香港珠海マカオ大橋、7年で延べ9,334万人超が往来 観光と生活圏はどう変わった?
香港とマカオ、中国本土の珠海を結ぶ香港珠海マカオ大橋で、開通から7年の累計往来が延べ9,334万人超に達しました。国際ニュースとしても注目される巨大インフラは、この7年で地域の観光と生活をどう変えてきたのでしょうか。
7年で延べ9,334万人超 海上の大動脈に
香港珠海マカオ大橋は、香港特別行政区、マカオ特別行政区、広東省珠海市を結ぶ全長55キロの橋とトンネルからなる海上ルートです。2018年10月23日の開通から7年が経ち、珠海側の港では、直近の水曜日までに延べ9,334万人超の出入境が記録されました。
この橋は、世界最長の海上橋・海底トンネル一体型の交通インフラとして位置づけられ、香港、マカオ、珠海の三つの地域を物理的にも心理的にも近づける役割を果たしています。
利用者と車両の伸びを数字で見る
香港珠海マカオ大橋の珠海港にある出入境検査所によると、橋の利用はこの数年で着実に増えています。主な数字を整理すると、次のようになります。
- 2019年:旅客延べ1,288万人、車両86万台
- 2024年:旅客2,700万人、車両555万台
- 今年(2025年)これまで:旅客2,510万人超、車両546万台超(いずれも前年同期比で旅客17%増、車両25%増)
開通直後と比べると、旅客数も車両数も大きく伸びていることがわかります。特に2024年以降、橋を使った移動が一段と日常化している様子が数字に表れています。
中国本土から香港・マカオへの個人旅行が追い風
背景には、中国本土から香港やマカオへの個人旅行の枠組みが拡大していることがあります。出入境検査所のデータでは、今年に入ってからこれまでに、中国本土からの訪問客が1,015万人を超え、過去最高を更新しました。
このうち約460万人は、香港やマカオを個人で訪れるための通行証であるトラベルパスを利用しています。団体ツアーだけでなく、週末にふらっと香港へショッピングに出かける、マカオでエンタメやグルメを楽しむといった、自由度の高い旅行スタイルが広がっていることがうかがえます。
移動時間は3時間から約45分へ 生活圏が一気に近く
香港珠海マカオ大橋がもたらした変化として象徴的なのが、移動時間の短縮です。開通前、香港から珠海やマカオまで車で移動すると約3時間かかっていましたが、現在は橋を使えば約45分に短縮されました。
2023年には珠海港を通る1日あたりの車両数が約9,000台でしたが、現在は1万8,000台超と、およそ倍に増えています。通勤や出張、物流トラック、観光バスなど、橋を日常的な移動手段として使う人や企業が着実に増えているとみられます。
その結果、例えば次のような動きが広がっている可能性があります。
- 香港で働きながら、住宅価格が比較的抑えられた珠海側に住むというライフスタイル
- マカオで開催されるイベントや展示会に、周辺地域から日帰りで参加
- 週末や連休に、中国本土、香港、マカオをまたいだ周遊観光ルートを組む旅行プラン
地域経済への波及と、これからの視点
香港珠海マカオ大橋の利用拡大は、観光産業だけでなく、小売、飲食、物流、不動産など幅広い分野の経済活動を後押ししていると考えられます。国境を越えた人とモノの移動が増えることで、ビジネスの機会や雇用の形も変わっていきます。
一方で、交通量の増加に伴い、渋滞や安全対策、環境負荷への配慮も重要になっていきます。巨大インフラを地域の持続可能な成長につなげるためには、交通管理や公共交通との連携、観光客と地域住民のバランスなど、きめ細かな運用が求められます。
日本の読者にとってのヒント
日本でも、高速道路や新幹線、リニア中央新幹線など、大規模インフラが地域経済や人口動態にどのような影響を与えるかが議論されています。香港珠海マカオ大橋の7年間のデータは、巨大な交通インフラが人の動きと生活圏をどのように変えるのかを考えるヒントになります。
数字だけを見るのではなく、その裏側でどんな暮らし方や働き方の変化が起きているのか。国際ニュースをきっかけに、自分たちの足元の都市や地域の未来もあらためてイメージしてみるタイミングかもしれません。
Reference(s):
Hong Kong-Zhuhai-Macao Bridge sees over 93m passenger trips in 7 years
cgtn.com








