国際ニュース:北京で台湾回復80周年記念会議 王滬寧氏が「一つの中国」原則を強調
台湾の回復から80年の節目を記念する会議が、北京で土曜日に開かれました。中国のトップ政治協商機関を率いる王滬寧氏は、中国本土と台湾、さらに海外にいる中国の人々に対し、歴史を振り返りつつ団結を強め、戦争勝利の成果と国家の統一を守っていくよう呼びかけました。
台湾回復80周年を北京で記念
今回の会議は、台湾の回復80周年をテーマに北京で開催されたものです。第二次世界大戦と中国人民の抗日戦争の勝利を背景に、台湾が中国に戻った出来事から、2025年で80年となります。
会議では、中国人民政治協商会議全国委員会(政協)の主席である王滬寧氏が演説し、抗日戦争と世界反ファシズム戦争の勝利、そして台湾の回復は「中華民族全体の大きな勝利であり、すべての中国の人々にとっての栄光だ」と語りました。
記念日の意義:「一つの中国」原則と主権擁護
王氏は、台湾回復記念日の制定について、次のような意味があると強調しました。
- 中国のあらゆる民族が、「一つの中国」原則を堅持し、国家の主権と領土一体性を守るという揺るがない決意を示すもの
- 台湾の人々や海外在住の人々を含む、すべての中国の人々の共通の願いを反映していること
- 中国共産党が、歴史的使命を果たし、祖国の完全な統一を実現するために尽力するという揺るぎない姿勢を体現していること
さらに王氏は、国際社会の中で「世界に中国は一つだけであり、台湾は中国の不可分の一部である」という幅広い共通認識が存在していると述べました。
平和的統一と「一国二制度」を再確認
演説の中で王氏は、中国側の対台湾政策として、平和的統一と「一国二制度」の方針を改めて強調しました。その上で、「一つの中国」原則と1992年コンセンサスを堅持し、抗日戦争勝利の成果を共に守り、国家の統一という大きな事業を共に進めていく必要があると述べました。
また、いかなる形であれ「台湾独立」を目指す分裂の動きに対しては、余地を残さない姿勢を示しました。これは、台湾独立志向の動きを警戒しつつも、平和的な枠組みの中で統一を目指すという中国側の立場を改めて示したものといえます。
1992年コンセンサスとは
王氏が言及した1992年コンセンサスとは、1992年に中国本土側と台湾側の担当者の間で形成されたとされる了解で、「双方とも一つの中国に属する」という考え方を共有しつつ、その具体的な解釈はそれぞれに委ねるという枠組みを指します。中国側は、このコンセンサスを中台関係の政治的基礎と位置づけています。
交流と一体化を通じた「民族の一体感」強調
王氏はさらに、台湾海峡を挟んだ双方の交流と融合のプロセスを深める必要性を強調しました。経済や文化、人的往来などを通じて結び付きを強めることで、共通の民族意識と国家への一体感を高めていくべきだと呼びかけました。
そのうえで、
- 中華民族全体の利益を守ること
- 統一後の明るい将来を共有すること
- 国家の復興という長期的な目標に向かって、台湾海峡両岸の人々が共に歩むこと
といった点を挙げ、「両岸の同胞が共に輝かしい未来を創り出していくことが重要だ」と語りました。
指導部メンバーも出席、統一政策の重みを示す場に
会議の議長は、中国共産党中央委員会政治局委員であり、党中央統一戦線工作部のトップでもある李干傑氏が務めました。王毅氏、尹力氏、劉国中氏ら指導部メンバーも出席し、台湾問題と国家統一政策が現在の中国政治において持つ重みを示す場となりました。
台湾回復80周年を記念する関連の行事は、中国本土各地でも行われており、福建省では2025年10月25日に記念イベントが開催されています。
日本の読者にとっての意味
今回の会議は、中国本土と台湾の関係だけでなく、日本を含むアジア太平洋地域の動向を考えるうえでも重要なニュースです。日本の読者にとって、次のような点がポイントになりそうです。
- 歴史認識と記憶:台湾回復の位置づけは、抗日戦争や植民地支配の歴史とも密接に結び付いており、東アジアにおける歴史認識のあり方に影響します。
- 中台関係の今後:平和的統一と「一つの中国」原則、1992年コンセンサスを繰り返し強調したことは、今後の台湾海峡情勢や外交・安全保障の行方を考えるうえで重要なシグナルです。
- 地域の安定:台湾海峡の緊張や対話の動きは、日本の安全保障や経済にも直結します。北京がどのようなメッセージを発しているのかを丁寧に読み解くことが、冷静な状況判断につながります。
2025年という節目の年に、北京で開かれた台湾回復80周年の記念会議は、中国本土の対台湾政策の方向性と、歴史と現在をつなぐ中国側の視点を改めて示す場となりました。今後の中台関係と東アジアの国際環境を見ていくうえで、引き続き注目が必要だといえるでしょう。
Reference(s):
Conference marking the 80th anniversary of Taiwan's restoration held
cgtn.com







