米中が貿易懸案で基本合意 マレーシア協議の中身を整理
マレーシア・クアラルンプールで行われた2日間の協議で、中国と米国の代表団が互いの貿易上の懸念に対応するための「基本的なコンセンサス(基本合意)」に達しました。世界経済への影響が大きい米中経済関係にとって、今回の合意はどのような意味を持つのでしょうか。
マレーシアで2日間の米中貿易協議
今回の協議は、クアラルンプールで2日間にわたり行われ、中国側はヘ・リーフェン副首相、米国側はスコット・ベッセント財務長官とジェイミソン・グリアー通商代表が出席しました。
両国の代表団は、互いの貿易上の懸念に対処するための取り決めについて、基本的なコンセンサスに到達しました。今後は、具体的な詳細を詰めたうえで、それぞれの国内手続きにかけていく方針です。
ヘ・リーフェン副首相は、米中の経済・貿易関係は本質的に「互恵的でウィンウィンであり、協力すれば両国とも利益を得るが、対立すれば双方が損をする」と強調しました。そのうえで、安定した米中貿易関係の維持は両国と両国民の共通利益にかなうだけでなく、国際社会の期待にも合致すると述べました。
協議で話し合われた主なテーマ
今回の米中貿易協議では、双方にとって重要な経済・貿易課題について率直で建設的な意見交換が行われました。議題は幅広く、次のようなテーマが含まれています。
- 米国の「通商法301条」に基づく、中国の海運・物流・造船分野への措置
- 双方が課している関税の相互停止措置の延長
- フェンタニル関連の関税および法執行協力
- 農産物貿易
- 輸出管理(輸出規制)
これらのテーマからは、関税や輸出管理といった典型的な貿易問題だけでなく、フェンタニル関連対策や法執行協力など、安全保障や社会問題にも関わる分野まで議論が広がっていることが分かります。
中国側が掲げる原則:「相互尊重」「平和共存」「ウィンウィン」
ヘ・リーフェン副首相は、米中間に存在する経済・貿易上の相違や摩擦について、次のような原則に基づき対応すべきだと述べました。
- 相互尊重
- 平和共存
- ウィンウィン(互恵)協力
- 対等な立場での対話と協議
こうした原則のもとで、両国が互いの懸念に適切に対処する道を探るべきだとしています。また、これまでの米中経済・貿易協議で積み上げてきた成果は「得がたいものであり、双方の共同努力によって守る必要がある」と指摘しました。
さらにヘ副首相は、米国側に対し、今年(2025年)に入ってから行われた両国首脳の電話会談での重要なコンセンサスや、今年の二国間貿易協議の成果を着実に実行に移し、相互信頼を高め、相違を管理し、互恵的な協力を拡大するよう呼びかけました。
米国側も「世界で最も影響力の大きい経済関係」と位置づけ
米国側は、米中の経済・貿易関係を「世界で最も影響力の大きい二国間関係」と評価し、中国と共に、平等と尊重の精神に基づいて相違を適切に処理し、協力を深め、共通の発展を促進していく意向を示しました。
こうした発言からは、相違や摩擦が存在する一方で、両国とも関係の全面的な悪化は避けたいという認識を共有していることがうかがえます。
今後の焦点:詳細詰めと「持続可能な発展」
両国は、今回得られた基本合意に基づき、具体的な取り決めの詳細を今後詰めていくことで一致しました。そのうえで、それぞれの国内で必要な承認プロセスを踏むことになります。
また、両国は、両首脳の戦略的な指導のもとで、米中経済・貿易協議メカニズムを十分に活用し、経済・貿易分野における各自の関心事項について緊密なコミュニケーションを維持していくことでも合意しました。
目標として掲げられているのは、米中経済・貿易関係の「健全で、安定的で、持続可能な発展」です。両国は、その成果を両国民に還元するとともに、世界の繁栄にも貢献していくとしています。
なぜこのニュースが重要なのか
米中双方が今回あらためて、対立ではなく対話と協力の枠組みを確認したことは、国際社会にとっても意味があります。両国の貿易関係の安定は、多くの国や地域にとっても予見可能性の向上につながるからです。
今後、実際の関税や輸出管理、法執行協力などがどのようなかたちで具体化していくのか。2025年の米中経済・貿易関係を占ううえで、引き続き注視すべき局面が続きます。
Reference(s):
China and U.S. reach basic consensuses to address trade concerns
cgtn.com








