中国がデジタル著作権を強化 青島で国際フォーラム、AI時代のルール探る
中国・山東省の青島市で、第10回中国国際著作権博覧会(CICE)と2025国際著作権フォーラムが開幕しました。デジタル著作権とAIの時代に、中国がどのように産業の高品質な成長をめざしているのかが浮かび上がります。
中国・青島で著作権の一大イベント
今回の博覧会とフォーラムは、中国国家版権局(NCAC)と世界知的所有権機関(WIPO)が主催する、中国で最も影響力のある著作権産業イベントとされています。国際的な著作権取引や交流の場として機能し、著作権の成果を世界に広げるプラットフォームになっています。
デジタル化・知能化で著作権業務をアップデート
近年、中国は著作権に関わる業務のデジタル化と知能化を重点的に進めてきました。創作、利用、保護、管理、サービスという著作権の一連のプロセスを総合的に強化し、AI(人工知能)やビッグデータといった新技術、さらには新しい文化コンテンツの形態との融合を図っています。
こうした取り組みは、著作権産業の高品質な発展を後押しすることを目指しており、コンテンツを守るだけでなく、ビジネスやイノベーションを生み出す基盤として著作権を位置づける動きだと言えます。
AIと著作権 人と機械の協働をどう進めるか
China Audio-Video Copyright AssociationのZhou Yaping副会長兼総裁は、AI生成コンテンツの著作権をめぐる議論が世界的に続くなかで、アーティストはAIを創作ツールとして積極的に受け入れるべきだと語りました。そのうえで、人と機械の協働を進めることで、より多様で革新的な作品が生まれ、文化市場が豊かになると強調しました。
一方でZhou氏は、市場の主体同士が著作権行使を過度に協調させると、ライセンスの仕組みをゆがめ、競争を阻害しかねないと警鐘も鳴らしています。そのうえで、著作権の集団管理団体が独占禁止の原則を守り、公正な競争環境を支える役割の重要性を指摘しました。
ローカル著作権成功事例が示す成長ストーリー
今回初めて導入されたローカル著作権成功事例イニシアチブでは、10件の優れたケースが選ばれました。これらの事例は、中国の著作権分野がダイナミックに成長している姿を具体的に示すものです。
事例は、イノベーションへのインセンティブ、経済発展の促進、文化の豊かさといった著作権の価値を浮き彫りにすると同時に、今後の国際ルール作りに向けた語りの材料としても活用できると位置づけられています。
世界で評価される中国コンテンツ
会場では、中国発の人気コンテンツも注目を集めました。AAA級のビデオゲーム作品とされる『Black Myth: Wukong』、アニメ映画『Ne Zha 2』、トレンドとなっているIP『Labubu』などが例として挙げられ、中国のクリエイティブな商品やサービスが国際的な評価を高めていることが紹介されました。
これらの作品は、中国の文化・クリエイティブ産業が活況を呈していることを象徴する存在とされ、著作権保護と産業成長が相互に支え合う構図がうかがえます。
信頼できる取引メカニズムと国際協力
China Media Groupで著作権オペレーションを統括するYan Bo氏は、ロイヤルティの分配を最適化し、クリエイターの権利を守るための信頼できる取引メカニズムを提案しました。デジタル環境でのコンテンツ利用が広がるなか、権利者に正当に対価が届く仕組みづくりが一層重要になっています。
モルドバ共和国のState Agency on Intellectual Propertyを率いるEugeniu Rusu氏は、自国が中国の先進的な著作権保護・管理の取り組みから学ぶ姿勢を示しました。新たな発展を積極的に取り込むことが国家の進歩に不可欠だと強調し、知的財産分野で中国との交流と協力を深め、自国のイノベーションエコシステムの育成につなげたい考えを述べました。
AI時代の著作権をめぐる静かな競争
デジタル化とAIが進むなかで、著作権制度をどのようにアップデートするかは、多くの国と地域にとって共通の課題になりつつあります。青島で開かれた今回の中国国際著作権博覧会と国際著作権フォーラムは、中国が自国の経験を示しつつ、国際的なルール形成やビジネスの場にもなっていることを印象づけました。
今後、AI生成コンテンツやグローバルなコンテンツ流通がさらに拡大するなかで、人と機械の協働を前提とした新しい著作権の考え方と、公正な競争をどう両立させるか。今回の動きは、日本を含むアジアの読者にとっても、これからのコンテンツビジネスを考える上で見過ごせないテーマになりそうです。
Reference(s):
China advances digital copyright to boost high-quality industry growth
cgtn.com








