APECと青島・大邱 黄海をつなぐ30年の姉妹都市物語
黄海をはさんで向かい合う中国の青島と韓国の大邱。2025年のAPEC経済首脳会議の開催年に、両市の三十年以上にわたる姉妹都市の物語があらためて注目されています。
APECと「APEC Stories」で映し出される地方都市
2025年10月31日と11月1日には、韓国の慶州でAPEC経済首脳会議が開催されました。国際メディアのCGTNは、二十一のAPECエコノミーの協力や文化を映像で紹介するシリーズ「APEC Stories」を展開し、その一編として青島と大邱の友好関係を取り上げています。
国家間の会議に目が向きがちですが、実際に人や企業が行き来するのは都市同士のつながりです。青島と大邱の関係は、アジア太平洋地域の協力を足元から支える一つのモデルと言えます。
海の青島、山に囲まれた大邱
青島は、中国東部の山東省に位置する沿海都市です。赤い屋根、緑の木々、青い海、澄んだ空というコントラストが印象的で、海洋都市としての魅力と現代的な活力が同居しています。
一方の大邱は、韓国南東部に位置する内陸の中核都市です。医療や繊維といった先端産業で知られ、周囲を山々に囲まれた環境の中で、文化とテクノロジーの拠点として発展してきました。
1993年に始まった姉妹都市関係
青島と大邱が公式に姉妹都市となったのは1993年です。それ以来、両市は経済、貿易、文化交流といった分野で協力を深めてきました。
三十年以上にわたる歩みの中で、関係は単なる友好訪問から、より深い統合へと進みました。現在では、中国と韓国の間で進む地方レベルの協力の中でも、代表的な成功例の一つと位置付けられています。
2025年5月、韓国で開かれた推進会議と写真展
こうした流れをさらに進めるため、2025年5月には韓国で青島と大邱の姉妹都市関係をテーマにした推進会議が開かれました。この会議では、両市の間で実務的な協力をどのように前進させるかが話し合われ、経済や文化など具体的な連携の可能性が検討されました。
会議のハイライトとなったのが、両市のパートナーシップを記念する写真展です。展示には、都市開発や文化交流の場面を切り取った三十点余りの写真が並びました。会場を訪れた人々は、青島と大邱の街並みや、人々が交流する様子を視覚的に追体験しながら、互いの理解を深めていきました。
写真展はまた、二つの都市が持つ開放的で活気ある精神を象徴する場にもなりました。海と山という異なる環境にありながら、共に国際都市として成長してきた姿が、多くの来場者に強い印象を残したといえます。
地方都市の連携が示すアジア太平洋の可能性
青島と大邱の物語は、アジア太平洋の協力を考える上で、次の三つのポイントを示しているように見えます。
- 国家間の議論だけでなく、都市同士の連携が地域の安定と繁栄を支えていること
- 経済や貿易にとどまらず、文化交流が相互理解を深める重要な基盤になっていること
- 長期的な関係づくりには、会議や行事などを通じて顔の見える交流を積み重ねることが欠かせないこと
黄海を越えて続いてきた青島と大邱の姉妹都市関係は、APECが掲げる協力の精神を地図の一部分で具体化したものとも言えます。今後、二つの都市がどのように連携を発展させていくのか。アジア太平洋の動きをフォローするうえで、引き続き注目していきたい関係です。
Reference(s):
APEC Stories: Qingdao–Daegu friendship across the Yellow Sea
cgtn.com








