中国が88の河川・湖沼を再生 「母なる河川」行動計画の現在地
中国水利省は2025年9月末までに、中国各地の重要な河川や湖沼88カ所が再生され、長年枯れたままだった水路にも生態流量が回復したと発表しました。これは、2022〜2025年にかけて進められている全国規模の「母なる河川」再生行動計画の成果とされています。
88の河川・湖沼が「再生」 発表のポイント
今回の発表内容を、国際ニュースとして押さえておきたいポイントに絞って整理します。
- 対象は、中国全土の「重要な河川・湖沼」88カ所です。
- 一部では、数十年にわたり水が途絶えていた水路に、再び生態流量が戻ったとされています。
- 生態流量とは、川や湖の生態系を維持するのに必要な最低限の水量を指す概念です。
- これらの取り組みは、全国で進む「母なる河川」再生行動計画(2022〜2025年)の一環です。
- 各河川・湖沼ごとに、固有の条件に合わせた再生計画が作られています。
全国規模の「母なる河川」再生行動計画
今回の河川・湖沼の再生は、中国が2022〜2025年にかけて実施している「母なる河川」再生行動計画の成果です。計画は、各地域で人々の暮らしや文化と深く結びついてきた主要な河川・湖沼を対象に、生態環境を改善しようとする全国的な取り組みです。
中国水利省によると、この行動計画では、対象となるそれぞれの河川や湖沼について、現在の状態や周辺の状況などを踏まえた個別の再生プランが作成されています。一律の対策ではなく、地域ごとに条件が異なることを前提にしたアプローチが重視されている点が特徴です。
河川・湖沼の再生がもたらすもの
では、88の河川・湖沼で生態流量が回復したことは、どのような意味を持つのでしょうか。一般に、川や湖の再生が進むと、次のような効果が期待されます。
- 魚類や水生昆虫、水草など、多様な生物がすみやすい環境が整う。
- 周辺の湿地や河川敷の植生が回復し、景観や生態系の質が高まる。
- 地域の暮らしと結びついた水利用(生活用水や農業など)の安定につながる。
- 干ばつ時の極端な水不足や、雨期の急激な水位変動の緩和に寄与すると考えられている。
今回の中国の取り組みは、こうした一般的な効果をねらいとして、長期的な視点から水環境を整えようとするものとみられます。
日本とアジアの読者への示唆
今回のニュースは、日本語で国際ニュースを追う読者にとっても、水資源と環境政策を考えるきっかけになります。アジア各地では、都市化の進展や気候変動の影響などを背景に、水をめぐる課題への関心が高まっています。
中国が全国規模の行動計画のもとで、重要な河川・湖沼88カ所の再生を進めていることは、長期のスパンで水環境を整備しようとする一つのモデルとして注目できます。国や地域ごとに制度や自然条件は異なりますが、
- 生態系を維持するための流量をどう確保するか
- 各水域の条件に合わせて、どのように再生プランを設計するか
- 成果をどのように評価し、次の政策につなげるか
といった論点は、多くの国と地域に共通するテーマでもあります。
これからの注目点
「母なる河川」再生行動計画は、2022〜2025年を対象期間とする取り組みです。今回示された88カ所での成果は、これまでの取り組みの一つの節目と位置づけられます。今後、次のような点に注目が集まりそうです。
- 再生が進んだ河川・湖沼で、生態系の回復がどのように確認されていくのか。
- 再生された水路が、地域の暮らしや経済活動とどのように両立していくのか。
- 行動計画の経験が、他地域の水環境政策にどのように共有されていくのか。
水は、人々の生活と社会の基盤を支える存在です。中国で進む88の河川・湖沼の再生は、国際ニュースとしてのトピックであると同時に、アジア全体で水と生態系の未来を考えるヒントにもなりそうです。
Reference(s):
China revitalizes 88 key rivers, lakes in ecological restoration drive
cgtn.com








