中国の第15次五カ年計画提言を採択 2035年へ向けた新たな青写真 video poster
中国共産党中央委員会は金曜日、第20回党大会の方針を受けた第20期中国共産党中央委員会第4回全体会議の結果について記者会見を開き、中国の次の発展段階を方向づける重要文書が採択されたと説明しました。国際ニュースとしても注目されるのが、第15次五カ年計画の策定に向けた「提言」が正式に承認された点です。
第15次五カ年計画の提言が示すもの
中国共産党中央政策研究室の江金權主任は、今回の全体会議の最も重要な成果は「中国共産党中央による国民経済・社会発展第15次五カ年計画の策定に関する提言」の審議・採択だと強調しました。第20回党大会では、2035年までに社会主義現代化を基本的に実現するという長期目標が示されており、これから始まる第15次五カ年計画期間は、その基盤を固め、全面的な前進を図るための要となる時期と位置づけられています。
江氏によれば、この提言をまとめることには、次のような狙いがあります。
- 第20回党大会で描かれた長期的な発展戦略を、段階的かつ体系的に具体化すること
- 国際環境の変化に対応し、競争が激しさを増す中でも戦略的な主導権を維持すること
- 中国の発展段階の変化に応え、高品質な成長をさらに推進すること
15章61条、三つの柱で構成
提言は全体で15章61条から成り、三つの大きな部分に分かれています。
- 第一の部分は、第14次五カ年計画期間における中国の成果を総括するとともに、今後数年間の発展の意義と全体目標を示す内容です。
- 第二の部分は、経済、社会、科学技術など主要分野にわたる戦略的任務と重要な政策措置を列挙しています。
- 第三の部分は、中国共産党中央の集中・統一指導を堅持・強化するとともに、社会主義民主政治と法治の一層の発展に焦点を当てています。
江氏は、全体会議ではこの文書について幅広い討議が行われ、高い評価が寄せられたと説明しました。出席者の多くは、この提言が党の歴史の中で新たな重要な綱領文書であり、目標が明確で、方向性が具体的で、施策も実務的だと捉えているといいます。その上で、この提言は中国式現代化を推し進めるための「動員令」として、党と国家の将来の発展に深く長期的な影響を与えると位置づけられました。
重点は高品質な発展と技術自立
中国共産党中央財経委員会弁公室の韓文秀常務副主任は、提言の中で第15次五カ年計画期間に向けた主要目標が明確に示されていると説明しました。その重点として挙げられたのは次のような項目です。
- 高品質な発展の面で顕著な成果を上げること
- 科学技術の自立と実力を大きく高めること
- 改革のさらなる全面深化で新たな突破を実現すること
- 社会全体で文化的・倫理的な進歩を一段と進めること
- 人々の生活の質をさらに向上させること
- 生態環境の改善を目指す「美しい中国」建設で新たな前進を遂げること
- 国家安全の防護体制を一層強化すること
韓氏は、これらの優先課題は、社会主義現代化という大きな構想を具体的な行動に落とし込み、2035年に向けた目標に向かって着実に歩みを進めるという中国の決意を示すものだと述べました。
日本から見える論点はどこか
今回の提言は、中国の中長期的な経済・社会政策の方向性を示すものであり、日本や周辺の国々にとっても、中国経済の構造変化や国際関係を考えるうえで重要な手がかりとなります。特に、高品質な発展や科学技術の自立強化は、サプライチェーンや技術協力の在り方にどのような影響を及ぼすのかという点で、今後注目されそうです。
また、「美しい中国」建設や生活の質の向上がどの程度具体的な政策として打ち出されるかは、環境や消費市場の行方を占う指標にもなります。一方、国家安全の強化に重点が置かれることで、経済安全保障やデジタル分野のルールづくりなどにどのような変化が生じるのかも、冷静に見ていく必要があります。
第15次五カ年計画の最終的な内容は今後策定されますが、その前段階となる今回の提言は、中国が2035年に向けてどのような「中国像」を描こうとしているのかを読み解くための重要な材料と言えます。国際ニュースをフォローする読者にとっても、アジアと世界の動きを考えるうえで、今後の議論のベースとなる文書として押さえておきたいところです。
Reference(s):
Officials hail adoption of 15th Five-Year Plan recommendations
cgtn.com








