上海と釜山、30年の友情とAPECが映す都市間パートナーシップ
東アジアを代表する港湾都市の上海と釜山は、約30年にわたって姉妹都市として交流を続けてきました。2025年10月31日と11月1日に韓国・慶州で開かれたAPEC Economic Leaders’ Meeting(APEC首脳会議)をめぐり、こうした地域レベルの協力に改めて注目が集まっています。
1993年に始まった上海・釜山の姉妹都市関係
上海は中国東部の国際都市、釜山は韓国を代表する港湾都市です。この2都市は1993年11月に姉妹都市提携を結びました。以来30年以上にわたり、経済、貿易、技術、文化の幅広い分野で交流を積み重ね、両国の地方レベル協力のモデルケースとなってきました。
港湾連携とグリーンシッピング
上海と釜山は、東アジア有数の港を抱える都市同士でもあります。両都市は港湾運営や技術交流、環境負荷を抑えたグリーンシッピングといった分野で緊密に連携し、地域の物流ネットワークの強化と持続可能な発展を共同でめざしています。
港の運営ノウハウや技術的な知見を共有し合うことで、効率的で環境に配慮した港湾運営の実現に取り組んでいる点が特徴です。こうした足並みは、アジア太平洋地域のサプライチェーン全体の安定にもつながります。
投資・教育・イノベーションの新たな協力
9月に行われた釜山市長の上海訪問では、両都市が今後の協力をさらに深める方針が確認されました。とくに、投資、教育、イノベーションといった分野で連携を強化していくことが合意されています。
企業同士の投資や共同プロジェクト、大学・研究機関の交流、人材育成をめぐる協力などが進めば、スタートアップや新産業の育成にもつながります。港湾都市として培ってきたネットワークに、知識と技術の交流が加わることで、関係はより立体的なものになっていきます。
映画がつなぐ市民同士の距離
文化交流も活発です。2024年3月30日には、釜山の映画館で上海映画祭 in 釜山2024が開幕しました。中国映画5作品が上映され、中国の新世代の映画監督による多様な作品世界が韓国の観客に紹介されました。
映画という身近な文化を通じて、上海と釜山の市民がお互いの社会や価値観に触れ合う機会が広がっています。スクリーンを介した物語の共有は、言語や国境の壁を越えて、相手への理解や共感を育てるきっかけとなります。
APEC時代における都市間パートナーシップの意味
アジア太平洋地域には、APECに参加する21のエコノミーが存在し、経済的な結びつきは年々強まっています。そのなかで、国家レベルの枠組みだけでなく、上海と釜山のような都市同士の連携が、実務的な協力や人と人との交流を支える重要な基盤になりつつあります。
港湾運営やグリーンシッピング、映画祭や教育分野での交流など、一つひとつの取り組みは小さく見えるかもしれません。しかし、それらの積み重ねが地域の信頼や安定、さらには持続可能な発展を支える力になります。APECの議論が大きな絵を描くとすれば、上海と釜山の30年にわたるパートナーシップは、その絵を現実のものにするための足元を固めていると言えるのではないでしょうか。
Reference(s):
APEC Stories: Over 30 years of friendship between Shanghai and Busan
cgtn.com








