中国・烏鎮演劇祭に世界の舞台人集結 第12回フェスが示した国際交流 video poster
中国・浙江省の水の都、烏鎮がこの秋、世界の舞台人と観客であふれました。2025年10月16〜26日に開催された第12回Wuzhen Theater Festival(烏鎮演劇祭)は、国際色豊かな演目と交流プログラムで、演劇のいまを映し出しました。
第12回Wuzhen Theater Festivalとは
Wuzhen Theater Festivalは、中国・浙江省の歴史ある水郷・烏鎮を会場にした国際演劇フェスティバルです。期間中、町全体が劇場となり、路地や広場、歴史的な建物がさまざまな作品の舞台に変わります。
第12回となる今年は、世界10の国と地域から25本の演劇作品が上演されました。さらに、若手を対象とした「Emerging Theatre Artists' Competition」には18作品が参加し、新しい表現に挑むクリエイターたちが腕を競いました。
東西の演劇が出会う舞台──注目のギリシャ神話作品
今回のハイライトの一つが、ドイツの劇場ドイツ・シャウシュピールハウス・ハンブルクによる作品「Anthropolis–Marathon」です。5つのギリシャ神話を織り交ぜたこの作品は、ハンブルク以外では初めての上演となり、烏鎮でのステージにはドイツと中国のアーティストが顔をそろえました。
東西それぞれの演劇の伝統を背景に持つ表現者たちが同じ舞台に立つことで、新しい物語の語り方や身体表現が試される場にもなっています。観客にとっては、ヨーロッパの古典とアジアの感性が交差する瞬間を目撃する貴重な機会となりました。
数字で見る烏鎮演劇祭
今回の国際ニュースの背景にある、フェスティバルの規模を整理してみます。
- 開催期間:2025年10月16〜26日
- 本公演数:25作品
- 参加した国と地域:10
- 若手競演部門の参加作品:18
- 初開催:2013年
2013年のデビュー以来、Wuzhen Theater Festivalは、若い国際的な舞台人が創造性を発揮し、互いのアイデアを交換するためのダイナミックなプラットフォームへと成長してきました。
若手演劇人の登竜門として
Emerging Theatre Artists' Competitionは、これからの演劇界を担う若手に向けたコンペティションです。ここで作品を発表することで、世界各地から集まった観客や批評家、プロデューサーと出会い、自分たちのスタイルを試すことができます。
コンペ以外にも、トークイベントやシンポジウム、演劇ワークショップ、リーディングセッションなどが開かれ、参加者同士がじっくり対話できる場が用意されています。単に作品を見せるだけでなく、「どうつくるか」「何を語るか」を共有するプロセスが重視されている点が特徴です。
水の都の観光と経済にも波及
Wuzhen Theater Festivalは、文化イベントとしてだけでなく、烏鎮の観光と経済にも大きな影響を与えています。フェスティバル期間中は、町のゲストハウスやホテル、飲食店が観客やアーティストでにぎわい、宿泊施設が満室になるケースも少なくありません。
観劇を目的に訪れた人々が、昼間は水郷の風景を散策し、夜は演劇やカーニバルを楽しむという時間の使い方をすることで、町の文化的な魅力と経済的な活力が同時に高まっているとされています。
なぜこのフェスが注目されるのか
デジタルで世界がつながる一方で、人と人が同じ空間で物語を共有する「演劇」の価値は改めて見直されています。Wuzhen Theater Festivalは、その象徴的な例の一つと言えます。
歴史ある水郷というローカルな場に、世界各地のアーティストと観客が集まり、言葉や国境、文化の違いを越えて作品を通じて対話する。そのプロセスは、国際ニュースとしての側面だけでなく、「私たちはどのように他者と出会い、理解し合うのか」という普遍的な問いも投げかけています。
日本やアジア各地でも、地域の個性を生かした文化フェスティバルづくりが進んでいます。烏鎮での試みは、演劇やアートを通じて地域と世界をどう結びつけるかを考えるうえで、一つの参考例になりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








