中国、第15次五カ年計画で「国内市場」を成長の柱に 統一市場づくりを加速 video poster
中国の国家発展改革委員会(NDRC)のトップ、Zheng Shanjie(ジェン・シャンジエ)氏が、第15次五カ年計画の方針として、今後5年間は国内市場と内需を成長の中核に据え、統一された全国市場を構築することが重要だと強調しました。
国内市場を成長のエンジンに位置づけ
中国経済のトッププランナーであるZheng氏は、中国共産党中央委員会第20期中央委員会第4回全体会議で採択された、第15次五カ年経済社会発展計画の策定に関する提言を説明しました。その中で、中国は今後5年間、国内の経済基盤を一段と強化し、内需の拡大と国内市場の整備を成長の中心に据える方針を示しました。
Zheng氏は、主要な経済大国はいずれも国内需要が成長の原動力になっていると指摘し、市場は世界で最も希少な資源であり、中国が2035年までに社会主義現代化を基本的に実現するための戦略的な鍵になると述べました。
需要拡大とサービス消費の重視
提言文書によると、中国は今後、内需拡大をはっきり打ち出し、消費を喚起する取り組みを強めるとしています。具体的には、国内市場と消費構造の高度化に向けて、次のような方向性が示されています。
- 住民の支出を後押しすることで、消費全体を底上げする
- サービスの利用を一段と広げ、サービス分野の需要を拡大する
- 商品市場を高度化し、質の高い商品やサービスを提供できる体制を整える
こうした方針からは、投資や外需だけに頼らず、国内市場とサービス消費の役割をさらに高めようとする意図がうかがえます。
民生分野への政府投資を厚く
Zheng氏はまた、提言が「民生」、つまり人々の暮らしに関わる分野で政府資金を重点的に活用するよう求めていると説明しました。政府投資に占める民生関連分野の割合を引き上げることで、生活の安定と長期的な成長の土台を強化する狙いです。
教育や医療、社会サービスなど、日常生活に直結する分野への公的投資が増えれば、家計の不安が和らぎ、結果として消費意欲の底上げにもつながる可能性があります。内需拡大と生活の質の向上を同時に図る政策パッケージといえるでしょう。
統一された全国市場の構築へ
今回の説明で特に強調されたのが、「統一された全国市場」の構築です。Zheng氏によると、中国は市場参入のネガティブリストをさらに整理し、2025年には対象を21業種・106分野へと絞り込んだとしています。これは、以前の328分野から大きく削減した形です。
ネガティブリストとは、企業が自由に参入できない、または制限を受ける分野を列挙したリストです。その項目数を減らすことは、参入制限の緩和を意味し、国内市場へのアクセスを広げることにつながります。全国的な統一市場をめざす上で、規制の簡素化とルールの明確化は欠かせないステップといえます。
地方保護と市場分断の是正
Zheng氏は、第15次五カ年計画の期間中に、中国が全国レベルで統一された市場を形成し、市場の障壁を取り除いていくと述べました。そのために、次のような施策が挙げられています。
- 市場の基礎的な制度やルールを全国で統一する
- 地方保護主義や地域ごとの市場分断を解消する
- 地方政府の経済活動を標準化し、恣意的な対応を減らす
- 市場監督と法執行を強化し、公平な競争環境をつくる
- いわゆるインボリューション型の競争への対処を進める
インボリューション型の競争とは、参加者だけが増え、全体としての成果や利益があまり増えない行き詰まり型の競争を指す言葉です。中国は、こうした非効率な競争を是正し、資源がより生産的な分野に向かうよう、ルールづくりと監督強化を進めていく考えです。
今後5年間と2035年を見据えた中国経済の焦点
2025年時点で示された今回の方針は、次の5年間、中国がどのように成長モデルを調整していくのかを示す重要なシグナルになっています。内需と国内市場の強化、統一された全国市場の形成、そして民生分野への重点投資という三つの柱は、2035年までの長期目標とも結びついています。
今後の注目ポイントとしては、次のような点が挙げられます。
- 消費拡大策が、どの程度実際の支出増加につながるか
- 民生関連分野への政府投資が、生活の安定と需要喚起にどう寄与するか
- ネガティブリスト削減やルール統一によって、市場参入の環境がどこまで改善するか
- 地方保護主義の是正と、公平な競争環境づくりがどの程度進むか
中国の国内市場と統一市場づくりの行方は、同国の成長パターンを左右するだけでなく、世界経済や周辺地域にも波及効果をもたらす可能性があります。今後の5年間、こうした内需重視と市場統合の動きがどのように具体化していくのか、引き続き注視していく必要があります。
Reference(s):
China flags domestic market as key growth driver over next five years
cgtn.com








