CGTN『Health Talk』に学ぶ うつ病と落ち込み感情との向き合い方 video poster
うつ病や強い落ち込みをどう和らげればよいのか――CGTNの医療番組『Health Talk』では、専門医が誤解を解きほぐし、日々できるステップを語りました。
うつ病は「怠け」ではないと伝える国際ニュース
国際ニュースを日本語で追いかけていると、メンタルヘルスの話題が世界各地で共有されていることに気づきます。今回紹介するCGTNの番組『Health Talk』も、その一つです。
番組では、うつ病や抑うつ感情についてのよくある誤解が、回復の大きな妨げになっていると指摘します。誤解があると、助けを求める勇気が持てず、周囲も適切な支え方が分からないままになってしまうからです。
自己否定の悪循環
とくに深刻なのは、「うつは甘え」「暇だから考えすぎる」といった見方です。こうした言葉をそのまま受け止めてしまうと、抑うつ感情に苦しむ人は「自分は怠けているだけだ」「こんなことでつらいと思う自分はダメだ」と自分を責め、さらに症状を悪化させる悪循環に陥りかねません。番組は、この自己否定の連鎖を断ち切ることの重要性を強調しています。
専門医が答える3つの核心質問
こうした悪循環をほどくために、『Health Talk』は北京安定医院(首都医科大学附属)の王剛院長を迎え、うつ病を理解するうえで鍵となる三つの問いを投げかけました。
- うつ病は、本当に「怠け」や「暇すぎること」から生じるのか
- ストレスは、うつ病の発症や悪化にどのように関わっているのか
- なぜ同じ対処法でも、人によって効く人と効かない人がいるのか
王氏は臨床の立場から、うつ病は単純に「やる気」の問題に還元できるものではなく、ストレスだけで説明できるものでもないと説明します。どのような背景や体験が重なって今の状態に至ったのか、一人ひとりの物語を丁寧に見る必要があるという視点が示されました。
対処法は「一つの正解」ではなく、人それぞれ
番組が繰り返し伝えるのは、「この方法さえやれば必ずよくなる」といった万能薬は存在しない、という現実です。同じ方法でも、ある人には助けになり、別の人にはかえって負担になることがあります。
それでも、多くの人がインターネットやSNSで出会った「おすすめの対処法」を試し、それが合わなかったときに「自分は意志が弱いから続けられない」と、また自分を責めがちです。番組で取り上げられたテーマから見えてくるポイントは、方法そのものよりも、「自分に合っているかどうかを一緒に考えてくれる人」を見つけることの大切さだと言えそうです。
うつと向き合うときに意識したいポイント
- うつ病や抑うつ感情を、性格の弱さや怠けと短絡的に結びつけない
- 一つの対処法がうまくいかなかったとしても、「自分はダメだ」と結論づけない
- 状況や体調に応じて、方法を変えたり組み合わせたりしてよいと考える
日常生活でできる「小さなステップ」
もう一人のゲストとして登場したのが、上海精神衛生センターの趙敏院長です。趙氏は、うつ病そのものの診断だけでなく、「そこまで重症ではないが、落ち込みが続いてつらい」という人が日々の暮らしの中でできるステップについて助言しました。
焦点となったのは、「一度に人生を変えようとするのではなく、小さな変化を積み重ねる」という考え方です。無理に自分を奮い立たせるのではなく、少しだけ気が楽になる行動を見つけて続けることが、感情とのつき合い方を変えていく入り口になるとされています。
一般的に役立つとされる日々の工夫
- 生活リズム(睡眠や食事)を、できる範囲で整えてみる
- 気持ちを信頼できる家族や友人に言葉で伝えてみる
- つらさが長く続く、日常生活に支障が出ていると感じたら、専門家への相談を早めに検討する
番組で紹介された「毎日のステップ」も、こうした無理のない工夫を出発点にしていました。大切なのは、「自分だけがおかしいのではない」と知り、ひとつひとつの行動を自分のペースで試してみることだといえます。
北京と上海の医療機関が担うメンタルヘルスの役割
王氏が在籍する北京安定医院は、精神保健に関する研究や専門職の養成に取り組む医療機関として番組内で紹介されました。一方、趙氏が率いる上海精神衛生センターは、予防・治療・リハビリテーションを一体的に行う精神医療の拠点として位置づけられています。
中国の大都市にあるこうした医療機関の取り組みは、メンタルヘルスを社会全体で支える流れが地域を超えて広がっていることを映し出しています。日本から国際ニュースとして眺めることで、自国の支援体制を見直すきっかけにもなりそうです。
日本で生きる私たちへの問いかけ
今回の『Health Talk』で交わされた議論は、「海外の話」にとどまりません。仕事、学業、家庭、SNS――プレッシャーの多い社会で生きる私たち自身の問題とも直結しています。
番組の内容を手がかりに、私たちが日常の中で自分に問いかけてみたいポイントを三つ挙げてみます。
- 落ち込んだとき、「怠けているだけだ」と自分を責めていないか。
- 一つの方法が合わなかったとき、「どうせ自分には何をしても無理だ」とあきらめていないか。
- 困ったとき、相談できる人や専門機関の連絡先を、少なくとも一つは思い浮かべられるか。
うつ病や抑うつ感情は、誰にとっても起こりうる身近なテーマです。国際ニュースを通じて他地域の取り組みや議論を知ることは、自分や身近な人のつらさに向き合う際のヒントにもなります。もし今、心の重さを感じているなら、「怠け」ではなくサインだと受け止めて、一人で抱え込まない選択肢を思い浮かべてみてはいかがでしょうか。
Reference(s):
cgtn.com








