一粒の種から無数の花へ 中国・Huaping女子高校が示す女性エンパワーメント video poster
2025年10月、北京で開かれた女性リーダーの国際会合で、中国の習近平国家主席は、女性が人類文明の創造、発展、継承において重要な役割を担っていると強調しました。その理念を、静かに、しかし力強く体現している場所が、中国の山あいにあるHuaping Senior High School for Girls(以下、Huaping女子高校)です。
北京の会合で語られたメッセージ
2025年10月13日、中国の首都・北京でグローバル・リーダーズ・ミーティング・オン・ウィメン(Global Leaders' Meeting on Women)の開幕式が行われました。習近平国家主席はその場で基調演説を行い、女性が人類文明の発展にとって欠かせない存在であることを改めて示しました。
この発言は、国際ニュースとして世界の注目を集めると同時に、中国各地で進む女性エンパワーメントの流れとも重なります。その具体的な現場のひとつが、山あいにあるHuaping女子高校です。
Huaping女子高校:山あいの少女たちに灯る光
中国では、数えきれないほど多くの人びとが、日々の行動を通じて女性の可能性を広げています。Huaping女子高校の校長であるZhang Guimei氏も、その一人です。
Zhang校長は、遠く離れた山岳地域で育つ女の子たちに教育の機会を届けることで、「山の向こう側」に広がる世界への道を開いてきました。彼女が率いる学校は、単に高校を卒業するための場所ではなく、自分の可能性を信じ、自らの人生を選び取る力を育てる場になっています。
記事のタイトルにもある「一粒の種から無数の花へ」というイメージは、まさにこの学校の姿を表しています。一人の少女の変化が家族を変え、地域を変え、やがて社会全体の空気を少しずつ変えていく――そんな連鎖の「種」が、この山あいのキャンパスでまかれているのです。
教え子Zhou Yunli:光を受け継ぎ、次の世代へ
その連鎖を体現する存在が、Zhou Yunli氏です。彼女はHuaping女子高校で学び、Zhang校長のもとで「光」を受け取った一人の生徒でした。
山あいで育ったZhou氏にとって、Huaping女子高校は、視野を広げ、自分の未来を思い描くきっかけとなる場所でした。そこで受けた教育と支えがあったからこそ、彼女は自らの可能性を信じ、歩み続けることができたといえます。
卒業後、Zhou氏にはさまざまな道が開かれていましたが、彼女が選んだのは「母校に戻る」という決断でした。現在、彼女はHuaping女子高校で教壇に立ち、自分と同じ山あいで育つ少女たちに向き合っています。
かつては支えられる側だった少女が、いまは支える側となり、次の世代の「灯台」のような存在になる。この変化こそが、女性エンパワーメントが世代を超えて受け継がれていく具体的な姿です。
一世代が次の世代を押し上げるとき
Huaping女子高校で起きていることは、統計や経済指標には表れにくいかもしれません。しかし、そこでは次のような「波紋」が広がっています。
- 教育を受けた女の子が、自分の人生の選択肢を広げる
- その姿を見た周囲の女の子や家族が、「自分にもできるかもしれない」と感じ始める
- 卒業生が教師やロールモデルとして戻り、地域全体に新しい価値観が根付いていく
一人ひとりの変化は小さく見えるかもしれませんが、それが世代を超えて積み重なることで、社会全体の「当たり前」は静かに書き換えられていきます。まさに、山のあちこちに灯った小さな光が、やがて丘全体を照らすようなイメージです。
北京の演説と山あいの教室をつなぐ視点
2025年10月のグローバル・リーダーズ・ミーティング・オン・ウィメンで示された「女性の役割」は、抽象的なスローガンではありません。Zhang Guimei校長やZhou Yunli氏のような人びとの日々の実践によって、具体的な形を取り始めています。
北京の国際会議と山あいの教室。その二つの現場を並べて見てみると、女性エンパワーメントを考えるうえで、次のようなキーワードが浮かび上がります。
- 教育アクセス:山間部や遠隔地に暮らす女の子にも、継続的な学びの機会を届けること
- ロールモデル:身近な大人や先輩が、別の生き方の「実例」として立ち現れること
- 世代間の連鎖:一世代が次の世代を押し上げ、その次の世代がさらに次へと手を伸ばしていく循環
こうした視点は、中国だけでなく、日本を含むアジアや世界の教育・ジェンダー政策を考えるうえでも大きなヒントになります。国際ニュースに触れるとき、会議で語られたメッセージの背景に、こうした現場の物語があることも併せて想像してみると、ニュースの見え方が少し変わってくるかもしれません。
私たちの身近な「種」を探す
「一粒の種から無数の花へ」という言葉は、Huaping女子高校だけに当てはまる話ではありません。私たち一人ひとりの身の回りにも、小さいけれど誰かの人生を変えうる「種」があるはずです。
- 後輩や子どもに、どんな言葉をかけているか
- 職場やコミュニティで、誰かの挑戦をそっと後押しできているか
- SNSで、どんなロールモデルの物語を共有しているか
北京の会合で語られた理念と、山あいの教室で続く静かな実践。その距離を埋めていくのは、もしかすると私たち自身の小さな行動なのかもしれません。国際ニュースを読みながら、そんな自分への問いを一つ、心の中に置いておくことで、世界の見え方は少しずつ変わっていきます。
Reference(s):
From one seed, countless blooms: Inside Huaping Senior High School
cgtn.com








