台湾・国民党のトップ交代 Cheng Li-wun氏が新主席就任
台湾の最大野党・中国国民党(国民党)でトップが交代しました。新たに主席に就任した Cheng Li-wun(チェン・リーウン)氏は、与党・民主進歩党(DPP)当局への厳しい批判と、台湾海峡の平和維持への決意を同時に打ち出しました。
国民党の新主席にチェン・リーウン氏 台北で党大会
土曜日に台北で開かれた国民党の党大会で、Cheng Li-wun 氏が正式に党主席の職務を引き継ぎました。大会では、退任する Eric Chu 前主席からチェン氏への職務移譲のセレモニーも行われました。
この党大会には、Ma Ying-jeou 氏、Wu Po-hsiung 氏、Hung Hsiu-chu 氏など、かつて国民党を率いたリーダーたちも出席し、党の節目を見届けました。
DPP当局を名指し批判 「台湾にはもう時間がない」
就任演説でチェン氏は、民主進歩党(DPP)当局に対して厳しい言葉を投げかけました。具体的には次のような点を指摘しました。
- メディアを操作し、偽情報を広めて社会に分断と憎しみを生んでいること
- 司法を政治的な道具として用い、政敵の抑圧や政治的迫害を行っているとみられること
- こうした動きが台湾の民主主義そのものを危険にさらしていること
チェン氏は、DPP当局の統治の下で台湾社会が分断され、内部対立と停滞が続いていると述べ、「台湾にはもう時間がない。これ以上沈んではならないし、憎しみを広げてはならない」と危機感を表明しました。
経済と産業への危機感 「新たな経済の奇跡」を掲げる
チェン氏は、台湾がこれまで築いてきた経済や貿易、主要産業の強みが、このままでは枯渇しかねないと警鐘を鳴らしました。そのうえで、新しい国民党の役割として次のような目標を掲げました。
- 社会の「正常化」と、これまでの誤りの是正に責任を持つこと
- 台湾において新たな経済の奇跡を生み出すこと
- 台湾海峡の平和を守り、安定した環境の中で経済成長を実現すること
国民党の新しい指導部として指名された副主席人事も、この党大会で承認され、新体制がスタートしました。
両岸関係では「平和・安定・交流」を強調
党大会で採択された報告書では、国民党が「両岸の交流と協力を促進することを自らの責任と位置づけている」と改めて強調されました。報告書は、台湾海峡の平和・安定・繁栄に資することが、台湾の多くの人々の願いとも一致していると指摘しています。
- 1992年コンセンサスを堅持すること
- いわゆる Taiwan secessionists に反対する立場をとること
- 両岸間のコミュニケーションを維持し、緊張を和らげ、平和的な両岸関係の発展を継続して推進すること
チェン氏は、国民党が引き続き台湾海峡の平和を守る役割を果たすと強調し、平和と対話を軸にした両岸政策を打ち出しました。
2025年の台湾政治と両岸関係を読むうえで
2025年現在、台湾社会の在り方や両岸関係は、東アジアの安定や経済にも大きな影響を与えるテーマとなっています。今回の国民党トップ交代は、次のような点で注目されています。
- DPP当局への強い批判を前面に出しつつ、民主主義や司法のあり方をどう示していくのか
- 経済再生と「新たな奇跡」というメッセージが、台湾の人々にどこまで響くのか
- 両岸の緊張緩和と対話の維持に向けて、国民党がどのような具体策を打ち出すのか
日本やアジアの読者にとっても、台湾の政党間の力学や両岸関係の方向性は、地域の安全保障や経済の行方を考えるうえで重要な手がかりとなります。チェン・リーウン氏の下で国民党がどのような路線を歩むのか、今後の動きが注視されています。
Reference(s):
cgtn.com








