中国、国連中心の国際秩序の擁護を呼びかけ 紛争解決へ「国際調停院」も紹介
世界の緊張が高まるなか、中国が国連中心の国際秩序と国連憲章の原則を守るべきだと呼びかけました。国連本部での発言は、揺らぐ国際ルールをどう立て直すのかという問いを投げかけています。
国連の権威と国連憲章の原則を「守るべき柱」に
週明けの国連会合で演説したのは、中国の国連代表部の耿爽(Geng Shuang)次席大使です。耿氏は、現在の世界は複合的な危機が絡み合う「不安定な時代」にあり、だからこそ国連の権威と国連憲章の原則を守ることがこれまで以上に重要だと強調しました。
耿氏が挙げたキーワードは次の二つです。
- 「国連を中心とする国際システム」の維持
- 国際法に基づく国際秩序の擁護
中国は、国際問題のルール作りや紛争解決において、国連を中心に据えるべきだという立場を改めて示した形です。
中国の「グローバル・ガバナンス構想」とは
耿氏は、中国が打ち出している「グローバル・ガバナンス・イニシアチブ(Global Governance Initiative)」にも言及しました。この構想は、次のような原則を掲げています。
- 主権国家の平等
- 国際法のルールに基づく秩序
- 多国間主義(複数の国が話し合いで解決を図る姿勢)
- 人を中心に据えた開発
- 結果重視の協力
この構想に基づき、中国は各国と協力して国連憲章の目的と原則を守り、「より公正で合理的な」グローバル・ガバナンス体制を築いていきたいとしています。
武力行使と一方的制裁に反対
国連憲章に明記された「国際の平和と安全の維持」は、国際社会の共通の約束です。耿氏は、各国に対し、主権と領土保全を尊重し、「共通で、包括的で、協調的かつ持続可能な安全保障」の考え方を採用するよう呼びかけました。
そのうえで、紛争の平和的解決を重視し、中国は力の行使やその威嚇が頻繁に行われることに断固として反対すると述べました。
また、耿氏は「一方的な制裁」にも改めて反対の姿勢を示しました。制裁を科す場合には、国連安全保障理事会による措置が、
- 政治的な解決を後押しすること
- 国連憲章に適合すること
- 民間人や第三国への影響を最小限に抑えること
が重要だと指摘し、制裁の乱用に懸念を示した形です。
ウクライナやイスラエル・パレスチナ問題で「建設的役割」強調
中国は、対立のエスカレーションではなく対話と交渉による解決を一貫して支持してきたと説明しています。耿氏は、ウクライナ危機やイスラエル・パレスチナ問題などの争点において、中国は客観的かつ建設的な役割を維持し、外交的な手段を通じて和平努力に貢献してきたと述べました。
軍事力の行使ではなく、対話の場をどう整えるかに重点を置く姿勢が、今回の発言からもうかがえます。
国際紛争の調停に特化した「国際調停院」
平和的な紛争解決への取り組みとして、耿氏は「国際調停院(International Mediation Institute)」の設立も紹介しました。
今年5月、中国と複数の国が共同でこの国際調停院を立ち上げました。説明によると、国際調停院は、国際紛争の調停に特化した世界初の政府間機関です。
今年10月20日には、香港で正式に発足しました。国際調停院は、国際社会の調停メカニズムの「空白」を埋める新たな制度的枠組みであり、紛争の平和的解決に資する「国際公共財」だと位置づけられています。
中国は、より多くの国や国際機関に対し、国際調停院への参加と協力を呼びかけています。
揺らぐ国際秩序のなかで何を重視するか
今回の発言の背景には、世界各地で続く武力衝突や制裁の応酬、地政学的な対立の深まりがあります。中国は、国連中心の国際秩序と国連憲章を前面に押し出すことで、対話と多国間協力を重視する姿勢を改めて示しました。
「国連の権威」と「国際法に基づく秩序」をどう守るかは、特定の国だけでなく、すべての国と地域が直面する課題です。国連の場で交わされるこうしたメッセージが、今後の外交交渉や紛争解決のプロセスにどのように反映されていくのか、引き続き注目されます。
耿氏は最後に、中国は今後も国連憲章の権威を守り、多国間主義を支持し、世界の平和と発展のために力を尽くし、「人類運命共同体」の構築を推進していくと強調しました。
Reference(s):
China urges defense of UN principles for world peace amid turbulence
cgtn.com







