中国の2026年宇宙ミッション:新型宇宙船「Mengzhou-1」と長征10号Aがデビュー
中国の有人宇宙開発で次の大きな一歩となるのが、2026年に予定されている新型有人宇宙船「Mengzhou-1」と新ロケット「長征10号A」の初飛行です。あわせて、宇宙ステーション運用を支える4つの主要ミッションの概要が明らかになり、長期滞在実験や市民参加型のミッションエンブレム公募など、注目ポイントが多い発表となりました。
2026年に予定される4つの主要ミッション
中国有人宇宙局(CMSA)は土曜日、2026年に向けた有人宇宙計画として、次の4つの主要ミッションを発表しました。いずれも中国宇宙ステーションの安定運用と次世代技術の検証を目的としています。
- 新型有人宇宙船「Mengzhou-1」ミッション
- 有人宇宙船「Shenzhou-22」ミッション
- 有人宇宙船「Shenzhou-23」ミッション
- 補給船「Tianzhou-10」貨物ミッション
このうち「Mengzhou-1」は4つの中核ミッションのひとつと位置づけられ、新世代の地球―軌道間輸送システムを本格的に検証する初の飛行になります。
新型有人宇宙船「Mengzhou-1」と長征10号Aとは
「Mengzhou」シリーズは、これまで運用されてきた「Shenzhou」シリーズを全面的にアップグレードした新世代の有人宇宙船として設計されています。地球軌道まで宇宙飛行士を輸送することを主目的とし、再突入カプセルとサービスモジュールからなるモジュール構成を採用しているのが特徴です。
「Mengzhou-1」ミッションでは、中国宇宙ステーションのコアモジュールにある放射状ポート(ラジアルポート)にドッキングし、次のような目的を担います。
- Mengzhouシステム全体の運用状態を検証
- 宇宙環境評価のための機器の運搬
- 新技術の検証用機器の搭載
- 長期滞在に必要な物資の輸送
- さまざまな応用分野の研究装置の運搬
「Mengzhou-1」と「Tianzhou-10」は、いずれも中国南部・海南省にある文昌宇宙発射場から打ち上げられる予定です。新ロケット「長征10号A」もこのタイミングで初めて実戦投入され、新型宇宙船との組み合わせが今後の標準的な打ち上げ体系となる可能性があります。
Shenzhou-22/23:1年以上の長期滞在実験がカギ
「Shenzhou-22」と「Shenzhou-23」の2つの有人ミッションは、中国北西部の酒泉衛星発射センターから打ち上げられます。いずれのクルーも3人編成で、中国宇宙ステーションへの往復と長期滞在を担います。
ドッキングの方法もあらかじめ決められており、「Shenzhou-22」はコアモジュール側面の放射状ポート、「Shenzhou-23」は前方ポートに接続する計画です。注目される主な任務は次の通りです。
- 「Shenzhou-22」クルーの1人による1年以上の長期滞在試験
- 船外活動(宇宙遊泳)の実施
- エアロックを用いた貨物移送作業
- 継続中の宇宙科学・宇宙技術実験の実施
- 宇宙ステーションプラットフォームの運用・管理
- 宇宙飛行士の生活・健康を支える各種運用タスク
- 教育・広報活動などの対外交流
特に、1年以上にわたる長期滞在試験は、将来的なより長い宇宙ミッションや深宇宙探査を見据えた重要なステップといえます。人体や装備への影響を詳細に把握することで、次の段階の有人宇宙計画に活かされるとみられます。
補給船「Tianzhou-10」が支える宇宙ステーション運用
貨物補給船「Tianzhou-10」は、「Mengzhou-1」と同じく海南省の文昌宇宙発射場から打ち上げられる計画です。燃料や食料、実験装置など、宇宙ステーションの長期運用に不可欠な物資を届ける役割を担います。
有人フライトである「Shenzhou-22」「Shenzhou-23」、新型船「Mengzhou-1」と補給船「Tianzhou-10」が組み合わさることで、宇宙ステーションの運用は「長期滞在」と「次世代技術の検証」を両立するフェーズに入ることになります。
市民も参加:4ミッションのエンブレムデザインを公募
CMSAは今回、4つすべてのフライトに関するミッションエンブレム(徽章)のデザインを一般から公募することも発表しました。宇宙開発の象徴となるエンブレムを、プロ・アマ問わず広く募集する取り組みです。
中国では、2003年の「Shenzhou-5」有人飛行以来、すべての有人フライトに対してミッションエンブレムが制作されてきました。2023年からは毎年、その年に実施される有人宇宙飛行ミッションのエンブレムについて公募が行われており、宇宙開発に市民が参加する新しいスタイルが定着しつつあります。
2025年末から見える、中国宇宙開発の次の一歩
2025年末のいま、2026年に向けて発表されたこれらの計画からは、中国の宇宙開発が次の段階へ踏み出している姿が見えてきます。
- 新型有人宇宙船「Mengzhou-1」と新ロケット「長征10号A」による輸送システムの高度化
- 1年以上の宇宙滞在を視野に入れた実証実験
- 補給ミッションと組み合わせた宇宙ステーションの安定運用
- ミッションエンブレム公募を通じた市民参加型の宇宙開発
国際ニュースとして見ると、こうした取り組みは、宇宙をめぐる各国・各地域の技術開発や協力のあり方を考えるうえでも重要な材料になります。2026年に予定されている4つのミッションがどのような成果をもたらすのか、日本を含むアジアの読者にとっても注視しておきたいテーマといえるでしょう。
Reference(s):
China's 2026 space mission lineup: Mengzhou-1, Long March-10A to debut
cgtn.com








