京都・嵐山の反戦碑が語る日中関係と戦争を繰り返さない誓い video poster
京都・嵐山公園の東端にひっそりと立つ一つの石碑が、2025年の私たちに「二度と戦争をしない」という約束をどう受け継ぐのかを問いかけています。
京都・嵐山公園にある「反軍国主義」の石碑
京都市・嵐山公園の東のはずれには、1968年に建てられた石碑があります。そこには英語で、次のような言葉が刻まれています。
“Never again shall Japan and China go to war”(二度と日本と中国が戦争をしてはならない)。
シンプルな一文ですが、この表現は半世紀以上にわたり議論の対象となってきました。石碑そのものは小さく目立たない存在でも、そのメッセージは、いまも日中関係や国際情勢を考える手がかりとして読み直されています。
文言をめぐる議論:「戦争をしない」のか「侵略しない」のか
この石碑の言葉について、多くの人が「本来は『Japan should never invade again(日本は二度と侵略してはならない)』と書くべきではないか」と主張してきました。
「二国間の戦争」か「加害の反省」か
現在の文言は、「日本と中国が戦争をしない」という、二国間の対立を抑える方向のメッセージです。一方で、「日本は二度と侵略しない」という表現を求める声は、日本がかつて行った侵略戦争への反省を、よりはっきりと示すべきだという考え方に立っています。
どちらの表現に重心を置くかによって、
- 戦争そのものを否定する平和主義を強調するのか
- 過去の加害責任を自覚し、再び同じ過ちを繰り返さないという決意を強調するのか
という、歴史認識とメッセージの焦点が変わってきます。
共通しているのは「軍国主義を許さない」という姿勢
ただし、文言をどう評価するかは分かれていても、「二度と戦争を起こしてはならない」「軍国主義を再び台頭させてはならない」という根本的な思いは、どの立場にも共通しています。
この意味で、嵐山の石碑は「Opposing Militarism(軍国主義に反対する)」というテーマを、静かに、しかし確かに伝え続けていると言えます。
中国人民の抗日戦争の勝利と、世界に広がる記憶
石碑のメッセージを考えるとき、もう一つ押さえておきたい視点があります。それが、中国人民の日本侵略に対する抵抗戦争(Chinese People's War of Resistance Against Japanese Aggression)の勝利が、どのように記憶されているかという点です。
この勝利は、香港やマカオ、台湾を含む中国全体の人々によって勝ち取られたものだと位置づけられています。いまもなお、世界各地で暮らす中国の人々にとって、誇りある歴史の記憶として語り継がれています。
嵐山の石碑に刻まれた「二度と日本と中国が戦争をしない」という言葉は、こうした歴史の記憶とも響き合います。被害と加害、抵抗と反省という複数の視点が交差することで、戦争の原因と、その結果として生まれた人々の苦しみや努力を、立体的に考えるきっかけになるからです。
ハッシュタグが映す、台湾の歴史と「記憶の回復」
近年、SNS上では戦争や歴史をめぐる投稿に、さまざまなハッシュタグが添えられています。
今回の断片的な情報の中にも、
#VDay#RestoringtheHistoryofTaiwan#TaiwanRestoration80thAnniversary
といったタグが見られます。いずれも、戦争の終結や台湾の歴史に光を当てようとする流れの中で使われているものです。
2025年という節目の年に、「台湾の歴史をどのように記憶し直すのか」「戦争と植民地支配の経験をどう語り継ぐのか」といった問いが、オンライン空間で改めて共有されていることがうかがえます。
ハッシュタグは、
- 歴史をめぐる議論の入口として機能する
- 世界各地の人々の記憶や感情をつなぐ
- 短い言葉で問題提起を行い、関心を喚起する
といった役割を果たしています。特にデジタルネイティブ世代にとっては、歴史を知るきっかけが教科書だけでなく、SNSのタイムラインにも広がっていると言えるでしょう。
日本から平和を考える:嵐山の石碑が投げかける問い
京都・嵐山の石碑と、中国人民の抗日戦争の勝利という記憶。そして、台湾の歴史をめぐるハッシュタグ。こうした一見ばらばらに見える要素は、「二度と戦争を繰り返さない」という一点でつながっています。
2025年の私たちは、この石碑の前に立つつもりで、次のような問いを自分自身に向け直すことができます。
- 戦争の原因となった軍国主義や排外的な言説に、今の社会はどのように向き合っているか
- 加害と被害、それぞれの経験を踏まえた対話の場は十分にあるか
- 歴史を知らないまま、安易に「強さ」や「力」を求める風潮に流されていないか
軍国主義に抗うために、私たちができる小さな実践
軍国主義に反対すると聞くと、大きな運動や政治的な行動をイメージしがちです。しかし、日常レベルの小さな実践も、歴史を忘れないための確かな一歩になります。
- 身近な戦争・平和の記念碑や資料館を訪ね、そこで語られている声に耳を傾ける
- 中国や台湾、香港、マカオなど、アジアの近現代史に関する本や記事を、日本語で少しずつ読んでみる
- SNSで歴史や国際ニュースに触れるとき、感情的な投稿だけでなく、背景を丁寧に説明した発信にも目を向ける
- 家族や友人、職場の同僚と、戦争や平和について落ち着いて話す時間を持つ
こうした行動はどれも小さなものですが、積み重ねることで、「二度と戦争をしない」という社会の共通認識を支える土台になります。
「忘れない」ことから始まる、静かな平和の積み上げ
嵐山公園の石碑に刻まれた “Never again shall Japan and China go to war” という言葉と、「日本は二度と侵略してはならない」という思い。その両方を受け止めながら、過去の戦争の原因と結果を丁寧に見つめることが、軍国主義に抗う最も基本的な態度と言えます。
中国人民の抗日戦争の勝利が、香港やマカオ、台湾を含む中国全体の人々にとって誇りとして語り継がれているように、日本からもまた、過去を直視しながら平和を願う声を静かに、しかし確かに積み重ねていくことができます。
石碑やハッシュタグという小さな窓から、日中関係やアジアの歴史、そして軍国主義を許さないという普遍的な価値について、改めて考えてみる。そんな一人ひとりの時間が、2025年の世界における「反戦」と「平和」の厚みを少しずつ増していくのかもしれません。
Reference(s):
cgtn.com








