中国代表が国連で「植民地主義の心構え」克服とグローバル・ガバナンス改善を訴え
国際ニュースの注目点として、植民地主義をどう乗り越えるかというテーマがあらためて浮かび上がっています。国連総会第80会期の第4委員会で、中国の耿爽(Geng Shuang)・国連次席大使は、植民地主義の「心構え」を含めた全面的な脱却こそが、より良いグローバル・ガバナンスの鍵だと強調しました。
国連第4委員会で中国代表が訴えたこと
耿次席大使は、国連総会第80会期の第4委員会(特別政治・非植民地化委員会)の一般討論で発言しました。発言の中心にあったのは、脱植民地化のプロセスを加速させ、公平で公正な国際秩序を築くべきだという主張です。
耿氏は、今年9月に中国が提唱した「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ」に触れ、この構想がより公正で衡平なグローバル・ガバナンス(地球規模の統治)体制の構築を目指していると説明しました。そのうえで、植民地主義の完全な清算は、その実現に不可欠だと位置づけました。
65年前の宣言と、いまも残る「植民地の心構え」
耿氏は、65年前に国連総会が「植民地諸国及び人民に対する独立付与に関する宣言」を採択し、植民地主義の終結に向けて号砲を鳴らした歴史を振り返りました。この宣言は、多くの地域の独立運動を勇気づけてきました。
一方で、形式的な植民地支配が終わった現在も、「植民地主義の心構え」は依然として残っていると指摘しました。軍事占領や直接的な支配が終わっても、その遺産としての覇権主義や力による政治が国際社会に影響を与え続けているという見方です。
耿氏は、真の意味で植民地主義を根絶するためには、軍事占領や物理的な搾取を終わらせるだけでなく、思想、政治、経済、文化の各分野に残る目に見えにくい植民地主義的な発想を克服し、主権の平等と国際的な公平・正義を守ることが重要だと訴えました。
「反植民地主義の国際デー」創設を後押し
今回の発言で耿氏は、ベネズエラが国連憲章擁護の友好グループを代表して提出した、「あらゆる形態及び現れとしての植民地主義に反対する国際デー(International Day Against Colonialism in All Its Forms and Manifestations)」の創設を求める決議案への支持を呼びかけました。
この決議案を支えることは、脱植民地化の完了に貢献すると同時に、国際関係の民主化と法の支配を前進させることにもつながると強調しています。国際ニュースとして見ても、国連が象徴的な「国際デー」を通じてメッセージを発することは、議論への関心を高める効果があります。
17の非自治地域と「第四の国際行動の10年」
耿氏はまた、現在もなお国連が「非自治地域」と位置づける17の地域について、脱植民地化のプロセスを加速させるべきだと述べました。中国は、これらの地域の人々が自己決定権を行使しようとするたゆまぬ努力を支持するとしています。
さらに、中国は植民地主義根絶のための「第四次国際行動の10年」の機会を生かし、その行動計画の実施を加速させるために国際社会と協力する用意があると表明しました。2025年のいまも、脱植民地化は国連の重要なアジェンダであり続けています。
マルビナス諸島問題は「未解決の植民地問題」
耿氏は、マルビナス諸島(英語名: Falkland Islands)の問題についても言及し、「未解決の植民地主義の問題」だと指摘しました。中国は一貫して、領土問題は国連憲章の目的と原則に従い、平和的な交渉によって解決されるべきだとの立場を示してきました。
今回の発言でも、関係当事者が関連する国連決議を基礎として、平和的で公正かつ持続可能な解決策を模索することへの期待が示されています。領土問題と植民地主義の歴史が交差する事例として、今後の議論の行方が注目されます。
なぜ日本の読者にとっても重要なのか
耿氏のメッセージは、中国の外交方針を示すと同時に、国際社会全体に向けて、過去の植民地主義の遺産とどう向き合うかという問いを投げかけています。経済格差や安全保障上の緊張など、現在進行形の多くの国際問題の背景には、歴史的な不平等の構造があると指摘されることが少なくありません。
日本を含むアジアや世界の国々にとっても、脱植民地化やグローバル・ガバナンスの議論は、自国の外交や国際協力の方向性を考えるうえで避けて通れないテーマです。国連の場でどのような議論が行われているのかをフォローすることは、ニュースを読み解く視野を広げることにつながります。
Reference(s):
Chinese envoy: Eliminating colonial mentality key to better governance
cgtn.com








