中国-ASEAN首脳会議:FTA3.0格上げで連携強化を呼びかけ
火曜日に開かれた第28回中国-ASEAN首脳会議で、中国の李強首相は中国-ASEAN自由貿易圏(FTA)3.0へのアップグレードを高く評価し、各国が自らを強くしながら、相互依存と協調行動を通じて正当な権利と利益を守り、外部からの揺さぶりを乗り越えるため、より緊密な連携を呼びかけました。
李首相は、双方が互いのニーズに丁寧に応えつつ協力を深めることで、より大きなシナジー(相乗効果)を生み、安定した経済成長を実現できると強調しました。
歴史80年を踏まえたメッセージ
李首相は、今年2025年が「世界反ファシズム戦争勝利80周年」に当たることに触れました。当時、中国と東南アジア各国は互いに支え合い、ともに戦い、最終的に独立と解放を勝ち取ったと振り返りました。
戦後の数十年、中国と東南アジア各国は共通の発展を追求し、互いに刺激を受けながら経済成長を加速させてきたとも述べました。金融危機や津波、新型コロナウイルス感染症といった大きな試練に対しても、相互扶助と連帯によって乗り越えてきたと強調しました。
その上で、今年4月に習近平国家主席が東南アジア訪問の際に述べた「団結は力を生み、協力は共通の成功をもたらす」との言葉を引用し、歴史を将来の協力の原動力にすべきだと訴えました。
3つの柱で描く中国-ASEAN協力
李首相は、中国がASEAN諸国との開発戦略の連携を一層強化し、中国-ASEAN包括的戦略的パートナーシップ(2026〜2030年)の行動計画を効果的に実行して、より緊密な「中国-ASEAN運命共同体」を築いていく必要があると述べ、そのための3つの方向性を提示しました。
- 戦略的信頼をより堅固にすること
- FTA3.0を軸に利益の統合を深めること
- 人と人との交流をいっそう強めること
1. 戦略的信頼をより強く
第一の柱は、相互の戦略的信頼をより強固にすることです。中国はASEAN諸国との戦略的コミュニケーションを一層強化し、意見の相違を適切に処理していくと表明しました。
また、カンボジアとタイの紛争について、ASEAN独自の合意形成手法とされる「ASEANウェイ」による平和的解決の取り組みを引き続き支持するとしました。
さらに、南シナ海に関する「行動規範(コード・オブ・コンダクト)」の協議を加速させ、早期の妥結を目指すよう呼びかけました。
2. FTA3.0と新分野での経済統合
第二の柱は、利益の統合を深めることです。李首相は、中国-ASEAN自由貿易圏(FTA)3.0アップグレード議定書の実施を好機として、貿易と投資の自由化・円滑化を一段と進め、産業分野での統合を強化すべきだとしました。
中国は、中国-ASEAN協力基金への拠出を増やす方針を示したほか、「中国-ASEANデジタルアカデミー」の設立や、人工知能(AI)の協力プラットフォーム、海洋開発と技術協力のためのセンターの設置に意欲を示しました。
さらに、交通インフラ、デジタル経済、グリーン経済、防災・減災、気候変動といった分野での協力を深めることで、双方の経済成長に安定したエンジンを与えたい考えです。
3. 人と人の交流を広げる
第三の柱は、人と人とのつながりを強めることです。中国は、中国-ASEAN人文交流年を成功裏に締めくくるとともに、2026年を中国-ASEAN包括的戦略的パートナーシップ5周年の記念テーマ年とする方針を示しました。
また、観光相・教育相による中国-ASEAN会合の枠組みづくりを提案し、ガバナンス(統治)や公共行政、シンクタンク(研究機関)のネットワークを十分に活用することで、相互理解と交流をさらに深めたい考えです。
地域秩序と経済を見据えた中国-ASEAN協力
李首相は、中国がASEAN諸国と「肩を並べて歩み」、外部からの干渉や国際情勢の変化の中でも、中国-ASEAN協力を通じて安定的で持続的な前進を図りたいと強調しました。
FTA3.0アップグレードや新たな協力枠組みづくりを通じて、中国とASEANがどこまで信頼と利益を共有できるかは、今後の地域秩序や経済の行方を考えるうえで重要なポイントになりそうです。
Reference(s):
cgtn.com








