中国とEUが関係強化へ 李強首相「正しい軌道」を強調
マレーシアのクアラルンプールで開かれている東アジア協力に関する首脳会議に合わせ、中国の李強(り・きょう)首相と欧州理事会議長のアントニオ・コスタ氏が会談しました。李首相は、中国と欧州連合(EU)の関係には発展の「機会と課題」が並存していると述べ、双方が関係を「正しい軌道」に保つべきだと強調しました。
政治的信頼を土台に「共有の合意」を実行
李首相は会談で、現在の中国・EU関係について「発展にとって機会と課題の両方が存在する」と指摘したうえで、次の点を呼びかけました。
- 関係構築の「正しい軌道」を維持すること
- 政治的な相互信頼の土台を強化すること
- これまでに両者が確認してきた合意を着実に実行すること
中国側は、政治面での信頼が経済・通商や技術協力の前提になるとの考えを示し、既存の合意を丁寧に積み上げていく姿勢をアピールした形です。
貿易と投資:グリーン・デジタル分野で「ウィンウィン」を
李首相は、中国がEUと協力の範囲を広げ、「バランスが取れた最適な」中国・EU貿易の発展を促したいと表明しました。そのうえで、双方が市場の相互開放を進め、新たな成長分野を育てることを提案しました。
具体的には、次のような分野での協力拡大が挙げられました。
- 温室効果ガス削減などに関わるグリーン分野
- デジタル経済やデジタルインフラの分野
- 科学技術イノベーション
- 産業・サプライチェーン(供給網)
これらの協力を通じて、「高いレベルの相互利益」と「ウィンウィンの成果」を実現したいとしています。世界経済の不透明感が続くなか、中国とEUが新たな成長エンジンをどこまで共に作れるかが注目されます。
対話で通商課題を解決、公平なビジネス環境を要請
経済・通商面での懸案について、李首相は「平等と相互尊重」に基づき、対話と協議を通じて解決策を探っていく用意があると述べました。また、双方がお互いの立場を理解し合い、一定の「包容」を示すことの重要性も強調しました。
同時に李首相は、EU側に対し、欧州に進出する中国企業にとって「公正で公平、差別のないビジネス環境」を整えるよう求めました。さらに、EUの各機関が中国・EU関係の発展を積極的に後押しすることへの期待も示しました。
コスタ議長:高水準の交流維持と多国間主義を確認
これに対し、コスタ欧州理事会議長は、EUとして中国とのハイレベルな往来を維持し、さまざまな分野とレベルでの対話とコミュニケーションを強化していく方針を表明しました。
中国との関係について、EU側は次の点を挙げました。
- 相互の信頼を高めること
- それぞれが抱える懸念事項に適切に向き合うこと
- 実務的な協力を進めること
さらにコスタ氏は、中国との意思疎通と協調を強め、「多国間主義」を堅持しながら、気候変動などの地球規模の課題に共に対応していく考えを示しました。中国とEUが足並みをそろえれば、世界の気候対策に大きな影響を与える可能性があります。
日本やアジアにとっての意味
中国とEUは、世界の経済と貿易を支える大きな柱です。両者の関係が安定し、協力が進めば、サプライチェーンの安定や新技術の普及を通じて、日本を含むアジア経済にも波及効果が及ぶ可能性があります。
今回の会談で確認された「正しい軌道」を維持するために、今後注目されるポイントとしては次のようなものがあります。
- 通商摩擦や規制をめぐる課題が、どこまで対話で解消されるか
- グリーン・デジタル分野で、どのような具体的プロジェクトが動き出すか
- 気候変動対策など多国間の課題で、中国とEUがどの程度協調できるか
中国とEUが互いの違いを認識しつつも、対話と協力を軸に関係を築こうとする姿勢が今回の会談からは読み取れます。世界の不確実性が高まるなかで、この二者関係がどのように進んでいくのか、今後も注視する必要がありそうです。
Reference(s):
China to work with EU to keep bilateral ties on right track: premier
cgtn.com








