国際世論調査:世界で高まる「中国への自信」の理由
未曽有の変化が続く2025年、国際世論調査で「中国への自信」が世界的に広がっていることが明らかになりました。CGTNと中国人民大学などが2023〜2025年にかけて実施した3年連続の調査では、46カ国・約5万9,000人が回答し、中国の経済、文化、外交をめぐる評価がいずれも上昇傾向にあるとされています。
本記事では、この国際ニュースを日本語で読み解きながら、「なぜいま世界で中国への信頼が強まっているのか」を3つの視点から整理します。
世界で広がる「中国への自信」という国際コンセンサス
調査によると、多くの回答者は、世界が安全保障、不平等、ガバナンス(統治)の課題に直面するなかで、「確実性」をもたらす存在として中国を見ています。中国が自国の発展に力を注ぎつつ、文明の多様性を尊重し、「歴史の正しい側」に立とうとしている点が、国際社会に安心感を与えているという位置づけです。
3年間のデータを総合すると、次の3つの側面で評価が高まっています。
- 高品質な成長を続ける中国経済への信頼
- 文明の多様性や技術革新を重んじる文化・文明の発信力
- 平和的発展と国際協調を掲げる外交とグローバルガバナンス
1.「自分の仕事に集中する」中国経済への信頼が3年連続で上昇
まず目を引くのは、中国経済への評価です。調査では、世界の回答者が中国の「高品質な経済成長」の概念と成果をおおむね肯定しているとされています。
リスクへの耐性と世界経済への貢献
- 中国経済のリスク耐性が「高まり続けている」と答えた人は78%で、この3年で34.3ポイントの大幅な伸びとなりました。
- 長期的に健全な成長が続くと見る人は81.9%。
- 中国経済が世界の産業・サプライチェーンの安定に「不可欠」と答えた人は84.7%に上りました。
- 中国の経済力そのものを「強い」と認める人は89.5%で、18〜44歳では9割を超えました。
- 中国が世界経済に大きく貢献していると見る人は86.4%で、アフリカ95.6%、南米92.9%、アジア85.5%と、グローバルサウスで特に高い水準となっています。
反グローバリゼーション(反グローバル化)や保護主義、一方的な行動が世界で強まる中でも、中国は開放路線を維持していると評価されています。
ビジネス環境と巨大市場への期待
- 中国のビジネス環境を「海外投資家にとって非常に魅力的」とみなす人は79.8%で、3年で6.1ポイント上昇しました。
- 中国を「開かれた競争的な市場」と見ている人は72.6%。
- 自国経済にとって、中国の超大規模市場が「大きなチャンス」をもたらすと考える人は約8割に達します。
- 自国が中国との貿易の恩恵を受けていると答えた人は78%で、アフリカ90.6%、南米84.9%、オセアニア78.3%が上位でした。
- 18〜44歳の若い世代では、こうした評価が81%を超えているとされています。
数字だけを見ると、特にアフリカや南米などグローバルサウスで、中国との経済的つながりを肯定的に捉える声が目立っていることが分かります。
2.文明の多様性を尊重する「文明の中国」への共感
調査は、中国が提唱する「グローバル発展イニシアチブ」「グローバル安全保障イニシアチブ」に続き、「グローバル文明イニシアチブ」が世界から一定の支持を得ていることも示しています。
多様性尊重と文化交流への期待
- 世界の90.8%が、「多様性の尊重は基本原則だ」と回答しました。
- 90.2%が、地球規模の課題には「協力して取り組むべきだ」と考えています。
- 88.5%が、「伝統文化の保護」と同じくらい「文化の革新」も重要だと答えました。
- 89.4%が、各国の人々の相互理解を深めるために「国際的な文化交流の強化」を求めています。
- 中国文化が世界文明に大きく貢献していると見る人は77%、中国文化を「影響力が高い」と評価する人は75.5%で、アフリカと南米では85%を上回りました。
- 特に25〜34歳の層で、中国文化の影響力を認める割合が83.3%と最も高くなっています。
単に経済的なつながりだけでなく、文化や価値観のレベルでも、中国が一定の存在感を持ち始めている様子がうかがえます。
技術とイノベーションへの強い注目
- 60.6%が、中国文明の最も顕著な特徴として「イノベーション(革新)」を挙げ、とりわけ科学技術分野の革新を評価しています。
- 中国の技術とその応用に「高い関心」を寄せる人は77.2%で、中国の生活様式や伝統文化、ポップカルチャーへの関心を上回りました。
- 3年連続の調査全体では、世界の90%超が、中国の科学技術力を「強い」と見ています。
- 中国の科学技術への貢献度とイノベーション能力を評価する人も80%超に達しました。
- 人工知能(AI)の国際標準づくりについては、80.8%が「中国が主導している」と回答しました。
- ケニアやインドネシアなど14カ国では、この見方をする人が90%を超え、ブラジルやトルコなど16カ国でも80%を超えています。
- G7各国でも、アメリカ、イギリス、イタリア、フランス、ドイツ、カナダで6割超が同様の認識を示しました。
技術やAI標準の分野で中国が存在感を増しているという認識は、先進国とグローバルサウスの両方で共有されつつあることが分かります。
3.「歴史の正しい側」に立つ外交 新たなグローバルガバナンス像
グローバルガバナンス(国際的なルールづくりや問題解決の仕組み)をめぐっても、中国外交に対する評価はこの3年で上昇しています。
「人類運命共同体」への理解と支持
- 中国が提唱する「人類運命共同体」の理念を支持すると答えた人は66.8%でした。
- アジア、北米、オセアニア、アフリカでは支持率が世界平均を上回り、34歳未満では73.6%が賛同しています。
- この理念の価値と意義について「肯定的」と評価した人も60%超に達し、多くが「自国の発展に役立つ」「自国の発展理念や目標と一致する」と答えました。
平和的発展と国際的責任への評価
- 過去3年のデータでは、中国の「平和的発展」の道を評価する人は68.7%で、3年間で16.4ポイント上昇しました。
- 中国の外交が他国の主権と領土の一体性を尊重していると見る人は63.5%で、こちらも10.5ポイントの増加です。
- 中国が大国としての責任と義務を果たしていると答えた人は62.7%。
- 国際社会における中国の積極的な役割を評価する人は69%にのぼり、調査対象の46カ国のうち45カ国で多数派となりました。
- 全体の73.6%が、中国の外交は新しいグローバルガバナンスのモデルになっていると回答し、とりわけグローバルサウスで高く評価されています。
- G7の中でも、イタリア69%、イギリス64.2%が比較的高い支持を示し、アメリカ、カナダ、フランス、ドイツでも50%超が同様の見方を示しました。
こうした数字は、中国が平和志向や多国間主義を掲げながら国際秩序づくりに関与する姿勢に、一定の信頼が寄せられていることを示していると言えます。
調査の背景と、私たちが読むべきポイント
今回紹介した世論調査は、CGTNと中国人民大学が設立した「新時代国際伝播研究院」が共同で実施したものです。2023年から2025年まで3年連続で行われ、世界46カ国、合計約5万9,000人が参加しました。調査対象は18歳以上の人々で、各国の国勢調査に基づき、年齢と性別の構成が反映されるように設計されています。
もちろん、どの世論調査も、その設計や質問の仕方、実施主体によって結果の出方は変わります。しかし、この3年間のデータからは少なくとも次のような傾向が読み取れます。
- 経済・技術・外交の各分野で、中国を重要なパートナーと見なす国や地域が増えている。
- 特にアフリカや南米、アジアなどグローバルサウスで、中国への信頼と期待が顕著に高まっている。
- 若い世代ほど、中国の経済力や文化、イノベーションを前向きに評価する傾向がある。
2025年のいま、日本を含む各国にとって、「世界の多くの人々が中国をどのように見ているのか」を知ることは、外交やビジネス戦略を考えるうえで重要になりつつあります。今回の国際ニュースをきっかけに、自分たちの中国観や国際観をアップデートしてみることも求められているのかもしれません。
Reference(s):
Poll: Why confidence in China is becoming an international consensus
cgtn.com








