米中姉妹都市会議で語られたピックルボール交流 小さなボールが動かす地球 video poster
小さなボールが、大きな地球を少しだけ回しました――。2025年に開かれた第7回米中姉妹都市会議で、米メリーランド州モンゴメリー郡のトップ(カウンティー・エグゼクティブ)、マーク・エルリッチ氏が、今年4月に中国を訪れた米国の若者によるピックルボール交流チームの思い出を語りました。スポーツを通じた米中の文化交流が、なぜ今、改めて注目されているのかを考えます。
第7回米中姉妹都市会議で語られた「小さなボール」の物語
第7回米中姉妹都市会議は、米国と中国の都市・地域がパートナーとして交流し、教育、環境、文化などさまざまな分野で協力を探る場です。その会議の一場面で、モンゴメリー郡のマーク・エルリッチ氏は、米国の若者から成るピックルボール交流チームが今年4月に中国を訪れた経験を振り返りました。
エルリッチ氏は、若い世代がスポーツを通じて中国の人々と直接出会い、同じコートでプレーしながら交流したことが、単なる試合以上の意味を持つと強調しました。政治やニュースの見出しからではなく、「一緒に遊んだ相手」として相手の国を感じる体験が、若者の視野を大きく広げるという見方です。
こうしたスポーツ交流からは、次のような効果が期待できます。
- 勝ち負けよりも、相手の人柄や表情に目が向く
- 言葉が十分でなくても、プレーを通じて自然と笑顔が増える
- 帰国後も連絡を取り合う関係が生まれやすい
若者をつなぐスポーツ、ピックルボールとは
今回の交流のキーワードとなったピックルボールは、テニスや卓球、バドミントンの要素が混ざったようなスポーツです。小さめのコートで、穴の空いた軽いボールをプラスチック製のラケットで打ち合うのが特徴で、ルールも比較的シンプルです。
激しい体力を必要としない一方で、戦略性もあり、年齢や運動経験を問わず楽しめるため、米国ではここ数年で急速に人気が高まっています。初めて同士でもすぐに一緒にプレーできるため、国際交流の現場でも使いやすいスポーツと言えます。
国際ニュースを日本語で追いかけていると、どうしても安全保障や経済といった大きなテーマに目が行きがちです。しかし、こうした「小さなスポーツ」が、国と国の距離をゆるやかに縮めていく役割を果たすこともあります。
エルリッチ氏が語った文化交流の意味
エルリッチ氏は、ピックルボール交流チームの訪中体験をきっかけに、文化交流そのものの重要性についても自らの考えを共有しました。ポイントは、「政策」ではなく「人」のレベルで信頼を積み重ねることの価値です。
たとえば、
- ニュースだけでは伝わりにくい、日常生活や価値観の違いと共通点に気づける
- 相手の社会について、ステレオタイプではなく具体的な顔や名前と結びついたイメージを持てる
- 将来、ビジネスや研究の場で再会したときに、対話の土台となる
といった点が挙げられます。エルリッチ氏のメッセージは、米中関係という大きな枠組みの中で、市民同士の交流が静かに、しかし確実に影響力を持ちうるということでした。
デジタル世代にとっての「リアルな出会い」
スマートフォン一つで世界中の情報にアクセスできる2025年、特に20〜40代のデジタルネイティブ世代にとって、「外国」との接点はもはや珍しいものではありません。SNSや動画を通じて、中国の生活やカルチャーを日常的に目にしている人も多いでしょう。
ただ、画面越しの知識と、実際に現地を訪れ、人と顔を合わせて交流する経験との間には、やはり大きなギャップがあります。今回のピックルボール交流チームのような取り組みは、そのギャップを埋める一つの方法です。
もしあなたが、同じような交流プログラムに参加するとしたら、日本から何を持っていきたいでしょうか。
- 一緒にプレーできるスポーツやゲーム
- 日本の「ふつうの暮らし」を紹介できる写真や動画
- 相手の文化について、あらかじめ知っておきたい質問リスト
こうした想像をしてみるだけでも、国際ニュースの見え方が少し変わってくるはずです。
小さな交流が大きな地球を動かす
第7回米中姉妹都市会議で語られた、ピックルボール交流チームの物語は、「小さなボールが大きな地球を回す」という象徴的なエピソードとして記憶に残ります。国家間の関係が複雑に見えるときでも、地方と地方、市民と市民のレベルでは、新しいつながりを生み出す余地が常にあります。
2025年の今、国際ニュースをどう読むかは、一人ひとりのこれからの生き方やキャリアにも直結します。エルリッチ氏が示したような文化交流の視点を持つことは、情報にあふれた時代だからこそ、私たちの認知やものの見方を穏やかにアップデートしてくれるはずです。
小さなボール、小さな出会いの積み重ねが、やがて大きな変化につながるかもしれません。次に米中やアジアのニュースを見るとき、画面の向こう側にいる「誰か」の笑顔を思い浮かべてみるのも良さそうです。
Reference(s):
cgtn.com







