APEC首脳会議前に釜山で習近平氏とトランプ氏が会談 米中関係の「方向性」指導を強調 video poster
韓国・釜山で今週、中国の習近平国家主席と米国のドナルド・トランプ大統領が会談し、両首脳が米中関係の方向性を共に導くべきだと強調しました。第32回APEC経済首脳会議を前に行われたこの会談は、今後の米中関係とアジア太平洋の情勢を占う重要な場となりました。
会談の舞台は釜山、第32回APEC経済首脳会議を前に
習氏は韓国入り後、釜山でトランプ氏と会談し、その後に韓国への国賓訪問と慶州での第32回APEC経済首脳会議に臨む予定です。会談は、アジア太平洋の経済協力が議論される国際会議を控えたタイミングで行われました。
習氏は会談の中で、トランプ氏の再選後、両首脳がすでに3回電話で意見交換し、複数回にわたって書簡も交わしながら緊密な意思疎通を維持してきたと振り返りました。その上で、両国関係について、両首脳の共同の指導の下で全体として安定を保っているとの見方を示しました。
クアラルンプールでの経済・貿易協議が土台に
今回の首脳会談の背景には、数日前にマレーシアのクアラルンプールで行われた、米中の経済・貿易チームによる協議があります。習氏によれば、この協議では双方がそれぞれの重大な関心事項について基本的な共識に達し、今回の首脳会談に向けた必要な条件が整ったといいます。
経済・貿易分野は、これまで米中間で摩擦が繰り返されてきた分野でもあります。実務レベルでの合意形成が進んだことは、首脳同士がより大きな方向性や原則について議論する余地を広げたとみられます。
違いを認めつつ、巨大な船を操舵する
習氏は、両国は世界の二大経済大国であり、国情の違いから常に見解が一致するとは限らないと指摘しました。時折摩擦が生じるのは自然なことであり、その前提に立って関係を管理していく必要があるというメッセージです。
さらに習氏は、米中両国を巨大な船にたとえ、風や波、さまざまな挑戦に直面しても、両首脳が舵を誤らず、複雑な海図を読み解きながら安定した航行を続けるべきだと強調しました。首脳レベルが関係の全体像と方向性を示すことで、現場レベルの協議や実務的な調整を後押しする狙いがうかがえます。
なぜ米中関係の方向性が問われているのか
米中関係は、経済、技術、安全保障など多くの分野で相互依存と競争が重なり合う複雑な局面にあります。二国間の緊張が高まれば、世界のサプライチェーンや金融市場、アジア太平洋の安全保障環境にも影響が及びます。
今回の会談で、両首脳が自らを米中関係の舵取り役として位置づけたことは、少なくとも対話を続け、関係の急激な悪化を避けようとする意思の表れと受け止められます。特に、事前の経済・貿易協議で基本的共識が得られたことは、実務的な協力余地が残されていることを示しています。
これから注目したいポイント
今後の米中関係を考えるうえで、読者が注目しておきたいポイントを整理します。
- クアラルンプールでの経済・貿易協議で得られた基本的共識が、いつ、どの分野から具体的な合意として形になるのか
- 慶州でのAPEC経済首脳会議の場で、米中両国が多国間協力や地域経済の課題についてどのようなメッセージを発するのか
- 習氏とトランプ氏の対話が今後も継続し、電話や書簡、対面会談など多層的なコミュニケーションが保たれるのか
米中という二つの巨大な船がどの方向に舵を切るのかは、日本を含むアジア太平洋の国々と地域にとっても大きな関心事です。今回の釜山での会談は、その航路を左右する一つの節目と言えます。読者のみなさんも、自国の経済や日々のビジネス、生活とのつながりを意識しながら、今後の動きを追っていく必要がありそうです。
Reference(s):
Xi Jinping says he and Trump should guide direction of bilateral ties
cgtn.com








