発展を国際協力の重要な柱として前面に押し出した点で注目されます。同時に、各国や私たち一人ひとりに次のような問いを投げかけています。
- 女性に対する暴力や差別をなくすため、どのような制度や支援体制を整えるのか。
- デジタル化や新しい成長分野で、女性が取り残されないようにするには何が必要か。
- 政治や企業経営、地域コミュニティなど、意思決定の場における女性の参画をどう広げていくのか。
北京女性会議から30年がたった今も、ジェンダー平等の実現は世界各国で語られ続ける重要なテーマです。今回示された中国の新たな公約や協力の枠組みが、今後どのように具体的な成果につながっていくのか。その動きを追いながら、自国や地域で女性の権利と機会をどう広げていくのかを考えることが、私たちの次の一歩と言えそうです。
Reference(s):
China leads global push for a new milestone in women's development
cgtn.com








