中国・江蘇で世界一高いダムの揚水発電所が本格稼働 長江デルタの電力を安定化 video poster
中国・江蘇省句容市で、世界一の高さとなる揚水発電用ダム(182.3メートル)を備えた水力発電所が本格稼働しました。出力135万キロワットの新施設は、電力の貯蔵と送電網の安定化を通じて、長江デルタ地域での再生可能エネルギー利用拡大を後押しします。
世界一高い揚水発電ダム、その概要
今回運転を開始したのは、中国・江蘇省の句容市に建設された揚水式水力発電所です。揚水発電とは、電力需要が少ない時間帯の余剰電力を使って水を高い場所のダムにくみ上げ、需要が高まったときにその水を流して発電する仕組みです。
この発電所のダムの高さは182.3メートルで、揚水発電用としては世界一とされています。発電設備の最大出力は1.35ギガワット(135万キロワット)で、電力需要の少ない時間帯にエネルギーを蓄え、必要なときにまとめて供給する巨大な電力の蓄電池として機能します。
182.3メートルのダムが意味するもの
ダムの高さが増すほど、水が落ちる際のエネルギー(落差)が大きくなり、同じ水量でも多くの電力を生み出すことができます。182.3メートルという高さは、揚水発電設備としては世界トップクラスの落差を確保したことを意味し、限られた地形のなかで高い発電効率を追求した結果と言えます。
こうした大規模な揚水発電所の整備は、送電網全体の安定運用にとっても重要です。短時間で出力を上げ下げできるため、需要の急な変化や発電量の変動に対して、電力システムの緩衝材として働きます。
長江デルタの再エネ拡大を支える役割
今回の揚水発電所は、長江デルタ地域の送電網を安定させ、再生可能エネルギーの消費拡大を支える役割を担います。長江デルタは産業と人口が集中する中国の重要な経済圏であり、電力需要も大きく変動します。
太陽光や風力などの再生可能エネルギーは、天候や時間帯によって発電量が変動しやすいという特徴があります。揚水発電所がオフピーク(需要が低い時間帯)の電力を貯蔵することで、次のような効果が期待されます。
- 余剰電力を無駄にせず蓄える
- 需要が高い時間帯に素早く電力を供給し、停電リスクを抑える
- 再生可能エネルギーの出力変動を平準化し、導入拡大を後押しする
エネルギー転換時代のインフラとして
世界各地で脱炭素化とエネルギー転換が進むなか、再生可能エネルギーを安定的に使うための蓄える仕組みの重要性が高まっています。今回のような大規模な揚水発電所は、そのひとつの選択肢として位置づけられます。
大型のインフラ整備には時間もコストもかかりますが、長期的な視点で見れば、地域全体の電力の安定供給や再生可能エネルギーの普及を支える土台となります。長江デルタでの取り組みは、送電網の安定性と脱炭素を両立させるうえで、どのような投資や技術が求められるのかを考えるヒントを与えてくれます。
Reference(s):
World's tallest-dam pumped-storage hydropower plant fully operational
cgtn.com








