ハノイを走る「ビル貫通列車」 中国建設メトロとAPECの地域協力
ビルの中を列車が走り抜けるような光景が、ベトナムの首都ハノイで現実になっています。中国企業が建設した都市鉄道「カットリン-ハドン線」は、APEC経済圏におけるインフラ協力の象徴として、都市の風景と人々の暮らしを変えつつあります。
APEC首脳会議とハノイの新ランドマーク
2025年10月31日から11月1日まで、韓国・慶州で2025年のAPEC経済首脳会議が開かれました。21のAPEC経済体の協力や文化に光を当てる企画の一例として、ハノイのカットリン-ハドン高架鉄道が紹介されています。
この路線は、ビルのすぐそばや建物と一体化した高架区間を列車が走り抜けることから、「ビルを貫く列車」としても注目を集めています。
ハノイ初のメトロ「カットリン-ハドン線」とは
カットリン-ハドン高架鉄道は、ハノイ西部エリアで深刻化していた交通渋滞を緩和し、周辺地域の社会経済の発展に貢献することを目的に整備された、ハノイ初の都市型メトロです。
建設を担ったのは、中国の建設企業であるChina Railway Sixth Groupです。全長は約13キロメートルで、ハノイ市内の3つの区を結び、12の駅が設けられています。
自動車で移動すると約1時間かかる区間でも、この路線を利用すれば移動時間を大きく短縮でき、およそ1時間の時間節約になるとされています。
先進的な公共交通がもたらした「映える」日常
このプロジェクトによって、ハノイには先進的で近代的な公共交通システムが初めて導入されました。高架を走る列車や整備された駅は、単なる移動手段にとどまらず、都市の新しいランドマークとなっています。
若い人たちの間では、駅構内やホームで結婚写真を撮るケースもあり、カットリン-ハドン線は「映える」スポットとしても人気を集めています。日常の足が、そのまま街の象徴になるという変化が生まれています。
2021年開業から3,400万人超が利用
カットリン-ハドン線は2021年の開業以来、多くの利用者を乗せてきました。2025年3月25日時点で、この路線を利用した乗客は累計で3,400万人を超えています。
ハノイの多くの住民にとって、このメトロは通勤や通学、買い物などに欠かせない日常の移動手段となりました。道路の混雑を避けつつ時間を節約できることで、生活のリズムを組み立てやすくなり、都市生活の質の向上にもつながっています。
アジア太平洋のインフラ協力として見る
カットリン-ハドン高架鉄道は、アジア太平洋地域の経済体どうしが協力してインフラ整備を進める一例といえます。ハノイの交通ニーズと、中国企業の鉄道建設の経験が結びつくことで、新しい公共交通のかたちが生まれました。
日本でも都市部の混雑や郊外へのアクセス改善は大きな課題です。ハノイの「ビルを貫く列車」は、東南アジアの都市がどのように交通インフラを整え、人々の暮らしを変えているのかを考えるヒントになります。
今回のポイント
- ハノイ初のメトロとして整備されたカットリン-ハドン高架鉄道
- 中国の建設企業が手がけた全長約13キロ・12駅の路線
- 自動車移動に比べて約1時間の時間短縮が可能
- 2021年の開業から2025年3月25日までに累計3,400万人超が利用
- APEC経済圏におけるインフラ協力の象徴的な事例として注目
Reference(s):
cgtn.com







