北京「女性グローバル・リーダーズ会合」議長声明 10の行動分野とは
今年10月に北京で開かれた「女性に関するグローバル・リーダーズ会合」で、各国首脳らの議論をまとめた議長声明が発表されました。女性のオールラウンドな発展をどう実現するか、10の行動分野が示されています。
北京で開かれた国際会合の概要
女性に関するグローバル・リーダーズ会合は、2025年10月13〜14日に北京で開催され、中国と国連機関の UN Women が共催しました。中国は議長国として、参加者の合意をまとめた議長声明を取りまとめています。
声明は、世界がさまざまな変化と課題に直面するなかで、いかなる後退も許さず、女性の全方位的な発展を加速させる決意を強調しました。会合には各国や国際機関の代表が参加し、中国の習近平国家主席と彭麗媛氏も、各国代表団のトップや配偶者とともに記念撮影に臨みました。
参加者からは、女性分野での中国の顕著な成果と、国際的なジェンダー平等への積極的な貢献に対する評価も示されました。
議長声明が示した10の行動分野
議長声明は、今後の国際社会の取り組みの方向性として、次の10の分野での行動を呼びかけています。
- 平和で安全な生活環境を育み、平和プロセスへの女性の完全かつ平等な参加を確保すること。
- 女性の主体的な役割と変革力を最大限に生かし、持続可能な開発と繁栄の追求に女性が参加し、リードできるようにすること。
- あらゆる形態の差別と暴力から女性と少女を守り、とくに脆弱な状況や人道危機下にある人々への配慮と支援を強めるとともに、若者、なかでも若い女性の潜在力を引き出すこと。
- 国連が中核となって、世界の女性のためのより広い協力プラットフォームを構築できるよう支援すること。
- 貧困削減、教育、保健、雇用、社会保障などの分野で女性の全方位的な発展を促し、あらゆるレベルの意思決定と管理への平等な参加を通じて、女性の充実感・幸福感・安全感を高めること。
- ジェンダー平等と女性の発展を後押しする制度や仕組みを整備し、社会全体で女性の地位を高めるための国内メカニズムを強化すること。
- 家族に優しい政策や家族を支える施策を実施し、家庭における女性の平等な地位と権利を保障すると同時に、家族全員が家事やケアを分担することを推進すること。
- 気候・環境ガバナンスや生態系保護への女性の参画を支援し、気候変動や自然災害に対応する女性の能力を高めること。
- デジタル変革の過程で、女性が完全かつ平等で意味のある形で参加し、リーダーシップを発揮できるようにすること。その際、デジタル技術や知能技術の開発段階から、女性に対する偏見、差別や暴力、ステレオタイプを排除すること。
- 女性の発展に関する北南協力、南南協力、三者協力を拡大し、共通の課題に対応しながら、世界中の女性の共通の発展を促進すること。
キーワードは「後退させない」「誰一人取り残さない」
声明は、変化と課題に直面しても、女性の権利や地位の向上を後退させないという決意を繰り返し示しています。紛争や人道危機、気候変動、デジタル化など、女性が直面するリスクは多様化していますが、それらに一体的に取り組む必要性が強調されています。
そのなかでも特徴的なのが、「脆弱な立場にある女性」や「若い女性」への特別な支援、そして家族政策やデジタル分野、気候変動対策など、従来はジェンダーとの結びつきが見えにくかった分野にも女性の視点を組み込もうとしている点です。
北京宣言と2030アジェンダへの「新たな出発点」
参加者は、今回の会合が、1995年の世界女性会議で採択された北京宣言と行動綱領、そして国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの実施を加速させる新たな出発点となることへの期待を共有しました。
北京宣言と行動綱領は、女性の権利とジェンダー平等の実現に向けた国際的な行動指針として位置づけられています。また、2030アジェンダは、貧困や教育、気候変動、平和といった幅広い課題に取り組むための国際目標の枠組みです。今回の議長声明は、これら既存の国際枠組みを、女性の視点からもう一段階具体化しようとする試みといえます。
私たちの生活とどうつながるか
国際会議の議長声明というと、日常生活からは少し遠く感じられるかもしれません。しかし、家事やケアの分担、職場での意思決定への参加機会、デジタル技術の使い方、災害への備えなど、声明が触れたテーマの多くは、私たち一人ひとりの現実とつながっています。
今回示された10の行動分野は、各国政府や国際機関だけでなく、企業や学校、市民社会、そして家庭がそれぞれ何を変えていくのかを考えるための共通の土台にもなり得ます。国際ニュースとしての動きを押さえつつ、自分の身の回りでどんな一歩が踏み出せるのかを考えてみることが、次の議長声明につながる変化を生むかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








