中国の国立公園システムが加速 5つの公園で生態系と生物多様性を保護 video poster
中国がこの5年で進めてきた「国立公園システム」が、国の生態系と生物多様性の保護に具体的な成果を上げつつあります。2021年に設立された第1陣の5つの国立公園が、その中心的な役割を担っています。
過去5年で前進した中国の国立公園システム
中国は過去5年にわたり、国立公園システムの構築を進めてきました。そのなかで2021年には、初の5つの国立公園が正式に設立され、生態系を面的に守るための枠組みづくりが本格化しました。
5つの国立公園の規模とインパクト
今回の報告によると、2021年に設立された5つの国立公園は、合計で約23万平方キロメートルに及ぶ広大な面積をカバーしています。このエリアでは、中国の「重点保護対象」とされる陸域の野生動植物種のおよそ3割が守られているとされています。
さらに、これらの国立公園は既存の自然保護区など120以上を統合しており、点在していた保護エリアをひとつの仕組みの中で運用することで、生態系全体を見渡した保全が可能になりつつあります。
- 5つの国立公園の合計面積:約23万平方キロメートル
- 陸域の重点保護野生動植物種の約30%をカバー
- 120以上の既存自然保護区などを統合
生態系の「多様性・安定性・持続可能性」を高める
統合された国立公園では、生態系の「多様性」「安定性」「持続可能性」が向上しているとされています。多様性の面では、さまざまな動植物が同じ保護エリア内で共存できるようになり、種の保全が進みます。
安定性の面では、山地、森林、草原など異なる環境が一体的に守られることで、自然災害や人間活動による影響を吸収しやすい強い生態系を育てることにつながります。持続可能性という点では、長期的な視点で保全と利用のルールを設計できるようになり、世代を超えて自然資源を守る基盤が整いつつあると言えます。
なぜ日本の読者にとっても重要か
世界的に生物多様性の保全が重要なテーマとなるなか、国レベルで大規模な国立公園システムを整備する動きは、国際ニュースとしても注目されています。広大な面積を国立公園として一体的に管理し、多数の自然保護区を統合するというアプローチは、自然保護と地域社会のあり方を考えるうえでひとつの参考事例になります。
日本でも、国立公園や自然公園をどう守り、どう次の世代につないでいくのかという課題は共通です。中国の取り組みを追いかけることは、東アジア全体での生態系保全の姿を考えるきっかけにもなりそうです。
これから問われる「質」の向上
面積や保護対象種といった「量」の拡大に続き、今後はどのように質の高い保護と運営を実現していくかが焦点になります。国立公園としてのルールづくり、科学的なモニタリング、地域の人びととの関わり方など、取り組むべきテーマは少なくありません。
2025年現在、国立公園システムはまだ発展の途上にありますが、5つの国立公園が示した数字は、中国が生態系保全に本格的に舵を切りつつあることを物語っています。その動きが今後どのように広がっていくのか、引き続き注視したいところです。
Reference(s):
China advances ecological conservation through national park system
cgtn.com







