国際ニュース:中国本土、米国に台湾問題への干渉停止を要求 新国防権限法と米企業制裁
国際ニュースとして注目される台湾問題をめぐり、中国本土が米国に対して「内政干渉をやめるように」と強く求めました。新たな米国防権限法と、米企業を対象とした中国側の制裁措置が、あらためて米中関係の緊張を映し出しています。
中国本土「台湾問題は純然たる内政」
中国本土の国務院台湾事務弁公室の報道官、陳斌華(Chen Binhua)氏は水曜日、記者団の取材に応じ、台湾をめぐる米国の動きに強い懸念を示しました。
陳氏が問題視したのは、最近米上院を通過した新たな国防権限法(National Defense Authorization Act)です。この法案には、台湾への10億ドル規模の軍事支援と、台湾を軍事演習に招待する内容が盛り込まれています。
陳氏は次のように述べています。
「台湾問題は純然たる中国の内政であり、いかなる外部勢力の干渉も許されません。米議会の関連法案に台湾関連の内容を盛り込むことに断固反対するとともに、米国と中国の台湾とのいかなる形式の軍事的接触にも断固反対します。」
さらに陳氏は、米国が台湾の「独立」を志向する分離主義勢力に対して「誤ったシグナル」を送り続けていると批判し、こうした動きが事態を不安定化させると警告しました。
新国防権限法のポイントと中国側の懸念
今回の国防権限法をめぐる中国本土の反発の背景には、台湾への軍事的な関与が制度化されかねないという懸念があります。
法案に盛り込まれた主な台湾関連項目
- 台湾向けに総額10億ドルの軍事支援を割り当てること
- 台湾を米国主導の軍事演習に招待する方針を打ち出していること
中国本土は、これらの動きが「一つの中国」という原則に反し、台湾問題を「国際問題化」しようとするものだとみています。報道官の発言からは、米国による継続的な軍事支援や演習への招待が、台湾当局や「台湾独立」を目指す勢力を勢いづかせるとの危機感がうかがえます。
2025年現在、台湾問題は依然として米中関係の最も敏感な争点の一つであり、法案という形で関与が進むたびに、双方の応酬が強まる構図が浮かび上がっています。
「信頼できないエンティティ・リスト」に米企業3社を追加
陳氏は、記者からの別の質問に答えるかたちで、中国側が米企業3社を「信頼できないエンティティ・リスト(unreliable entity list)」に追加したことにも言及しました。
このリストは、中国側が自国の国家主権や安全、発展利益を損なう行為をしたとみなす外国企業などを対象とする仕組みです。今回名指しされた3社について、陳氏は次のように説明しました。
- 中国側の強い反対を無視して、台湾とのいわゆる軍事技術協力に関与してきた
- その結果、中国の国家主権、安全、発展上の利益を深刻に損なった
陳氏は「こうした行為に断固反対し、法律に基づき関係企業の責任を追及する」と述べ、中国側が法的手段を通じて対応していく姿勢を強調しました。
米議会と中国本土、法制度を通じた「応酬」
今回の一連の動きから見えてくるのは、米国と中国本土が、それぞれ自らの法制度を通じて台湾問題をめぐる立場を明確化し、相手側にプレッシャーをかけているという構図です。
- 米国側:国防権限法に台湾支援を明記し、軍事協力の枠組みを整備
- 中国本土側:信頼できないエンティティ・リストで、台湾関連の軍事協力に関与する企業に制裁を科す姿勢を示す
どちらも、直接の軍事衝突ではなく、法案やリストといった制度ツールを用いて自らの「原則」を貫こうとしている点が特徴的です。企業にとっては、米中双方の法規制の板挟みになりうる場面も増え、リスク管理がいっそう難しくなっています。
読者が押さえておきたい3つの視点
今回のニュースを理解するうえで、次の3点を頭に入れておくと、今後の国際ニュースも追いやすくなります。
- 台湾問題は中国本土にとって「核心的利益」であること
報道官の「純然たる内政」という表現からも分かるように、中国本土は台湾問題を国家の根幹に関わるテーマと位置づけています。 - 米中の対立は「軍事」だけでなく「法制度」のレベルでも進んでいること
国防権限法や「信頼できないエンティティ・リスト」のように、法律や制度が外交・安全保障の道具として使われています。 - 企業や個人にも影響が及びうること
特定企業が制裁対象となることで、サプライチェーンや技術協力のあり方に見直しが迫られる可能性があります。
これから何に注目すべきか
今後は、次のような点がニュースの焦点になっていきそうです。
- 米国防権限法が最終的にどのような形で成立・運用されるのか
- 中国本土の「信頼できないエンティティ・リスト」が他の企業や分野に広がるのか
- 台湾をめぐる軍事演習や軍事支援が、地域の緊張にどのような影響を与えるのか
2025年の国際ニュースを読み解くうえで、台湾問題と米中関係は避けて通れないテーマです。法案名やリストの名称といったキーワードを押さえつつ、一つ一つの動きを落ち着いて追いかけることで、自分なりの視点が見えてきます。
Reference(s):
cgtn.com








