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不安は悪者じゃない?CGTN「Health Talk」が伝えるOCDとの向き合い方
今年10月12〜18日の「国際OCD啓発週間」にあわせて、中国の国際メディアCGTNの番組「Health Talk」が、不安、回避行動、強迫性障害(OCD)の関係に焦点を当てました。上海精神衛生センターのワン・ジェン副院長は、「不安そのものは必ずしも有害ではない」と語り、不安との付き合い方を解説しました。
生存のために備わった「不安」というシステム
ワン氏は、不安は人間に生まれつき備わった自然で適応的な反応であり、生存のための仕組みだと説明します。不安そのものが問題なのではなく、それにどう向き合うかが鍵になるという視点です。
同氏は「不安は、怖くて見ないふりをしたからといって消えてくれるものではありません。むしろ勇気を持って向き合うことで、問題を解決できる可能性が高まります」と述べています。
一時しのぎの「回避」が長期的には逆効果に
不安を抱えたとき、人はしばしば「回避」という対処法を選びます。苦手な場面を避けたり、不安を感じる情報から距離を置いたりすることで、一時的には安心感を得られます。
しかしワン氏によると、こうした回避は長期的には裏目に出やすいといいます。不安の根本原因が解消されないまま放置され、かえって不安が強化されてしまう可能性があるからです。
一部の人は、不安を抑え込むために、同じ行動を何度も繰り返すようになります。手洗い、確認行為、特定の手順へのこだわりなどが一時的な安心をもたらす一方で、その行動自体が「やめられない」悪循環となり、時間をかけて強迫性障害(OCD)へとつながることもあると指摘します。
心理療法・薬物療法・脳刺激を組み合わせる試み
ワン氏とチームは、不安やOCDの治療成績を高めるため、さまざまな治療法を組み合わせる研究を進めています。具体的には、心理療法、薬物療法に加え、「ニューロモジュレーション(神経調節)療法」と呼ばれる脳の活動を電気や磁気で調整する治療法を用いています。
番組によると、経頭蓋電気刺激や経頭蓋磁気刺激に加え、脳深部刺激(DBS)も検討されています。DBSでは、脳の深い部分に電極を埋め込み、体外の装置から電流を送り、特定の部位を継続的に刺激します。
「不安と踊る」視点がもたらすもの
現代社会ではストレスが身の回りにあふれ、それに伴って不安も常に存在しています。ワン氏は、不安はネガティブな結果だけをもたらすものではなく、むしろ私たちを成長へと駆り立てることが少なくないと強調します。
同氏は「ストレスはどこにでもあり、不安も常にあります。でも不安は、マイナスの結果だけでなく、しばしば私たちの成長を後押ししてくれます。不安とオープンな心で『ダンス』することで、自分自身の人生というすばらしい振り付けを描けるのだと思います」と語りました。
日本の私たちにとっての示唆
国や文化が違っても、「不安は悪者ではない」というメッセージは、多くの人に共通するテーマです。今回の国際ニュースからは、次のような示唆が読み取れます。
- 不安をゼロにするのではなく、「どう付き合うか」を考えることが大切であること
- その場しのぎの回避ではなく、必要に応じて専門家の支援を得ながら根本的な対処を目指すこと
- 心理療法、薬物療法、脳刺激など、治療の選択肢は複数あり、組み合わせることで可能性が広がること
不安を感じている自分を責めるのではなく、「これは自分を守ろうとする自然な反応なのだ」と一度立ち止まって眺めてみる。そのうえで、自分なりの「不安とのダンス」の仕方を探る――そんな視点を持つきっかけになる内容と言えそうです。
Reference(s):
cgtn.com








