ASEANプラス3首脳会議:中国の李強首相、東アジアの開放協力と戦略連携を呼びかけ
マレーシアで開かれた第28回ASEANプラス3首脳会議で、中国の李強首相が各国との開発戦略の連携強化と、開放的な経済協力の継続を呼びかけました。東アジア経済が不透明感に直面するなか、地域としてどのように成長の道を探るのかを示した発言です。
東ティモールの加盟を歓迎、「東アジアの奇跡」は続くと強調
李強首相は会議の冒頭、東ティモールがASEANファミリーに正式に加わったことを祝福しました。そのうえで、過去1年ほどの間に、ASEANと中国、日本、韓国の協力はおおむね前向きな勢いを維持しており、東アジア経済の強さと活力を示していると評価しました。
同時に、国際的な経済・貿易環境が複雑に変化するなかで、東アジアは経済面の困難や課題に直面し、不安定さと不確実性が高まっていると指摘しました。
李強首相は、長年にわたり東アジアが世界でも最も成長の速い地域の一つとして、いくつもの経済的な奇跡を生み出してきたことに触れ、「東アジアの奇跡」は過去の物語ではなく、今も進行中だと強調しました。その経験から得られた重要な教訓として、開放と協力の姿勢を挙げ、これを今後も大切にし、東アジア経済の強みとして守り続けるべきだと述べました。
平和と安定、自由貿易の維持を地域の共通目標に
李強首相は、東アジアで築いてきた平和と安定は容易に得られたものではなく、「守り抜く必要がある」として、地域の発展を後押しする環境づくりを呼びかけました。
具体的には、各国・地域が次の点で協力するよう訴えました。
- 違いがあっても、対話と協議を通じて問題を解決し続けること
- 自由貿易と多国間の貿易体制を支持すること
- あらゆる形の保護主義に反対すること
- 地域経済統合を着実に前に進めること
こうした姿勢を共有することで、東アジアが引き続き成長と安定の拠点であり続けることができる、というメッセージだといえます。
産業・サプライチェーンと金融協力の強化を提案
李強首相は、産業とサプライチェーンをめぐる協力を一段と強化する必要性も強調しました。各国がそれぞれの強みを生かしながら、連結性と協力を高め、生産や分業、協調を深めることで、人や資本などの「要素」の流れをより効率的にできると指摘しました。
また、中国は会議で発出された地域の経済・金融協力強化に関する声明を各国とともに実行に移し、金融、貿易、食料安全保障といった分野で、実務的な協力を進めていく考えを示しました。こうした取り組みを通じて、協力の「ハイライト」と新たな成長ポイントを生み出したいとしています。
イノベーションとデジタル経済で新たな成長エンジンを
東アジア経済の将来に向けて、李強首相は新しい成長エンジンを育てる重要性も強調しました。科学技術のイノベーションへの支援を拡大し、共同研究を進めることで、まったく新しい技術やサービスを生み出す「ゼロから一」への力と、それを広く普及させる「一から多数」への展開力を高めるべきだと呼びかけました。
さらに、中国は各国とデジタル経済、電気自動車、クリーンエネルギーなどの分野で協力を深め、共に成長の機会をつかみたいとの姿勢を示しました。東アジア全体として、新産業やグリーン分野での協力を強めることで、次の時代の成長を支える基盤づくりを目指す狙いがうかがえます。
今回の発言から見える東アジア経済の課題と方向性
今回の発言を整理すると、東アジア経済に向けて李強首相が示したメッセージは次のようにまとめられます。
- 開発戦略の連携を強め、地域全体として成長の余地を広げる
- 平和と安定、自由貿易、多国間主義を大切にし、保護主義に対抗する
- 産業・サプライチェーンと金融協力を通じて、実務的な連携を深める
- デジタル経済やクリーンエネルギーなど新分野のイノベーションを成長の原動力にする
不確実性が増す中で、東アジアがどのように協力を進めていくのかは、日本を含む地域の人々にとっても大きな関心事です。今回の国際ニュースは、東アジア経済のこれからを考えるうえで、開放協力とイノベーションという二つのキーワードが改めて浮かび上がったと言えるでしょう。
Reference(s):
Chinese premier calls for stronger alignment of development strategies
cgtn.com








