千年の陶都・景徳鎮 土と炎がつなぐ世界の市長対話 video poster
千年の陶都として知られる中国東部の江西省・景徳鎮で、世界各地の「陶磁器の街」の市長が集うグローバル市長対話(Global Mayors Dialogue)が開かれました。土と炎という共通の言語を通じて、都市の未来や文化の多様性を語り合う国際ニュースです。
土と炎がつなぐ国際ニュース
今回の国際ニュースの舞台は、長い歴史を持つ景徳鎮です。世界の陶磁器都市の市長たちが一堂に会し、国や地域、言語の違いを越えて、陶磁器という共通の文化を軸に対話しました。
トルコのイズニックやイタリアのファエンツァなど、陶磁器で知られる都市のトップが参加し、それぞれの街が歩んできた歴史や現在の課題を共有しました。テーマとなったのは、都市を「生きた場所」としてどう保ち続けるか、そして異なる文明のあいだで文化の多様性をどう生かすかという問いです。
千年の陶都・景徳鎮とは
景徳鎮は、千年以上にわたって陶磁器の生産で知られてきた都市です。歴史の中で培われた技術と美意識が、今も街の空気に濃く残っています。
現在の景徳鎮には、伝統的な窯場の記憶が息づくエリアと、新しい感性を持つアーティストのスタジオが共存しています。過去の遺産を保存する場所であるだけでなく、その遺産を使って新しい表現を生み出す「実験の場」としても機能しているのが特徴です。
世界の陶磁器都市が集う市長対話
グローバル市長対話では、各都市の市長が自らの街の経験を持ち寄りました。共通していたのは、「人が暮らし続けたくなる街」をどうつくるかという視点です。
- 都市を単なる観光地ではなく、「生きた場所」として保ち続けるには何が必要か
- 異なる文明や文化のあいだで、多様性をどのように尊重し合えるか
- 陶磁器という共通の「ことば」を通じて、都市同士がどう協力し合えるか
土と炎から生まれる器は、どの都市でも生活に根ざした存在です。その身近さが、国境を越えた対話を自然なものにしているともいえます。
若いアーティストが紡ぐ新しい景徳鎮
景徳鎮のスタジオでは、若いアーティストたちが古い器の形や模様を現代の目線で捉え直しています。古典的な技法を学びながら、自分なりの表現を模索する姿は、「伝統」と「革新」が衝突ではなく対話しているようにも見えます。
一方、窯場では、先人から受け継いだ技術と現代的なデザインが出会っています。長い時間をかけて磨かれた焼成の技を土台にしながら、色や形、用途の面で新しい試みが続けられています。
- 古い造形や文様をベースにした現代的な作品
- 日常使いの器とアート作品が同じ街から生まれる多層性
- 世界から集まる人びとの影響を受けた多様なスタイル
こうした動きは、景徳鎮が過去の栄光にとどまらず、今も「現在進行形の街」であることを示しています。
「生き続ける都市」の条件とは
市長たちの議論から浮かび上がるのは、都市が「生き続ける」ためのいくつかの条件です。それは陶磁器の街に限らず、多くの都市に共通するテーマでもあります。
- 歴史や文化を「保存」するだけでなく、「使いながら受け継ぐ」視点を持つこと
- 若い世代が挑戦できる空間やコミュニティを確保すること
- 異なる文化や価値観と出会う機会をつくり、対話を続けること
景徳鎮の場合、その媒介になっているのが陶磁器です。形のある器を通じて、人や街のストーリーが伝わり、さらに次の出会いや協力を生んでいく循環が生まれています。
日本の陶磁器の街への示唆
日本にも、多くの陶磁器の産地が地域のアイデンティティを形づくってきました。景徳鎮での国際的な対話は、そうした日本の地域にとっても示唆を与えてくれます。
- 地域のものづくりを、世界とつながる共通言語として位置づけること
- 伝統の継承とともに、若い作り手の自由な発想を受け止める場を用意すること
- 同じ強みを持つ海外の都市と対話し、課題やアイデアを共有すること
陶磁器という具体的なモノを通じた交流は、デジタルなつながりとは違う手触りのあるコミュニケーションを生み出します。それは、グローバルな時代における新しい都市間ネットワークのかたちともいえます。
千年の物語はこれからも続く
景徳鎮は、自らを「千年の物語を紡いできた陶都」として位置づけています。そして、その物語は過去のページを読み返すだけではなく、一つひとつの作品を通じてこれからも書き足されていきます。
世界の陶磁器都市の市長たちが交わした対話は、その物語を次の千年へとつなぐための新しい章の一つだといえるかもしれません。土と炎から生まれる器が、これからどのような都市の未来を映し出していくのか。景徳鎮をめぐる国際ニュースは、私たちにそんな問いを静かに投げかけています。
Reference(s):
cgtn.com








