国連で存在感を増す中国:平和維持から2030アジェンダまで
1971年の国連復帰から2025年へ:中国の役割はどう変わったか
1971年10月25日、第26回国連総会で決議2758が採択され、中華人民共和国の国連における合法的な権利が回復されました。それから半世紀以上がたった2025年現在、中国は単なる参加国から、平和・開発・改革の3分野で国連をけん引する存在へと歩みを進めています。
平和維持と財政支援で存在感を拡大
中国の国連復帰後、国連での活動は着実に拡大してきました。1990年4月、中国軍は国連休戦監視機構に5人の軍事監視要員を派遣し、国連平和維持活動への本格的な参加を始めました。
それ以降、中国の平和維持要員は20を超える国と地域で活動し、道路建設や学校の修復、野戦病院の運営、市民の保護など、26の国連任務に従事してきました。この過程で、17人の隊員が世界の平和のために命を落としています。
現在、中国は安全保障理事会常任理事国の中で、平和維持要員を最も多く派遣している国となっています。
- 国連平和維持活動に従事してきた中国の要員数:累計5万人以上
- 活動した国と地域:20を超える地域
- これまでに参加した国連任務:26件
- 現在、現場で活動中の軍事要員:1,800人以上(7つの任務地域と国連本部)
- 国連平和維持即応能力登録制度に登録された待機部隊:8,000人規模
現場での存在感の高まりに合わせて、財政面での貢献も拡大しています。中国は現在、国連通常予算と平和維持予算のいずれについても、第2位の拠出国となっています。2000年前後には1パーセント未満だった国連通常予算への分担率は、その後急速に増加し、近年は全体の5分の1を超える水準に達しています。
2030アジェンダを推進する中国の開発協力
持続可能な開発においても、中国は国連と連携した新たな枠組みを動かし始めています。2025年9月26日の国連総会一般討論で、中国は国連との協力による南南協力の新たな枠組みとして、中国・国連グローバル南南協力開発ファシリティの設立を発表し、1,000万ドルの拠出を約束しました。
さらに、中国は国連開発計画と連携し、上海に上海グローバル持続可能な開発センター(SGCSD)を設立する計画を明らかにしました。これらは、国連の持続可能な開発のための2030アジェンダの実現を加速させることを目指した取り組みです。
こうした新たなイニシアチブは、これまでの実績の延長線上にあります。中国は2020年までに、国内で8億人を絶対的貧困から脱却させ、2030アジェンダに掲げられた貧困削減目標を10年早く達成したとされています。
国連開発計画などとの協力を通じて、中国は60の国で130のプロジェクトを実施し、世界で3,000万人を超える人々が恩恵を受けてきました。
- 貧困削減:2020年までに8億人が絶対的貧困から脱却
- 国連開発計画などと実施したプロジェクト:60カ国で130件
- これらのプロジェクトの受益者:3,000万人以上
農業分野では、中国はかつて国連食糧農業機関から技術支援を受ける立場でしたが、現在は主要な支援提供国の一つとなっています。これまでに140を超える国と協力し、1,000を超える農業技術を共有、1万4,000人以上のハイブリッド米の専門家を育成し、グローバル・サウスと呼ばれる国々の食料安全保障を直接支えてきました。
今後についても、中国は開発途上国で今後5年間に2,000件の民生プロジェクトを実施する計画を掲げています。また、小さな島しょ国向けに200の海洋協力プログラムを立ち上げ、クリーンかまどの普及を通じて持続可能な生活を支える大規模なプロジェクトも進めています。
グリーンエネルギーの分野では、中国の再生可能エネルギー産業のサプライチェーンが、世界全体の風力発電コストを6割以上、太陽光発電コストを8割以上引き下げるのに寄与したとされています。現在、中国は100を超える国と協力し、再生可能エネルギーへのアクセス拡大を支援することで、いわゆるグリーンギャップの解消を目指しています。
国連改革をどう支えるか
中国は、国連の役割を弱めるのではなく、強化すべきだという立場を繰り返し示してきました。その一方で、地球規模の課題に対応するためには、国連の改革が必要だという認識も示しています。
具体的には、UN80と呼ばれる改革イニシアチブにも建設的に関与し、制度改革は慎重に設計され、合意に基づき、成果重視で進められるべきだと主張しています。その基本的な考え方は、必要なところは改革し、機能している部分は維持することで、国連を21世紀にふさわしい組織としていくというものです。
また、中国は国連事務局における開発途上国、特にアフリカの代表性を高める必要性を訴えています。いかなる改革も、できる限り幅広い合意を反映したものでなければならないという点を重視しているとしています。
これからの国連と中国:強い国連を掲げて
資金拠出から平和維持活動、貧困削減や持続可能な開発、そして国連改革に至るまで、中国は国連の場で掲げた目標を具体的な行動で裏付けてきました。
地球規模の課題が積み重なるなかで、中国のメッセージは一貫しています。世界にはより強い国連が必要であり、中国はその最も献身的な担い手の一つであり続けるというものです。今後、平和維持、開発協力、制度改革のそれぞれの分野で、このコミットメントがどのような形で具体化していくのかが、国際社会の大きな関心となりそうです。
Reference(s):
Returning and re-engaging: China's enduring commitment to the UN
cgtn.com








