ロサンゼルス五輪でコンパウンド混合団体が正式種目に 世界アーチェリー幹部が語る期待 video poster
中国・江蘇省南京市で開かれたアーチェリー・ワールドカップファイナルの会場で、世界アーチェリー連盟の幹部が、ロサンゼルス2028大会でのコンパウンド混合団体の五輪正式種目化と、中国の急成長への手応えを語りました。本格的な五輪デビューを前に、コンパウンドアーチェリーはどこまで存在感を高められるのでしょうか。
ロサンゼルス2028でコンパウンド混合団体が五輪種目に
世界アーチェリー連盟(World Archery)のフアン・カルロス・ホルガド専務理事兼事務局長代行は、ロサンゼルス2028五輪でアーチェリー競技に新たに加わるコンパウンド混合団体について「非常にわくわくしている」と述べ、競技の未来に大きな期待を示しました。
ホルガド氏によると、ロサンゼルス大会でコンパウンドに与えられる金メダルは、混合団体の1種目のみです。それでも「まずはこの1種目の影響をしっかり評価したい。ブリスベン五輪までには、プログラムが変わる可能性もあります。いずれにせよ、いま最優先すべきはこの種目の発展を後押しすることです」と語り、段階的に五輪の中での位置づけを高めていく考えを示しました。
コンパウンド混合団体とは
コンパウンドアーチェリーは、滑車の付いた弓(コンパウンドボウ)を用いる種目です。混合団体では、男女1人ずつがペアを組んで対戦し、テンポの速い展開と高得点の攻防が特徴とされています。ホルガド氏は、こうしたダイナミックさがテレビやオンライン配信と相性が良く、新しい観客を引きつける力になると見ています。
「メディア露出と人気拡大に大きなチャンス」
ホルガド氏は、コンパウンドアーチェリーが五輪に加わることによる波及効果にも強い期待を寄せました。「私は、コンパウンドアーチェリーがより多くの注目を集め、メディアで取り上げられる機会が増える可能性にとても興奮しています」と述べ、ロサンゼルス大会が競技の認知度を一段と高める転機になると位置づけました。
五輪の正式種目となることで、各国・地域の競技団体が強化や普及に投資しやすくなり、若い世代にとっても「目指すべき舞台」が明確になります。ホルガド氏の発言からは、単なる種目の追加にとどまらず、アーチェリー全体の成長戦略の一部としてコンパウンドが位置づけられていることがうかがえます。
急成長する中国のコンパウンド強化
今回の南京大会では、開催国である中国のコンパウンド強化にも視線が集まりました。ホルガド氏は「中国チームの指導者たちとじっくり話し、中国がコンパウンドアーチェリーにおいて非常に速いスピードで力をつけていると感じました」と振り返ります。
その一方で「中国のコンパウンドの水準は大きく向上すると予想していますが、現時点では世界トップ10にはまだ届いていません」とも指摘しました。それでも、中国チームには次のような強みがあると評価します。
層の厚さとサポート体制が武器
- 選手数が多く、チーム規模が大きいこと
- 優れた才能を持つ選手の層が厚いこと
- チームとしてのサポート体制が強力であること
こうした条件がそろうことで、短期間で世界上位に食い込む潜在力があるとみており、「3年後の五輪の混合団体で、中国が出場権を得るのを楽しみにしています」と期待を語りました。
アジアと日本への示唆
ロサンゼルス2028でのコンパウンド混合団体の正式採用は、アジアの国と地域にとっても大きな追い風になりそうです。新しい五輪種目は、各国・地域の連盟にとって強化や育成に取り組む明確な理由となり、選手側には新たな目標をもたらします。
日本でも、リカーブだけでなくコンパウンドを含めた競技力向上や普及のあり方を考えるうえで、今回の動きは無視できません。中国をはじめとする近隣国がコンパウンド強化を加速させれば、アジア全体のレベルが押し上げられ、日本勢にとっても刺激となる可能性があります。
五輪までの数年間で問われるもの
ホルガド氏の発言からは、ロサンゼルス大会までの数年間で各国・地域に求められる課題も見えてきます。
- 混合団体に特化したチームづくりと戦術の確立
- メディアやデジタル配信を通じたコンパウンド競技の魅力発信
- ジュニア層を含む次世代選手の育成と競技人口の拡大
南京で示されたメッセージは、コンパウンドアーチェリーの五輪採用は「ゴール」ではなく「スタート」であるということです。3年後の五輪の射場にどの国と地域が立っているのか、その答えはこれからの取り組み次第だと言えます。
Reference(s):
cgtn.com








