中国の習主席、村山富市元首相死去に弔意 「村山談話」の精神継承を要請
中国の習近平国家主席が、村山富市元首相の死去を受けて弔意を示しました。歴史問題に向き合った「村山談話」の精神を評価し、その継承を日本側に呼びかけている点が、日中関係の今を考えるうえで重要です。
習主席が石破首相に弔意メッセージ
中国の習近平国家主席は日曜日、村山富市元首相の死去に際し、日本の石破茂首相あてにメッセージを送り、弔意を表しました。習主席は、村山氏の遺族に対しても深い同情を伝えたとされています。
今回の弔意表明は、2025年12月8日現在の国際ニュースとして報じられており、日中関係をめぐるメッセージとしても注目されています。
「正義感の強い政治家」であり「中国人民の古い友人」
習主席はメッセージの中で、村山富市氏を「強い正義感を持つ日本の政治家」であり、「中国人民の古い友人」だと評価しました。
さらに、村山氏が長年にわたり日中友好の推進に尽力してきたとしたうえで、その姿勢が両国の信頼構築に重要な役割を果たしてきたと位置づけています。中国側が、村山氏の業績を単なる一政治家の働きにとどまらず、日中関係全体の「資産」として見ていることがうかがえます。
1995年の「村山談話」と歴史認識
習主席は、1995年に当時首相だった村山氏が発表した歴史問題に関する公式談話、いわゆる「村山談話」にも言及しました。
この談話で村山氏は、日本の「侵略戦争」と「植民地支配」の歴史を認め、深く反省するとともに、被害を受けた国々に対して謝罪を表明しました。習主席は、この点をあらためて取り上げ、日本の戦後史の中で重要な意味を持つ出来事として評価しています。
「村山談話」は、日本が過去の行為をどのように認識し、近隣諸国と向き合うのかという問題の中で、現在もたびたび参照される歴史認識の基準の一つとされています。日中関係においても、こうした歴史への向き合い方が信頼の土台になってきました。
「村山談話」の精神を守りつつ未来へ
習主席は、「村山談話」の精神を今後も守るべきだと強調しました。そのうえで、日本側に対して、次のような方向性を提起しています。
- 歴史から学びつつ、未来を見据えること
- 中国と協力し、日中関係の政治的基盤を守ること
- 互恵的な「戦略的互恵関係」を、あらゆる分野で前進させること
ここで言及されている「戦略的互恵関係」とは、両国が対立ではなく協力を通じて利益を分かち合う関係を指す表現です。習主席は、歴史問題を避けるのではなく、むしろきちんと認識したうえでこそ、安定した協力関係が築けるという立場を示したといえます。
日中関係の「政治的基盤」とは何か
メッセージの中で習主席は、「両国関係の政治的基礎を守る」ことの重要性にも言及しました。この「政治的基盤」には、過去の歴史に関する共通認識や、相互の内政に干渉しないこと、平和共存を目指す原則などが含まれます。
とりわけ歴史認識をめぐっては、発言や教科書、式典などをきっかけに、国内外で議論が高まることがあります。そうした中で、習主席があらためて村山氏の談話を評価し、その精神を守るよう呼びかけたことは、日中関係の安定に向けたメッセージと受け止めることができます。
なぜ今、このメッセージが重みを持つのか
2025年の今、国際情勢は大きく揺れ動き、アジアを含む各地域で安全保障や経済の不透明感が高まっています。こうした中で、歴史に真摯に向き合いながら、近隣国との信頼関係をどう構築するかは、日本にとっても中国にとっても避けて通れない課題です。
村山富市元首相の死去をめぐる今回の弔意メッセージは、一見すると追悼外交の一幕のようにも見えますが、その内側には、「歴史」と「未来」をどう結びつけるかという、より大きな問いが含まれています。
「村山談話」の精神をどう受け継ぐのか。日中双方がどのように歴史から学び、これからの協力関係を形づくっていくのか。読者一人ひとりにとっても、自分の言葉で考え、周囲と対話するきっかけとなるニュースと言えるでしょう。
Reference(s):
Xi extends condolences over death of former Japanese PM Murayama
cgtn.com








