習近平氏「第15次5カ年計画」指示 社会主義現代化と高品質発展を強調
中国の習近平国家主席が、2026~2030年を対象とする第15次5カ年計画の策定に向けて指示を出し、社会主義現代化の基本的実現や長期的な国家目標に向けた重要な転換点と位置づけていることが明らかになりました。中国経済や国際秩序の行方を占ううえで、日本からも注目すべき動きです。
第15次5カ年計画とは何か
第15次5カ年計画は、2026年から2030年までの5年間にわたる中国の中期的な発展戦略です。習近平国家主席は、この計画の策定にあたり、「社会主義現代化を基本的に実現する目標」に焦点を合わせるよう強調しています。つまり、この5年間を、中国が社会や経済のあり方を一段と高度な段階へ押し上げていくための重要なステージと位置づけていると言えます。
あわせて、習主席は「強大な国を建設し、民族の復興を進める」という長期ビジョンも示しており、第15次5カ年計画を単なる5年の計画ではなく、より長い時間軸での国家戦略の一部として捉えています。
キーワード1:社会主義現代化の基本的実現
習近平国家主席が最初に強調したのは、社会主義現代化の「基本的実現」です。社会主義現代化とは、単に経済規模を拡大するだけでなく、産業構造、生活水準、社会保障、教育や医療など、社会の質そのものを高めていくプロセスを指します。
第15次5カ年計画では、この「基本的実現」を視野に入れることで、次のような方向性が意識されていると考えられます。
- 量的成長から質の高い成長へのシフト
- 生活の安定や社会サービスの充実といった、国民生活の質の向上
- 技術革新や産業の高度化を通じた競争力の強化
中国の発展モデルがどの程度「質」を重視するかは、日本を含む周辺国の経済や企業戦略にも影響してきます。
キーワード2:強国づくりと民族復興の長期ビジョン
習近平国家主席は、第15次5カ年計画を「強大な国を建設し、民族の復興を進める」という長期的なビジョンの中に位置づけています。ここで言う「強国」とは、経済力だけでなく、技術力、文化的影響力、ガバナンス能力など、多面的な総合力を意味するとみられます。
また、「民族復興」は、中国が自ら描く長期目標の柱の一つとされており、第15次5カ年計画はそのプロセスの一環として設計されることになります。計画の中長期性が強調されている点は、政策の方向性が短期の景気対策にとどまらず、数十年単位の国家像と結びついていることを示しています。
キーワード3:高水準の開放と高品質発展
習近平国家主席は、対外経済政策についても「高水準の開放」を堅持し、あらゆる分野で「高品質発展」を進める必要性を指摘しています。これは、今後も国際的な経済交流を続けつつ、その質と水準を引き上げていく方針を示すものです。
高水準の開放とは、単に貿易や投資を拡大するだけでなく、ルールや基準の面で国際的な水準に合わせ、ビジネス環境の改善や新たな協力分野の開拓を図ることを含むと考えられます。一方、高品質発展は、環境負荷の軽減、技術力の向上、生活の質の向上などを重視する発展モデルを指します。
日本企業や投資家にとっては、こうした方針が具体的にどの分野に反映されるのかが、中長期のビジネス戦略を考えるうえで重要なポイントになりそうです。
なぜ今、この指示が注目されるのか
2025年12月現在、第15次5カ年計画の対象期間である2026年のスタートが近づいています。次の5年間の方針は、中国本土の経済・社会だけでなく、世界経済にとっても無視できない要素です。
今回の習近平国家主席の指示が注目される背景として、次のような点が挙げられます。
- 世界経済の不透明感が続く中で、中国の成長モデルの方向性が改めて問われていること
- サプライチェーンやエネルギー、デジタル経済など、国境を越える課題が増えていること
- 環境・気候変動や人口構造の変化など、長期視点での対応が必要なテーマが多いこと
こうした状況の中で、第15次5カ年計画がどのような優先順位と政策手段を示すのかは、国際ニュースとしても大きな意味を持ちます。
日本と世界にとっての読み解きポイント
日本の読者にとって、第15次5カ年計画をどのように捉えればよいでしょうか。習近平国家主席の発言から見えるポイントを整理すると、次のようになります。
- 「高品質発展」がキーワードとなる中で、環境技術や省エネ、デジタル分野などでの協力や競争が一段と重要になる可能性
- 「高水準の開放」が示されたことで、貿易・投資の枠組みやビジネス環境にどのような変化が生じるか
- 社会主義現代化の推進により、消費市場や都市化、社会サービス分野で新たな需要が生まれるかどうか
日本の企業や専門家にとっては、単に成長率の数字を見るのではなく、どの分野に力を入れ、どのようなルールや価値観で発展しようとしているのかを読み解くことが重要になりそうです。
これからの注目点
今後、第15次5カ年計画の具体的な内容は、関係部門や各地域による検討を経て、数値目標や重点分野が詰められていくとみられます。習近平国家主席が示した方向性が、どのような政策やプロジェクトとして具体化していくのかが大きな焦点です。
特に、次のような点は継続的にフォローしておく価値があります。
- 高水準の開放を実現するための制度改革や新たな経済協力の枠組み
- 高品質発展を支えるための産業・技術政策や環境対策の位置づけ
- 社会保障や教育、医療など、社会の「質」を高めるための取り組み
第15次5カ年計画は、中国本土の将来像だけでなく、アジアと世界の動きを読み解く重要な手がかりにもなります。今後示される具体策を丁寧に追いながら、自分なりの視点で「中国の次の5年」を考えていくことが求められています。
Reference(s):
Xi Jinping's remarks on the formulation of 15th Five-Year Plan
cgtn.com








